受付バイトは女装が必須?

なな

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第14部:試される関係、ほどけない絆

第五章:交差して、つながっていく

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その日のバイト前──
柊は、なおにそっと声をかけた。

「……なおさん、わたし……ちゃんと“誰かの子”になれてますか……?」

なおは笑みを浮かべたまま、柊のチョーカーの位置を直した。

「なれてるよ。……わたしより、ずっと自然に、なってる」

「……でも、まだ怖くて……。
ちゃんと、愛されてるのかなって、時々不安になります」

「それなら大丈夫。
その不安も、全部“抱かれてる”って証拠だよ」

柊の頬が、わずかに赤らんだ。

その日の装備は、4人とも違っていた。でも揃えたものがある。

なおは──プラグ、コルセット、レース付きブラ、ローター、鍵ショーツ。
柊は──拘束式のインナーベルト、薄型プラグ、チョーカー、そしてリモート振動デバイス。
真帆は──レオタード風インナーとガーターベルトに、小型振動ローター。
美月は──外からまったく見えないのに、脚の奥でひそかに鳴っているワイヤレスバイブ。

受付カウンターの裏、
視線も届かないところで、
誰かの手によって“仕込まれた”身体が、静かに並ぶ。

「いらっしゃいませ。ご予約のお名前を──」

何気ない応対。
でも誰もが、自分の身体が“誰かに管理されている”感覚を抱えていた。

(この装いで、同じ場所に立ってる。
わたしたち、誰にも気づかれずに、“鍵付きの関係”でつながってる)

ふと、なおと柊の視線が交差する。
どちらも、身体のどこかで“こっそりと反応”していた。

(今、揺れてるのは……なおさん? それとも、わたし……?)

美月がこっそりリモコンを操作する。
真帆が、そんな美月の手元にくすっと笑みを漏らす。

(わたしたちだけの、秘密の会話)

休憩中、4人はバックヤードに集まり、
お互いの装備について何も言わずに微笑んだ。

それだけで、通じていた。

「“装われて生きる”って、怖いと思ってたけど──
誰かに預けて、見られて、触れられて……
それが“絆”になるって、あるんですね」

柊の言葉に、誰もが黙って頷いた。

4人の関係は、愛でも恋でも支配でもない。
けれど、確かに「装いと感覚」で交差した絆だった。
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