32 / 41
第三十章 締め付けの悦び、繊細な緊縛の夜
しおりを挟む
フェティッシュバーの薄暗い空間。
ほのかなアロマの香りが漂い、静かな音楽が耳に心地よく響く。
陸は緊張と期待が入り混じった気持ちで店内のカウンターに座った。
「初めての方ですか?」
穏やかな声の緊縛師が優しく声をかける。
「はい……締め付ける感覚に興味があって……」
陸の声は少し震えていた。
「そうでしたか。ではゆっくり進めていきましょう」
ふたりは個室へと移動し、そこで陸は椅子に腰かけた。
緊縛師は柔らかな麻縄を手に取り、丁寧に扱いながら陸の手首をそっと包み込んだ。
後ろ手で縄が触れる冷たさと、徐々に強くなっていく締め付け。
それは痛みではなく、心地よい圧迫感。
身体の奥からじわりと熱が広がる。
「息は無理せず、楽な範囲で」
緊縛師の声に耳を澄ませながら、陸は自分の心拍が速まるのを感じた。
縄は腕から胸へと巻きつけられ、胸郭をきつく包み込む。
いつものジッパードレスの締め付けとは違い、繊細に肌を這う縄の感触に陸は思わず息を飲む。
「もっと深く、締めますね」
縄は背中を通り、身体をぐるりと包む。
動くたびに縄がささやくように擦れ、緊張と安心が交錯する不思議な感覚。
陸の目は半ば閉じられ、顔には穏やかな恍惚の表情が浮かんだ。
「締め付けられているのに、なぜか自由を感じる……」
自分の内側から、解放感と甘い震えが溢れだす。
縄に捕らわれながらも、心は軽やかに羽ばたいていた。
「こんなに心が震えるとは思わなかった…」
緊縛師は優しく陸の頭を撫でる。
「あなた自身の新しい一面を、ゆっくり受け入れていきましょう」
縄の締め付けと温かい言葉に包まれて、陸は自分の中にある深い快感と向き合い始めた。
陸の身体は、緊縛師が丁寧にランジェリーの上から縄を巻きつけていくたびに、女性としての自分を強く意識していった。
ランジェリーの柔らかな感触と縄の締め付けが織りなす絶妙な圧迫感が、肌の上で重なり合う。
締め付けられる感覚に、陸の身体は知らず知らず反応し始めていた。
顔が熱くなり、呼吸もわずかに乱れる。自分でも驚くほどに、胸の奥から甘い震えが走る。
緊縛師は優しく声をかけながら、最後の仕上げとして陸の目に柔らかな布をあてた。
「これで全てが研ぎ澄まされるでしょう」
そして陸をそっとくるくると回転させる。
暗闇の中、身体がふわりと宙に浮くような錯覚に包まれた。
「このふわふわした感覚…私が本当にいるべき姿は、こういう姿なのかもしれない…」
目隠しの奥で、自分の心が柔らかく、そして確かに満たされていくのを感じた。
縄に包まれ、締め付けられ、女性の身体としての自分を肯定するようなこの時間。
陸は深く息を吐き、静かにその快感に身を委ねていった。
ほのかなアロマの香りが漂い、静かな音楽が耳に心地よく響く。
陸は緊張と期待が入り混じった気持ちで店内のカウンターに座った。
「初めての方ですか?」
穏やかな声の緊縛師が優しく声をかける。
「はい……締め付ける感覚に興味があって……」
陸の声は少し震えていた。
「そうでしたか。ではゆっくり進めていきましょう」
ふたりは個室へと移動し、そこで陸は椅子に腰かけた。
緊縛師は柔らかな麻縄を手に取り、丁寧に扱いながら陸の手首をそっと包み込んだ。
後ろ手で縄が触れる冷たさと、徐々に強くなっていく締め付け。
それは痛みではなく、心地よい圧迫感。
身体の奥からじわりと熱が広がる。
「息は無理せず、楽な範囲で」
緊縛師の声に耳を澄ませながら、陸は自分の心拍が速まるのを感じた。
縄は腕から胸へと巻きつけられ、胸郭をきつく包み込む。
いつものジッパードレスの締め付けとは違い、繊細に肌を這う縄の感触に陸は思わず息を飲む。
「もっと深く、締めますね」
縄は背中を通り、身体をぐるりと包む。
動くたびに縄がささやくように擦れ、緊張と安心が交錯する不思議な感覚。
陸の目は半ば閉じられ、顔には穏やかな恍惚の表情が浮かんだ。
「締め付けられているのに、なぜか自由を感じる……」
自分の内側から、解放感と甘い震えが溢れだす。
縄に捕らわれながらも、心は軽やかに羽ばたいていた。
「こんなに心が震えるとは思わなかった…」
緊縛師は優しく陸の頭を撫でる。
「あなた自身の新しい一面を、ゆっくり受け入れていきましょう」
縄の締め付けと温かい言葉に包まれて、陸は自分の中にある深い快感と向き合い始めた。
陸の身体は、緊縛師が丁寧にランジェリーの上から縄を巻きつけていくたびに、女性としての自分を強く意識していった。
ランジェリーの柔らかな感触と縄の締め付けが織りなす絶妙な圧迫感が、肌の上で重なり合う。
締め付けられる感覚に、陸の身体は知らず知らず反応し始めていた。
顔が熱くなり、呼吸もわずかに乱れる。自分でも驚くほどに、胸の奥から甘い震えが走る。
緊縛師は優しく声をかけながら、最後の仕上げとして陸の目に柔らかな布をあてた。
「これで全てが研ぎ澄まされるでしょう」
そして陸をそっとくるくると回転させる。
暗闇の中、身体がふわりと宙に浮くような錯覚に包まれた。
「このふわふわした感覚…私が本当にいるべき姿は、こういう姿なのかもしれない…」
目隠しの奥で、自分の心が柔らかく、そして確かに満たされていくのを感じた。
縄に包まれ、締め付けられ、女性の身体としての自分を肯定するようなこの時間。
陸は深く息を吐き、静かにその快感に身を委ねていった。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる