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第12部:告げられる好意、支配のなかの日常
第一章:鍵はもう預けてある
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「……ここ、開けてもらってもいいですか?」
その一言が、今の柊にはすべてだった。
自分で開けられない。
だからこそ、お願いする。
鍵は──すでに、彼の手の中にある。
ベッドの隅で、うつむいたまま膝を抱える柊に、
佑真はいつも通りの静かな声で応えた。
「本当に、開けてほしいの?」
「……はい」
「なんで?」
「……疼いてしまって、だめなんです……。
……自分で触れないようにしてるのに、頭のなかがずっと……」
視線は床のまま。
けれど、身体の奥は、コルセットの下の装備ごと微かに震えていた。
「ねぇ、柊」
「……はい」
「鍵、僕に渡したとき──怖かった?」
柊は、小さく息を呑んだ。
「あのとき……こわかったけど、それよりも……嬉しかったです。
……預けることで、“見られること”も“許されること”も、はじめて安心できたから」
佑真はベッドの端に座り、柊の頭に手を置いた。
「鍵を渡すって、つまり“自分の疼きを、誰かに管理してもらう”ってことだよね」
「……はい」
「じゃあ……今夜は、外さないよ」
「っ……え……」
「君が自分から“どうにかして”って言えるようになるまで、僕は開けない」
「……ひどい……っ、けど……」
その言葉だけで、柊の下腹がまた疼いた。
貞操具の中。動かせないそこに、圧倒的な存在感。
それは自分のものではなく、もう“彼のもの”になっている。
「でも……安心しました。鍵が、ちゃんとここにあるって思うだけで……」
柊はそっと、自分の太ももを押さえた。
ショーツの奥で固く閉じられたリングの、その外側。
汗と、わずかな疼きと、誰にも見せられない“期待”。
「じゃあ……せめて、見せてくれる?」
「……はい」
その言葉を合図に、柊は制服のシャツを外し始めた。
コルセットの編み上げ、レースのブラ、薄く膨らんだヌーブラ。
「ねぇ、柊」
「……はい」
「ほんと、可愛いよ。……その身体、ずっと預かってたい」
柊の脚が、ピクリと跳ねた。
鍵はすでに渡してある。
でも──その意味は、まだ、少しずつ育っていく。
その一言が、今の柊にはすべてだった。
自分で開けられない。
だからこそ、お願いする。
鍵は──すでに、彼の手の中にある。
ベッドの隅で、うつむいたまま膝を抱える柊に、
佑真はいつも通りの静かな声で応えた。
「本当に、開けてほしいの?」
「……はい」
「なんで?」
「……疼いてしまって、だめなんです……。
……自分で触れないようにしてるのに、頭のなかがずっと……」
視線は床のまま。
けれど、身体の奥は、コルセットの下の装備ごと微かに震えていた。
「ねぇ、柊」
「……はい」
「鍵、僕に渡したとき──怖かった?」
柊は、小さく息を呑んだ。
「あのとき……こわかったけど、それよりも……嬉しかったです。
……預けることで、“見られること”も“許されること”も、はじめて安心できたから」
佑真はベッドの端に座り、柊の頭に手を置いた。
「鍵を渡すって、つまり“自分の疼きを、誰かに管理してもらう”ってことだよね」
「……はい」
「じゃあ……今夜は、外さないよ」
「っ……え……」
「君が自分から“どうにかして”って言えるようになるまで、僕は開けない」
「……ひどい……っ、けど……」
その言葉だけで、柊の下腹がまた疼いた。
貞操具の中。動かせないそこに、圧倒的な存在感。
それは自分のものではなく、もう“彼のもの”になっている。
「でも……安心しました。鍵が、ちゃんとここにあるって思うだけで……」
柊はそっと、自分の太ももを押さえた。
ショーツの奥で固く閉じられたリングの、その外側。
汗と、わずかな疼きと、誰にも見せられない“期待”。
「じゃあ……せめて、見せてくれる?」
「……はい」
その言葉を合図に、柊は制服のシャツを外し始めた。
コルセットの編み上げ、レースのブラ、薄く膨らんだヌーブラ。
「ねぇ、柊」
「……はい」
「ほんと、可愛いよ。……その身体、ずっと預かってたい」
柊の脚が、ピクリと跳ねた。
鍵はすでに渡してある。
でも──その意味は、まだ、少しずつ育っていく。
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