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第十三章:歓迎の微笑み、女たちの視線
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「おはよう、陸ちゃん」
開発部フロアに入るなり、甘い声が響いた。市川だ。
今日の彼女はベージュのタイトワンピースに黒いレースのストッキング。完璧な装いに、どこか“獲物を見定める視線”が混じっている。
「その制服、すごく似合ってる。ウエスト、かなり細いわね……優斗ちゃん、ちゃんと指導してくれたのね?」
「は、はい……! 佐伯先輩が全部……」
「ふふ。じゃあ、今日は私が“下着担当”としてチェックしてあげる。ね、沙織?」
沙織はその横でやんわり笑う。だがその目は、いつもより少し鋭い。
「ようこそ、陸ちゃん。“女として働く”ってね、外見だけじゃ足りないの。立ち居振る舞い、声のトーン、そして——下着への意識もね」
「し、下着……?」
陸は顔を赤らめてうつむいた。その仕草に市川が近づき、彼の耳元でささやいた。
「今、何色のブラ着けてるの?」
「え、えっと……し、白……に、ピンクのレースが少しだけ……」
「ふぅん……かわいい。やっぱり、下着って素直よね。その子の“心”が出るんだから」
沙織も頷く。
「陸ちゃん、今度、優斗と一緒に“下着の選び方”研修しない? 実際にフィッティングして、体感してもらうから」
「たい、かん……?」
「そう。試着室で、“女の子としての感覚”を身体に覚え込ませるの。布が肌に触れる感じ、コルセットを締められる安心感、レースの中で生まれる違和感と快感……全部、自分のものにしていくの」
優斗がそっと陸の背中を支えた。
「大丈夫。最初はみんな戸惑うけど、少しずつ、“それ”が自然になってくるから。俺も……そうだったから」
陸はゆっくりと頷いた。
先輩たちに囲まれ、教えられ、揺さぶられながら、“緒方陸”という男性は、ゆっくりと“彼女”に変わっていく。
開発部フロアに入るなり、甘い声が響いた。市川だ。
今日の彼女はベージュのタイトワンピースに黒いレースのストッキング。完璧な装いに、どこか“獲物を見定める視線”が混じっている。
「その制服、すごく似合ってる。ウエスト、かなり細いわね……優斗ちゃん、ちゃんと指導してくれたのね?」
「は、はい……! 佐伯先輩が全部……」
「ふふ。じゃあ、今日は私が“下着担当”としてチェックしてあげる。ね、沙織?」
沙織はその横でやんわり笑う。だがその目は、いつもより少し鋭い。
「ようこそ、陸ちゃん。“女として働く”ってね、外見だけじゃ足りないの。立ち居振る舞い、声のトーン、そして——下着への意識もね」
「し、下着……?」
陸は顔を赤らめてうつむいた。その仕草に市川が近づき、彼の耳元でささやいた。
「今、何色のブラ着けてるの?」
「え、えっと……し、白……に、ピンクのレースが少しだけ……」
「ふぅん……かわいい。やっぱり、下着って素直よね。その子の“心”が出るんだから」
沙織も頷く。
「陸ちゃん、今度、優斗と一緒に“下着の選び方”研修しない? 実際にフィッティングして、体感してもらうから」
「たい、かん……?」
「そう。試着室で、“女の子としての感覚”を身体に覚え込ませるの。布が肌に触れる感じ、コルセットを締められる安心感、レースの中で生まれる違和感と快感……全部、自分のものにしていくの」
優斗がそっと陸の背中を支えた。
「大丈夫。最初はみんな戸惑うけど、少しずつ、“それ”が自然になってくるから。俺も……そうだったから」
陸はゆっくりと頷いた。
先輩たちに囲まれ、教えられ、揺さぶられながら、“緒方陸”という男性は、ゆっくりと“彼女”に変わっていく。
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