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王との対峙
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(………なぜこんな事になってしまったの?私は友達と楽しい学園生活を送りたかっただけなのにーー…………………)
遡る事、一週間前、王室から一枚手紙が届いた。その内容とは、先輩の領地での活躍を讃えるものと、魔人が現れた事柄を聞きたいとの事だった。嫌な予感しかしない。
「はぁ、行かなきゃダメなのかなぁ………」
髪の毛をセットしてもらいながらターニャに愚痴る。ターニャは「王室に呼ばれるなんてすごい事ですよ」といつも以上に興奮しながら私の髪の毛を豪華にしていく。
私だけではなくお父様も一緒に行く事にはなったのだが、お父様も浮かない顔をしている。
「アデル、家の事は気にしなくて良いから嫌な事はきっぱり断るんだよ。例えば今回の報酬にアレクシス殿下と婚約させようなどと言われたら、子供が産めない体なので余生はゆっくり過ごさせてください……とかなんとか言ってうまく逃げなさいね」
馬車の隣同士に座り、心配そうな顔で覗き込まれる。そして、アデレイドを落ち着かせるかのように、肩を優しくさすられる。
「はい、お父様、私もそんな事を言われるんじゃないかと思って今から吐きそうなのですが、うまく立ち回りたいと思います……」
二人で重い足取りで王宮の門をくぐる。
「テイラー侯爵家、グレアム様と、御息女アデレイド様がご到着です」
豪華な扉が開き王と王妃、王太子殿下が座す前に跪いた。
「表をあげよ」
私達は顔を上げた。アレクシスからの視線が刺さりそうなほど痛かったが無視を決め込む。
「此度のアデレイド嬢の活躍をアレクシスから聞いてとっても驚いたぞ。スタンピード並の魔物を退治したと聞いた。しかも、魔人が出たそうじゃないか……それをアデレイド嬢が退治したとか、褒美を出そうと思うがどうだろうか、アレクシスとの婚姻などは」
王の目が怪しく光る。
アデレイドは悲しげな顔を作り答える。
「私の身体では世継ぎも作れないので前々から言っております通り、辞退させていただきたく……何卒ご勘弁を……
「そんな事どうとでもなるぞアデレイド!私と一緒になりたいのはわかっているんだ!素直になってくれ!!」
途中で意見をアレクシスに遮られる。なにが、一緒になりたいのは分かっている、だ!!一体いつ私がそんな事いった??アデレイドは悲しげな顔を保つのが難しいほど内心イラついていたが、なんとか顔を保ちながら続ける。
「精神面でも、王妃の座など私にはとても無理でございます。ゆっくり穏やかに人生を過ごす事をお許しください」
王は見定めるようにアデレイドを見る。両手を組んで祈っているか弱いアデレイド、いかにも守ってあげたくなるような庇護欲を掻き立てる。
その目の前の女の子が、まさか、魔人を倒す程強いとは……体が弱いと言うのは嘘をついているようには見えないが、魔物を倒したと言う事実がそれを凌駕してしまう。光の勇者ならば逃してはならない人物だが……ここで無理をしたら、レイシスがこの子と共にいなくなるかもしれない……
王は考えに考えた末、現状維持を選んだ。
「婚約の件は一旦置いておくとしよう。そなたの体が大事だからな、ただし!一つお願いしたい事があるのだがいいかな?」
「私にできる事ならば…………」
婚約の件は何とかなったと安心したのも束の間、王からのお願いとは……嫌な予感で背中に冷や汗が流れる。
「ちょっとしたお願いだから、そんなに堅苦しく考えなくてもよいぞ!実はな、最近魔物がそこかしこで暴れ回っているんだが、今回のガルシア家の応援を出せなかった理由がそれなんだ。他の領地でも魔物が溢れかえっていて、ガルシア家には悪かったが、もう一つの領地の方が経済が発達していたからそちらを優先せざるおえなかったのだ。分かってくれるかな?」
(はぁ?いくらアーロン先輩の領地がのどかな地域だからって見捨てた事には違いないじゃない!!分かってくれるな?って、そんな簡単に済ませるなんて……信じられない……少しでも応援を送ってくれてたら違ったかもしれないのに……やっぱりこの王家大っっっ嫌い!!)
顔に嫌悪感が出ていたのかもしれないが、その顔を見て、王がニヤリと意地悪い笑みを浮かべる。
「それでだな、アデレイド嬢をリーダーにした討伐部隊を作ってだな、んーー、そうだな、とりあえず……一年、魔物の退治をお願いしたいんだが、そうしたら我が民はどれだけ救われるだろうか、どうかな?アデレイド嬢?」
「そんな!!アデレイドはまだまだ子供です、陛下!!私は親として納得できませんそんな危ないこと!!!!!!酷いです!!!!」
グレアムは身を乗り出して必死に訴えた。しかし王の意見は覆らないらしい。じっとアデレイドを見つめている。
「討伐が嫌と言うわけではないのですが、学園はどうなるのでしょうか………私は今学生で、復学したばかりなのですが、また一年休学する事になるのでしょうか…………」
「そうですよ父上、アデレイドは学生です!学生は勉学が一番大事です!!討伐などこの国の騎士達がする事ではないですか!!」
一緒に学園に通いたいアレクシスが口を挟む。
「もちろん私のお願いを聞かずに学園に通っても良いぞ?ただし、その場合はガルシア家の様な領地が今後出てくるやもしれんという事、そして、今現状それだけ魔物が多くてひっ迫してると言う事を言いたかったんだ。だからこれは頼みではなく、お願いだ。もし学業を取りたければ取ると良い。私は断られても恨み言など言わぬ」
(ズルい…………そんなこと言われたら他の領地の人を見捨てるみたいじゃないか、、そんな事できるわけないじゃない!!あーーもう!!………なぜこんな事になってしまったの?私は友達と楽しい学園生活を送りたかっただけなのにーー…………………)
と、冒頭の思いに戻るのである。分かりましたと口を開こうとしたその時、扉がバァンッと激しく音を立てて開いた。そこにはいつものピンク頭で目が隠れている変装の方の姿ではなく、シャンパンゴールドに輝く髪をなびかせ、神をも嫉妬する美貌のレイシスが現れた。
「お話中失礼します。国王陛下」
レイシスは冷え冷えとした眼差しで、悪びれもなく国王の前に歩み出た。国王は、しまったと言う顔を隠す為に笑顔でレイシスと対峙した。
「レイシス、君に会えるのは嬉しいが、今日はどうしたのかな?何の用事だっただろうか?今ちょっと込み入った話をしていたのだが………」
「いえ、私もまさか無いとは思ったのですが、弟子のアデレイド嬢に褒美と言うなの何か策略や、はたまた、国王のお願い事と称した断れない願いなど言ってないかと思い心配で、討伐を切り上げて、駆けつけてきたのです。どうですか?まさかその様な卑劣な事はなさって無いでしょうね?」
(まさに、その通りです先生……しかも、助けに来てくれるなんて優しい!!今先生に百万回抱きつきたいです!!)
なんてアホな事をアデレイドが思っている中、王はレイシスに言い当てられ、泳ぎそうになる目を何とか堪え笑顔を保ったまま言葉を発する。
「そんな事あるわけないじゃ無いか、レイシスは本当にアデレイド嬢が好きなんだね、妬けちゃうなぁ~ただ、お願いというより提案はしたけどね」
(嘘つきーーー!!ほぼ、強制のお願いだったじゃん!!)
アデレイドの王様を見る目つきが胡散臭いものを見る目に変わる。
「そうですか、では、その提案、ただの提案ならば下げてくださいますね?」
「それはアデレイド嬢次第かな?どうかな?アデレイド嬢」
笑顔で国王はアデレイドを見る。アデレイドは先生の助けに乗って、引き受けないという選択肢を取りたかったが、アーロン先輩の様な困った人達が出てくるのではという懸念点がどうしても拭えなかった。なのでもう一度念押しで確認する事にした。
「国王陛下、先程言っていた事は事実なのでしょうか……………」
「事実だよ、アデレイド嬢が行かなければ、捨てる領地もあるだろうね」
すると、何かを察したレイシスがさらに冷えた空気で言葉を発する。
「まさか、こんな小さい子を討伐に行かせるつもりなのですか?」
「一人では無いよ?リーダーとして一小隊を任せるつもりだから味方もいるし、心配ないと思うけど?」
レイシスがより一層冷ややかに王に侮蔑の眼差しを向ける。そして、物理的にも部屋の温度がどんどん下がっていく。レイシスは怒りで氷魔法を無意識に発動させていた。部屋中が氷で覆われていく。
「………陛下、自業自得って言葉知ってる?前に注告したよね?もうこの国の事なんか知らないからね僕は」
と、言葉を投げつけ、そのままレイシスはアデレイドと共に瞬間移動で、その場から姿を消したのであった。
遡る事、一週間前、王室から一枚手紙が届いた。その内容とは、先輩の領地での活躍を讃えるものと、魔人が現れた事柄を聞きたいとの事だった。嫌な予感しかしない。
「はぁ、行かなきゃダメなのかなぁ………」
髪の毛をセットしてもらいながらターニャに愚痴る。ターニャは「王室に呼ばれるなんてすごい事ですよ」といつも以上に興奮しながら私の髪の毛を豪華にしていく。
私だけではなくお父様も一緒に行く事にはなったのだが、お父様も浮かない顔をしている。
「アデル、家の事は気にしなくて良いから嫌な事はきっぱり断るんだよ。例えば今回の報酬にアレクシス殿下と婚約させようなどと言われたら、子供が産めない体なので余生はゆっくり過ごさせてください……とかなんとか言ってうまく逃げなさいね」
馬車の隣同士に座り、心配そうな顔で覗き込まれる。そして、アデレイドを落ち着かせるかのように、肩を優しくさすられる。
「はい、お父様、私もそんな事を言われるんじゃないかと思って今から吐きそうなのですが、うまく立ち回りたいと思います……」
二人で重い足取りで王宮の門をくぐる。
「テイラー侯爵家、グレアム様と、御息女アデレイド様がご到着です」
豪華な扉が開き王と王妃、王太子殿下が座す前に跪いた。
「表をあげよ」
私達は顔を上げた。アレクシスからの視線が刺さりそうなほど痛かったが無視を決め込む。
「此度のアデレイド嬢の活躍をアレクシスから聞いてとっても驚いたぞ。スタンピード並の魔物を退治したと聞いた。しかも、魔人が出たそうじゃないか……それをアデレイド嬢が退治したとか、褒美を出そうと思うがどうだろうか、アレクシスとの婚姻などは」
王の目が怪しく光る。
アデレイドは悲しげな顔を作り答える。
「私の身体では世継ぎも作れないので前々から言っております通り、辞退させていただきたく……何卒ご勘弁を……
「そんな事どうとでもなるぞアデレイド!私と一緒になりたいのはわかっているんだ!素直になってくれ!!」
途中で意見をアレクシスに遮られる。なにが、一緒になりたいのは分かっている、だ!!一体いつ私がそんな事いった??アデレイドは悲しげな顔を保つのが難しいほど内心イラついていたが、なんとか顔を保ちながら続ける。
「精神面でも、王妃の座など私にはとても無理でございます。ゆっくり穏やかに人生を過ごす事をお許しください」
王は見定めるようにアデレイドを見る。両手を組んで祈っているか弱いアデレイド、いかにも守ってあげたくなるような庇護欲を掻き立てる。
その目の前の女の子が、まさか、魔人を倒す程強いとは……体が弱いと言うのは嘘をついているようには見えないが、魔物を倒したと言う事実がそれを凌駕してしまう。光の勇者ならば逃してはならない人物だが……ここで無理をしたら、レイシスがこの子と共にいなくなるかもしれない……
王は考えに考えた末、現状維持を選んだ。
「婚約の件は一旦置いておくとしよう。そなたの体が大事だからな、ただし!一つお願いしたい事があるのだがいいかな?」
「私にできる事ならば…………」
婚約の件は何とかなったと安心したのも束の間、王からのお願いとは……嫌な予感で背中に冷や汗が流れる。
「ちょっとしたお願いだから、そんなに堅苦しく考えなくてもよいぞ!実はな、最近魔物がそこかしこで暴れ回っているんだが、今回のガルシア家の応援を出せなかった理由がそれなんだ。他の領地でも魔物が溢れかえっていて、ガルシア家には悪かったが、もう一つの領地の方が経済が発達していたからそちらを優先せざるおえなかったのだ。分かってくれるかな?」
(はぁ?いくらアーロン先輩の領地がのどかな地域だからって見捨てた事には違いないじゃない!!分かってくれるな?って、そんな簡単に済ませるなんて……信じられない……少しでも応援を送ってくれてたら違ったかもしれないのに……やっぱりこの王家大っっっ嫌い!!)
顔に嫌悪感が出ていたのかもしれないが、その顔を見て、王がニヤリと意地悪い笑みを浮かべる。
「それでだな、アデレイド嬢をリーダーにした討伐部隊を作ってだな、んーー、そうだな、とりあえず……一年、魔物の退治をお願いしたいんだが、そうしたら我が民はどれだけ救われるだろうか、どうかな?アデレイド嬢?」
「そんな!!アデレイドはまだまだ子供です、陛下!!私は親として納得できませんそんな危ないこと!!!!!!酷いです!!!!」
グレアムは身を乗り出して必死に訴えた。しかし王の意見は覆らないらしい。じっとアデレイドを見つめている。
「討伐が嫌と言うわけではないのですが、学園はどうなるのでしょうか………私は今学生で、復学したばかりなのですが、また一年休学する事になるのでしょうか…………」
「そうですよ父上、アデレイドは学生です!学生は勉学が一番大事です!!討伐などこの国の騎士達がする事ではないですか!!」
一緒に学園に通いたいアレクシスが口を挟む。
「もちろん私のお願いを聞かずに学園に通っても良いぞ?ただし、その場合はガルシア家の様な領地が今後出てくるやもしれんという事、そして、今現状それだけ魔物が多くてひっ迫してると言う事を言いたかったんだ。だからこれは頼みではなく、お願いだ。もし学業を取りたければ取ると良い。私は断られても恨み言など言わぬ」
(ズルい…………そんなこと言われたら他の領地の人を見捨てるみたいじゃないか、、そんな事できるわけないじゃない!!あーーもう!!………なぜこんな事になってしまったの?私は友達と楽しい学園生活を送りたかっただけなのにーー…………………)
と、冒頭の思いに戻るのである。分かりましたと口を開こうとしたその時、扉がバァンッと激しく音を立てて開いた。そこにはいつものピンク頭で目が隠れている変装の方の姿ではなく、シャンパンゴールドに輝く髪をなびかせ、神をも嫉妬する美貌のレイシスが現れた。
「お話中失礼します。国王陛下」
レイシスは冷え冷えとした眼差しで、悪びれもなく国王の前に歩み出た。国王は、しまったと言う顔を隠す為に笑顔でレイシスと対峙した。
「レイシス、君に会えるのは嬉しいが、今日はどうしたのかな?何の用事だっただろうか?今ちょっと込み入った話をしていたのだが………」
「いえ、私もまさか無いとは思ったのですが、弟子のアデレイド嬢に褒美と言うなの何か策略や、はたまた、国王のお願い事と称した断れない願いなど言ってないかと思い心配で、討伐を切り上げて、駆けつけてきたのです。どうですか?まさかその様な卑劣な事はなさって無いでしょうね?」
(まさに、その通りです先生……しかも、助けに来てくれるなんて優しい!!今先生に百万回抱きつきたいです!!)
なんてアホな事をアデレイドが思っている中、王はレイシスに言い当てられ、泳ぎそうになる目を何とか堪え笑顔を保ったまま言葉を発する。
「そんな事あるわけないじゃ無いか、レイシスは本当にアデレイド嬢が好きなんだね、妬けちゃうなぁ~ただ、お願いというより提案はしたけどね」
(嘘つきーーー!!ほぼ、強制のお願いだったじゃん!!)
アデレイドの王様を見る目つきが胡散臭いものを見る目に変わる。
「そうですか、では、その提案、ただの提案ならば下げてくださいますね?」
「それはアデレイド嬢次第かな?どうかな?アデレイド嬢」
笑顔で国王はアデレイドを見る。アデレイドは先生の助けに乗って、引き受けないという選択肢を取りたかったが、アーロン先輩の様な困った人達が出てくるのではという懸念点がどうしても拭えなかった。なのでもう一度念押しで確認する事にした。
「国王陛下、先程言っていた事は事実なのでしょうか……………」
「事実だよ、アデレイド嬢が行かなければ、捨てる領地もあるだろうね」
すると、何かを察したレイシスがさらに冷えた空気で言葉を発する。
「まさか、こんな小さい子を討伐に行かせるつもりなのですか?」
「一人では無いよ?リーダーとして一小隊を任せるつもりだから味方もいるし、心配ないと思うけど?」
レイシスがより一層冷ややかに王に侮蔑の眼差しを向ける。そして、物理的にも部屋の温度がどんどん下がっていく。レイシスは怒りで氷魔法を無意識に発動させていた。部屋中が氷で覆われていく。
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