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第39章:波のなかで、恋はふくらむ
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白い砂浜が、陽の光にきらきらと輝いていた。
桐谷さんと手をつないでビーチを歩くだけで、胸の奥がくすぐったくなる。
「……ほんとに着るんだね、その水着。かわいい」
「だ、だって……選んでもらったし……」
今日は、淡いピンクのビキニ。
胸元とショーツに小さなフリルが揺れて、肌を柔らかく見せてくれる。
脚も腕も出ていて、何も隠せない。
けれど、その“隠せなさ”が、今は不思議と心地よかった。
「肌、綺麗だね。……脚も、すごく丁寧に処理したんだね」
「う、うん……エステで、してもらって……」
桐谷さんの視線が、ゆっくりと私の脚や腰のあたりをなぞる。
視線だけで、まるで触れられているような感覚に、息が詰まりそうになる。
ビーチチェアに荷物を置き、
ふたりで手を取り合って波打ち際へ。
水が足元に触れるたび、きゃっと小さく声が出てしまう。
「冷たいっ……!」
「でも気持ちいいでしょ」
「う、うん……っ!」
桐谷さんは笑いながら、私の手を強く握った。
不意に、軽く水をはねかけられる。
「ちょ……!」
「ほら、反撃して」
小さな水の応酬。
キャッキャと笑い合いながら、少しずつ距離が近づく。
そして、ふと、桐谷さんの腕の中に引き寄せられた。
「……抱きしめたくなった」
小さく耳元で囁かれて、肩に腕をまわされる。
人目があるのに、心臓の音が響くくらい近い。
「や、やだ……人いるよ……」
「じゃあ、耳だけ貸して。……ね、今夜も、そばにいてくれる?」
その声に、思わず頷いてしまった。
ビーチで少し遊んだあとは、
ふたりで写真を撮ったり、ドリンクを飲んだり、
“ふつうの恋人みたいに”笑い合う時間が続いていく。
でも心の奥では、どこかふわふわしたまま。
(私、ほんとに、女の子みたいに……扱われてるんだ)
誰かに甘えられること、手をつないで歩くこと、
“かわいい”と微笑まれること。
そんな一つ一つが、
少しずつ、でも確かに──“私”を作り変えていく。
桐谷さんと手をつないでビーチを歩くだけで、胸の奥がくすぐったくなる。
「……ほんとに着るんだね、その水着。かわいい」
「だ、だって……選んでもらったし……」
今日は、淡いピンクのビキニ。
胸元とショーツに小さなフリルが揺れて、肌を柔らかく見せてくれる。
脚も腕も出ていて、何も隠せない。
けれど、その“隠せなさ”が、今は不思議と心地よかった。
「肌、綺麗だね。……脚も、すごく丁寧に処理したんだね」
「う、うん……エステで、してもらって……」
桐谷さんの視線が、ゆっくりと私の脚や腰のあたりをなぞる。
視線だけで、まるで触れられているような感覚に、息が詰まりそうになる。
ビーチチェアに荷物を置き、
ふたりで手を取り合って波打ち際へ。
水が足元に触れるたび、きゃっと小さく声が出てしまう。
「冷たいっ……!」
「でも気持ちいいでしょ」
「う、うん……っ!」
桐谷さんは笑いながら、私の手を強く握った。
不意に、軽く水をはねかけられる。
「ちょ……!」
「ほら、反撃して」
小さな水の応酬。
キャッキャと笑い合いながら、少しずつ距離が近づく。
そして、ふと、桐谷さんの腕の中に引き寄せられた。
「……抱きしめたくなった」
小さく耳元で囁かれて、肩に腕をまわされる。
人目があるのに、心臓の音が響くくらい近い。
「や、やだ……人いるよ……」
「じゃあ、耳だけ貸して。……ね、今夜も、そばにいてくれる?」
その声に、思わず頷いてしまった。
ビーチで少し遊んだあとは、
ふたりで写真を撮ったり、ドリンクを飲んだり、
“ふつうの恋人みたいに”笑い合う時間が続いていく。
でも心の奥では、どこかふわふわしたまま。
(私、ほんとに、女の子みたいに……扱われてるんだ)
誰かに甘えられること、手をつないで歩くこと、
“かわいい”と微笑まれること。
そんな一つ一つが、
少しずつ、でも確かに──“私”を作り変えていく。
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