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第三十七章 夜の告白とふたりの距離
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合宿の夜。みんなが集う賑やかなリビングから少し離れ、陸と優斗は静かな廊下の隅にある小さなソファに腰を下ろしていた。心地よい疲労感の中、ざわつく声が遠くに聞こえる。
「優斗先輩……ちょっとお話があるんです」
陸は言葉を選びながら、小さな声で切り出した。先ほどの緊縛体験のこと、そして自分の身体が反応してしまうことに戸惑い続けている胸の内を伝えたかった。
「実は……あのボンデージ衣装とか、緊縛される時、身体が勝手に反応してしまって……正直、どうしていいかわからなくて……」
優斗は驚いた表情を見せたが、すぐに優しく頷いた。
「……陸のそういう気持ち、よくわかりますよ。身体がそう反応するということは、そこに何か感じている証拠だと思います」
陸は息を吐き、肩の力が少し抜けた気がした。
「はい……締め付けられる感じとか、女性の服を着ているだけじゃなくて、身体を拘束されると、どこか自分の本当の姿に近づいている気がして……怖い反面、嬉しいというか……」
優斗はその言葉に胸を打たれ、そっと陸の手を握った。
「陸、大丈夫ですよ。私たちはここでしかできないことをしているからこそ、見つけられる自分もいるんです。お互い支え合いながら、少しずつ進んでいきましょう」
その瞬間、二人の間の空気がふわりと柔らかくなった。誰にも言えなかった秘密を分かち合ったことで、距離は一気に縮まった。
陸はふと自分の胸元に手をやり、コルセットの締め付けを感じた。まるで身体と心が一体となり、女性らしさと男らしさの境界が溶けていくような錯覚に包まれた。
「ありがとうございます、優斗先輩……これからも、どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ、陸くん」
夜の静寂に包まれながら、ふたりは未来へと小さな一歩を踏み出したのだった。
「優斗先輩……ちょっとお話があるんです」
陸は言葉を選びながら、小さな声で切り出した。先ほどの緊縛体験のこと、そして自分の身体が反応してしまうことに戸惑い続けている胸の内を伝えたかった。
「実は……あのボンデージ衣装とか、緊縛される時、身体が勝手に反応してしまって……正直、どうしていいかわからなくて……」
優斗は驚いた表情を見せたが、すぐに優しく頷いた。
「……陸のそういう気持ち、よくわかりますよ。身体がそう反応するということは、そこに何か感じている証拠だと思います」
陸は息を吐き、肩の力が少し抜けた気がした。
「はい……締め付けられる感じとか、女性の服を着ているだけじゃなくて、身体を拘束されると、どこか自分の本当の姿に近づいている気がして……怖い反面、嬉しいというか……」
優斗はその言葉に胸を打たれ、そっと陸の手を握った。
「陸、大丈夫ですよ。私たちはここでしかできないことをしているからこそ、見つけられる自分もいるんです。お互い支え合いながら、少しずつ進んでいきましょう」
その瞬間、二人の間の空気がふわりと柔らかくなった。誰にも言えなかった秘密を分かち合ったことで、距離は一気に縮まった。
陸はふと自分の胸元に手をやり、コルセットの締め付けを感じた。まるで身体と心が一体となり、女性らしさと男らしさの境界が溶けていくような錯覚に包まれた。
「ありがとうございます、優斗先輩……これからも、どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ、陸くん」
夜の静寂に包まれながら、ふたりは未来へと小さな一歩を踏み出したのだった。
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