10 / 132
第10章:鍵をかけたまま、世界の中へ
しおりを挟む
「ねえ、陽菜ちゃん。今日も会社、行けるよね?」
市川は、にこやかに尋ねた。
陽菜は、ソファの上でスカートを直しながら、小さく頷いた。
股間には、しっかりと金属の貞操具が装着されている。中は既に、ささやかな欲望ですら受け入れてくれない窮屈な空間になっていた。
「このまま、何もなかったふりして、満員電車に乗って。職場でスーツを着て、お仕事するの。……できるよね?」
陽菜は無言のまま頷いた。
その頬は紅潮し、心臓の鼓動が鼓膜に響くほど高鳴っていた。
出勤の朝。
ネクタイを締め、スーツを着た陽介は、一見どこにでもいる男性社員だった。
だがその内側では——レースの下着、ストッキング、そして股間には鍵付きの貞操具がしっかりと収まっていた。
太腿には昨日と同じように細い赤縄が隠されており、一歩歩くたびに肌を擦って痺れるような感覚が襲ってくる。
(誰にも気づかれていない。でも……俺は、俺じゃない)
自分の身体の“管理権”が他人に握られているという事実。
感じても、触っても、イくことすら許されない。
なのに、スラックスの下では、金属が動くたびに冷たく重く、存在を主張し続けている。
会社ではいつも通り業務が始まる。
だが、集中などできるはずもない。
電話を取りながら、椅子に座るたびに貞操具の圧力がおそってくる。
目の前の女性社員がふと足を組み替える仕草に、自分が女装していたときの“陽菜”としての姿がフラッシュバックする。
──そしてそのとき、スマートフォンに市川からのメッセージが届いた。
「陽菜ちゃん、今スーツの中に何を着けてるの? 写真で証明して。トイレで撮って送ってきてね」
心臓が止まりそうになった。
(……今? トイレで、自撮り……?)
けれど陽菜の指はすでに、スマホを握りしめていた。
誰にも見られていないことを何度も確認し、個室に入る。
ネクタイを緩め、シャツを捲り、下着を露わにする。
そして、ストッキング越しにキラリと光る金属の拘束具が、カメラのレンズに映り込む。
震える指でシャッターを切り、市川に送信した。
すぐに返ってきた返信。
「すごく良い子。……次は、昼休みに“下着を見せたまま座る写真”を送ってね。もちろん、トイレ個室でいいから。でも……誰かに気づかれたら、ちゃんと報告してね?」
全身が熱くなる。羞恥と興奮、恐怖と快感が入り混じり、陽菜は股間のケージの中で思わず震えた。
(……どうして、こんなに……気持ちいいの)
絶頂できない。触れることも許されない。
けれど、だからこそ——ずっと火照りつづける身体に、陽菜はもう完全に依存し始めていた。
市川は、にこやかに尋ねた。
陽菜は、ソファの上でスカートを直しながら、小さく頷いた。
股間には、しっかりと金属の貞操具が装着されている。中は既に、ささやかな欲望ですら受け入れてくれない窮屈な空間になっていた。
「このまま、何もなかったふりして、満員電車に乗って。職場でスーツを着て、お仕事するの。……できるよね?」
陽菜は無言のまま頷いた。
その頬は紅潮し、心臓の鼓動が鼓膜に響くほど高鳴っていた。
出勤の朝。
ネクタイを締め、スーツを着た陽介は、一見どこにでもいる男性社員だった。
だがその内側では——レースの下着、ストッキング、そして股間には鍵付きの貞操具がしっかりと収まっていた。
太腿には昨日と同じように細い赤縄が隠されており、一歩歩くたびに肌を擦って痺れるような感覚が襲ってくる。
(誰にも気づかれていない。でも……俺は、俺じゃない)
自分の身体の“管理権”が他人に握られているという事実。
感じても、触っても、イくことすら許されない。
なのに、スラックスの下では、金属が動くたびに冷たく重く、存在を主張し続けている。
会社ではいつも通り業務が始まる。
だが、集中などできるはずもない。
電話を取りながら、椅子に座るたびに貞操具の圧力がおそってくる。
目の前の女性社員がふと足を組み替える仕草に、自分が女装していたときの“陽菜”としての姿がフラッシュバックする。
──そしてそのとき、スマートフォンに市川からのメッセージが届いた。
「陽菜ちゃん、今スーツの中に何を着けてるの? 写真で証明して。トイレで撮って送ってきてね」
心臓が止まりそうになった。
(……今? トイレで、自撮り……?)
けれど陽菜の指はすでに、スマホを握りしめていた。
誰にも見られていないことを何度も確認し、個室に入る。
ネクタイを緩め、シャツを捲り、下着を露わにする。
そして、ストッキング越しにキラリと光る金属の拘束具が、カメラのレンズに映り込む。
震える指でシャッターを切り、市川に送信した。
すぐに返ってきた返信。
「すごく良い子。……次は、昼休みに“下着を見せたまま座る写真”を送ってね。もちろん、トイレ個室でいいから。でも……誰かに気づかれたら、ちゃんと報告してね?」
全身が熱くなる。羞恥と興奮、恐怖と快感が入り混じり、陽菜は股間のケージの中で思わず震えた。
(……どうして、こんなに……気持ちいいの)
絶頂できない。触れることも許されない。
けれど、だからこそ——ずっと火照りつづける身体に、陽菜はもう完全に依存し始めていた。
0
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる