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序章「魔人の在り方~運命の夜明け~」
序章 第六話「それぞれの理由」
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「よう相棒、二時間ぶりくらいか?」
隣町のニースまで買い物に行くという家族と別れた後、待ち合わせ場所のヌール広場に到着したエルキュールに、声がかけられた。
広場の長椅子の背もたれに寄りかかっていた身体を起こし、グレンはエルキュールに歩み寄る。
「相棒……? 俺と君はそこまで親密な仲だったか?」
出会って間もないはずだが過剰に親しげに声をかけたグレンに、エルキュールは余所行きの固い態度で返す。
「とはいってもなあ……こっちはまだお前の名前を知らねえんだ。オレがせっかく名乗ってやったのに……つれない奴だ」
「……エルキュールだ。確かに名乗らなかったのはこちらが悪かった、謝ろう。ところで魔獣を狩るという話だが、具体的にどこに行くんだ?」
自分だけ名乗っていなかったのは礼節に欠けていた。自身の非礼を詫びつつエルキュールは話を進める。
「ああ、そうだな。そんなに遠出するつもりはないぞ。んー、あっちのほうに少し行った原っぱなんかどうだ?」
グレンが指さした方向は、エルキュールが朝の日課として魔獣を狩っている北ヌール平原の方角だった。
「わかった。それなら早速行こう」
我先に歩き出したエルキュールを見て、グレンも彼に並ぶように歩いた。
「そう言えば、少し聞きたいことがあるんだが……どうして俺に声をかけたんだ?」
道すがら、エルキュールを隣を歩くグレンに尋ねる。いつもなら人に自分から会話を振ることなどないのだが、今日のこれまでの出来事を経て、もう少し人と関わってみようとエルキュールは考えていた。
「ハハハ……知りたいか? そりゃ、気になるよなあ? どうして自分が選ばれたのか……何か隠された意図、壮大な陰謀があるんじゃないかってな」
エルキュールにとっては当たり障りのない会話のはずだったが、グレンは回りくどい言い回しで話を大きくする。いちいち狂言を挟まないと会話ができないのか。
「別にそこまでは言ってないが」
「お前の気持ちは分かってる、みなまで言うな。教えてやろう、お前に声をかけた理由はな――」
エルキュールの言葉を無視して、一瞬間を置いてグレンはにやりと笑う。勿体ぶった彼の態度に、そこまで壮大な理由があるのか、エルキュールは彼の続きの言葉に耳を傾ける。
「初めて見たときに感じたんだ、お前こそがオレの相棒にふさわしいってな……これが一目惚れってことか……」
どこかの貴族も似たような理由でアヤに声をかけていた気がする。今日は常識に欠けている人と縁がある日なのか、それとも人間とは一般にこんなものなのか、エルキュールは頭を抱えた。
「はあ……つまり、大した理由なんてなく、ただの勘だということか」
気持ち悪い言い方ではあったが、とどのつまりはそういうことだろう。言及する気も失せるが、相棒の設定もまだ引きずっているようだった。
鈍感なエルキュールでも、グレンが本気で言っていないことに気づき前に向き直る。
「つーか、お前の方こそなんでオレの頼みを簡単に引き受けたんだ? 普通、知らねえ奴にいきなり声をかけられたら気味悪いと思うだろ」
自分のことを棚に上げてグレンはエルキュールに尋ねた。一方的に探られるのは不公平だと感じたが、エルキュールは諦めたように息をつく。
「――今日は人との縁を大事にしようという気分だったというのと、個人的に調べたいことがあったから、そのついでに引き受けたんだ。特段深い理由はないが……それとも、君は俺を騙しているのか?」
「へぇ……? 随分とお人好しだな。だがまあ、安心しろ、別に騙してはないぜ」
見定めるような視線を送りながらグレンは不適に笑う。この男は自分が頼みを聞いてもらっている側の人間であることを自覚しているのだろうか、エルキュールの口から本日幾度目かの溜息がこぼれた。
そのまま歩き続け街の入り口にそびえたつ門の前が視界に入ったところで、それまで余裕綽々だったグレンの足が不意に止まった。
不審に思ったエルキュールは彼のほうを見やる。
「……どうかしたのか? まさか、あれだけ余裕ぶっていたのにここに来て怖気づいたのか?」
グレンの軽口を真似てみて、エルキュールが尋ねる。このいい加減な男には、これくらいが丁度いい。
「……あー、そうだな、すこーしばかり怖くなってきたぜ……ちょっと回り道して行くかぁ……?」
グレンは目線を門のほうから逸らし、おどけた調子で提案した。
だが、その提案に大人しく乗るつもりはエルキュールにはなかった。彼が視線を逸らす直前、門の前に立つ騎士を見つめていたのを、見逃さなかったからだ。見たところ外の魔獣を警戒のためのヌールの駐留騎士だが――
「……もしかして、騎士が気になるのか?」
エルキュールの直球な言葉に、グレンは驚きの表情を浮かべた。
「あー……分かっちまったか。鋭いねぇ、相棒」
オルレーヌにおいて騎士の存在は目新しいものでもない。王都から離れているヌールではその数は多くはないが、特に気にすることではないだろう。
「騎士に過敏に反応するということは……やはり、君は俺を騙そうとしている悪人だったのか?」
あくまでもおどけた調子で返すグレンを、エルキュールは目を細めて訝しむ。グレンについては旅をしていることぐらいしか聞かされていない上、こちらを煙に巻こうとするきらいがあることは短い間でも理解できた。
それの上、騎士に対してのこの態度。流石に追及せざるを得ない。
「もしそうなら、このまま君を騎士に突き出さないといけなくなるな」
畳みかけるエルキュールに、グレンは大きく溜息をつき――
「……別にそんなんじゃねぇよ。ただ、個人的に騎士の連中が気に入らないだけだ」
そうぶっきらぼうに答えた。そんな彼の目は騎士に向けられているように見えるが、どこか遠いところを見つめているようにも見えた。
「まあ、なんてことはない。行こうぜ」
暗い雰囲気を消し、いつもの調子に戻したグレンは堂々と先へ進む。
何か騎士に思うところでもあるのだろうか、エルキュールは思案しながら彼の後を追った。
「やあ、そこのお二人さん。この街の外に何か用かな?」
門に近づくとこちらに気づいた騎士が声をかけた。今朝の魔獣情報によると、この先にも当然魔獣が大量発生しているだろう。今朝にエルキュールが幾体か狩ったとはいえ、その脅威は変わらない。
「通常なら魔除けの道具があれば、一般人も自由に通行させるのだが……今朝の報道は見ただろう? すまないが、魔獣が大量発生しているから一般人のみの通行は認められないんだ。……最近は騎士の多くが王都の方に戻ってしまってね、手が足りないんだ」
騎士の当然の対応を前に、エルキュールは身を固くした。いつもは騎士の目につかない時間帯を狙って街の外に出ていたため失念していたが、本来魔獣と接触する可能性が高い場合は、魔獣と戦えることの証明が必要なのだ。
アヤの持っている魔法学校の記章もこれに該当するのだが、生憎エルキュールはいずれも所持していなかった。
どうしたものかとエルキュールが思案している姿を見て、グレンは彼を怪訝な表情で見ながらも、騎士のほうに近づいて懐から黄金の意匠があしらわれた記章を取り出した。
――オルレーヌで発行されている魔法士の記章である。
「ふむ、君は魔法士か。そちらのグレーの髪の彼は君の連れかい?」
「ああ、そんな感じだ。魔法士なら通っても構わねえだろ?」
取り出した記章を戻しながら、グレンは騎士に確認する。
「結構。とはいえ脅威は依然として変わらない。連れの安全には十分に気を配ったほうがいい」
騎士の忠告の言葉に「もちろん、そのつもりだぜ」と軽く流し、グレンは門の外に歩き出し――
「早く来いよ、置いていくぞー」
立ち尽くしていたエルキュールにそう呼びかけた。
「お前、魔法士の資格を持っていなかったのか?」
門を出てから少し歩いたところで、グレンは後ろをついてきていたエルキュールに尋ねた。その表情は心底意外だと思っているようだった。
「まあ、そんな驚いたような顔をされても、俺は一言もそんなこと口にしていない」
なぜエルキュールが魔法士であることを前提に話が進んでいるのか、疑問ではあった。確かにエルキュールは魔法を使えることも魔獣と戦うこともできるが、魔法士の資格をとってはいなかった。
魔法士に限らず、その上位資格である魔術師や魔法技師など魔物が発生する地域への出入りが許される資格はいくつか存在するが、それらの取得には筆記や実技の試験や魔力や身体能力を測るための身体検査といったことが必要だ。そんなこと、魔人であるエルキュールには無理なことである。
試験では武術や魔法などを含めた戦闘力と魔法に対する知識を評価するが、これはエルキュールにとって然したる問題ではない。このヌールで暮らす間、魔物を狩り続けたことでエルキュールの戦闘力は一般的な騎士と比べても高いといえる。魔法の知識も魔法書を読んでいた経験から、試験を突破できる水準にあるだろう。
ところが、身体能力の検査だけは話は別だった。そんなものを受けたが最後、エルキュールが魔人であることが明るみに出て、この国に住むことができなくなってしまうだろう。
しかしそれ以前に、そもそもエルキュールが魔獣と戦えることをグレンは知らないはずであるが――
「は? でも、お前毎朝魔獣を狩って……」
そこまで言いかけて、グレンはしまったという顔をして口を閉ざした。エルキュールの疑問は瞬く間に解決され、やがてある確信に至った。
「……そうか、君は俺のことを以前から知っていて声をかけた、そういうことだな?」
どの程度グレンが知っているのかは分からないが、そう考えれば彼の先ほどの発言も、エルキュールに声をかけた理由も説明できる。
人目につかない時間帯を狙っていたにもかかわらず、ばっちり目撃されていたらしい。その表情に警戒の色を滲ませながら、エルキュールはグレンの説明を求めた。
「……やれやれ、オレとしたことがこんなミスを……」
グレンはエルキュールの言葉に大仰に天を仰ぎ――
「お前の言うとおりだぜ。確かにオレは以前からお前のことを知っていた」
先刻のエルキュールの発言に肯定し、それまでの経緯を語り始めた。
「……つまり、一週間前にヌールに始めて来た夜、旅の疲れを癒すため酒場で朝まで酒を飲んでいたら、その酒場の窓から俺が武器を持って街の外に行くのが見えたと」
「ああ」
「こんな朝からどこに行くのか気になったから、酒瓶を片手に後をつけてみたものの、酩酊して頭が働かないうえ慣れない場所で迷子になったと」
「そうだ」
「……そのままふらふら酔っぱらっていたところを騎士に駐留所へ連行され、きついお叱りを受けたと」
「……あー……まあ、そうだな……」
「そこでちらっと聞いた話では、ここ最近報告にあった魔獣が、知らぬ間に討伐されていることがあるらしい。それはもしかしてあの時見た男の仕業だろうか、俺に興味を持った君はその後も酒場で酒を飲みながら張り込み調査し、やがて俺と出会うに至った……こういうことか?」
「おお、その通りだ、要約お疲れさん」
グレンは無駄に長い彼の話をまとめて整理したエルキュールに対して、ねぎらいの言葉を贈った。
「事情は分かった。けど、君は随分酒が好きなんだな……お金が尽きたというのも単に君が後先考えずに飲んでいたからだったんじゃないか?」
「ハハ、面目ない。だが、もう心配する必要はないぜ。あの時、騎士の連中にこっぴどく叱られてからオレは学んだ……何事も節度が大事だよな?」
エルキュールに指摘されたグレンは、反省しているのかはっきりしない笑顔で答えた。
ひょっとしたら、騎士が嫌いと言っていたのもそれが原因なのかもしれない。つくづくいい加減な男だと、エルキュールは唖然とした。
「それに、俺のことを最初から知っていたのなら、どうしてそれを隠してふざけた態度をとっていたんだ?」
ヌール広場にて、グレンは会話するのが億劫になる話し方で、エルキュールに接近してきた。
初めからさっきのように説明してくれれば、とエルキュールは恨めしげにグレンを見つめる。
「ふざけていた場合じゃあねえが……まあ、なんつーか……ぶっちゃけて言うとお前に声をかけたのは興味だけじゃなくて、お前のことを警戒してたからってのもある」
「……警戒?」
勝手に興味を持たれていただけでなく、警戒もされていたらしい。エルキュールは思わぬ言葉に目を丸くした。
「ああ。日が昇る前に武器を持って街を出る黒づくめ男……怪しさ満点だろ」
「……言われてみれば、確かに」
今まで考えたことなかったが、グレンの言う通り自分のことを客観視すると、エルキュールは自分がいかに怪しい存在であったかを悟った。
この服装は魔人であることを悟られないためのものだが、このような疑いを招くのならこの服装も考えものだ。
「だろ? だからもしお前が悪人だったときは、都合よく魔獣狩りを手伝ってもらった後騎士に突き出そうかと思ってな。それにただの悪党ならまだしも、最近はアマルティアの存在もあるしな」
「……なるほど。魔法士の資格を持つほどの君が、わざわざ俺に手伝ってもらおうとしたのは、そういう狙いもあったのか」
グレンに疑われていたことに納得がいっていない様子ではあるが、エルキュールはひとまずその理由を認めた。
「君は俺のことをお人好しだと評したが、そっちも大概だな。ただの旅人であるにもかかわらず、わざわざ疑わしいものを監視し、あわよくば捕らえようとするなんて」
少なからず自分に敵意を向けていたことを咎めることもなく、エルキュールは純粋にグレンの行動に感心した。また、彼もアマルティアを警戒しているという情報に、妙な親近感を覚えたというのある。
しかし、エルキュールの賞賛に、グレンは居心地悪そうにその赤い髪を掻いた。
「それは……違いねえな。……ったく、こういうのは卒業したってのに」
「……?」
後半の部分は小声であったためよく聞き取ることはできなかったが、ようやくもっともらしい理由が聞けたので、エルキュールはそれ以上の追及を止めた。
「……さてと、オレのことはもういいけどよ……結局のところ、お前は何で資格を取らずに魔獣を狩っているんだ?」
グレンはその話題から逃げるように話を最初に戻した。彼の目は「次はお前の番だ」と語っているようである。
彼の言葉にエルキュールはその表情を硬いものに変えた。
このことはエルキュールの秘密にかかわるため正直にすべてを話すわけにはいかないが、全く説明をしないで乗り切るには、彼のしていることは珍妙すぎた。
資格を取れば様々な便宜が図られる。先ほどのように騎士に通行を止められることもない。国や地域から魔獣関連の依頼を受けることができ、それを頼りに生活することもできるが――
「魔物との接触は常にリスクが付きまとう。オレたちリーベは魔物に汚染されると自身も魔物になっちまう、それは知っているだろ?」
魔物が持つ汚染能力。それこそがリーベ、とりわけ人間が魔物を忌み嫌い排除する最大の理由である。
仕組みは詳しく解明されていないが、彼らの魔素に長時間曝され続けたり、物理的な攻撃によって致命傷を受けてしまうと、リーベは魔物へと変貌してしまう。
そうして他の生物を汚染し、同種へと変えることで魔物はその数を増加させているのだ。
どれほど強い力を持っていたとしても、リーベである以上この摂理に抗うことはできない。
よって、資格があるならまだしも、一般人が魔獣と相対するということは金稼ぎ目的だとしても、非常によくない行いだといえる。
「……魔獣を狩っているのは、彼らを放置しておくと脅威になるからだ。今朝の報道でも触れていたし、君が先ほど言ったようにアマルティアの存在もある。いつ魔獣がこの街を襲ってくるのか分からないだろう? ……もう二度と彼女たちに迷惑をかけないためにも、この街の安寧は保っておきたいんだ」
エルキュールはその瞳の裏にかつての情景を浮かべながら言葉を連ねていく。
「資格を持っていないのは、単に必要ないから取っていないだけだ。俺はただ、この街が安全ならそれでいいんだ……それ以外は求めていない」
今朝は思わぬところで報酬を受け取ってしまったが、家族と暮らすこの地を守りたい――それがエルキュールの紛れもない本心であった。
「……ほーう、ただ守りたいから、ねぇ……打算もなくただ誰かのために魔獣と戦う奴がいるとはなぁ」
「そんなにおかしい理由か?」
「……ハハ、いや、ちっともおかしくなんてねぇよ。立派だと思うぜ、オレは」
エルキュールの純粋な目に、グレンの表情も和らいだ。そう語る彼はどこか懐かしいものを見るようであった。
「あと、悪かったないろいろと。疑ったりこれまでの態度も含めてな」
それからグレンは表情を真剣なものに変え、エルキュールに自身の非礼を詫びた。
「別に、そういうことには慣れているから気にしなくていい。それより、ここまで行動を共にして俺の疑いは晴れたのか?」
「それはもう、完全にな。……お前は悪事を働くには向いてない奴だ、バカみてえに素直だしな」
グレンは表情を一転させて笑う。こちらに媚びるようなものでも、貼り付けたものでもない、心からの笑みであった。
「馬鹿みたい、というのは誉め言葉として相応しくないと思うが……うん、ありがとう」
誉めているのか貶しているのか分からないが、エルキュールはとりあえず礼を述べた。一応、自身のことを信じてくれたということだろう。
一方、そんな彼の言葉にグレンは目を丸くして、おかしそうに笑った。
「……クク、ハハハハ! そういうとこだぜ、全く、ハハハ!」
「……もういい。一人で盛り上がっているところ悪いが、話はここまでにしよう。時間は限られているんだ、そろそろ出発しないと」
ようやくからかわれている事に気づいたエルキュールは話を切り上げた。
すっかり話し込んでしまったが、こんなことを家族以外の他人に話したのはこれが初めての事だった。思わず高揚した気分を隠すように、エルキュールは先を行く。
「おーい、待てよ、エルキュール! オレという主役がいないと始まらねぇだろ?」
エルキュールのすぐ後ろをグレンが追う。遠かった二人の距離が少し縮まったようだった。
隣町のニースまで買い物に行くという家族と別れた後、待ち合わせ場所のヌール広場に到着したエルキュールに、声がかけられた。
広場の長椅子の背もたれに寄りかかっていた身体を起こし、グレンはエルキュールに歩み寄る。
「相棒……? 俺と君はそこまで親密な仲だったか?」
出会って間もないはずだが過剰に親しげに声をかけたグレンに、エルキュールは余所行きの固い態度で返す。
「とはいってもなあ……こっちはまだお前の名前を知らねえんだ。オレがせっかく名乗ってやったのに……つれない奴だ」
「……エルキュールだ。確かに名乗らなかったのはこちらが悪かった、謝ろう。ところで魔獣を狩るという話だが、具体的にどこに行くんだ?」
自分だけ名乗っていなかったのは礼節に欠けていた。自身の非礼を詫びつつエルキュールは話を進める。
「ああ、そうだな。そんなに遠出するつもりはないぞ。んー、あっちのほうに少し行った原っぱなんかどうだ?」
グレンが指さした方向は、エルキュールが朝の日課として魔獣を狩っている北ヌール平原の方角だった。
「わかった。それなら早速行こう」
我先に歩き出したエルキュールを見て、グレンも彼に並ぶように歩いた。
「そう言えば、少し聞きたいことがあるんだが……どうして俺に声をかけたんだ?」
道すがら、エルキュールを隣を歩くグレンに尋ねる。いつもなら人に自分から会話を振ることなどないのだが、今日のこれまでの出来事を経て、もう少し人と関わってみようとエルキュールは考えていた。
「ハハハ……知りたいか? そりゃ、気になるよなあ? どうして自分が選ばれたのか……何か隠された意図、壮大な陰謀があるんじゃないかってな」
エルキュールにとっては当たり障りのない会話のはずだったが、グレンは回りくどい言い回しで話を大きくする。いちいち狂言を挟まないと会話ができないのか。
「別にそこまでは言ってないが」
「お前の気持ちは分かってる、みなまで言うな。教えてやろう、お前に声をかけた理由はな――」
エルキュールの言葉を無視して、一瞬間を置いてグレンはにやりと笑う。勿体ぶった彼の態度に、そこまで壮大な理由があるのか、エルキュールは彼の続きの言葉に耳を傾ける。
「初めて見たときに感じたんだ、お前こそがオレの相棒にふさわしいってな……これが一目惚れってことか……」
どこかの貴族も似たような理由でアヤに声をかけていた気がする。今日は常識に欠けている人と縁がある日なのか、それとも人間とは一般にこんなものなのか、エルキュールは頭を抱えた。
「はあ……つまり、大した理由なんてなく、ただの勘だということか」
気持ち悪い言い方ではあったが、とどのつまりはそういうことだろう。言及する気も失せるが、相棒の設定もまだ引きずっているようだった。
鈍感なエルキュールでも、グレンが本気で言っていないことに気づき前に向き直る。
「つーか、お前の方こそなんでオレの頼みを簡単に引き受けたんだ? 普通、知らねえ奴にいきなり声をかけられたら気味悪いと思うだろ」
自分のことを棚に上げてグレンはエルキュールに尋ねた。一方的に探られるのは不公平だと感じたが、エルキュールは諦めたように息をつく。
「――今日は人との縁を大事にしようという気分だったというのと、個人的に調べたいことがあったから、そのついでに引き受けたんだ。特段深い理由はないが……それとも、君は俺を騙しているのか?」
「へぇ……? 随分とお人好しだな。だがまあ、安心しろ、別に騙してはないぜ」
見定めるような視線を送りながらグレンは不適に笑う。この男は自分が頼みを聞いてもらっている側の人間であることを自覚しているのだろうか、エルキュールの口から本日幾度目かの溜息がこぼれた。
そのまま歩き続け街の入り口にそびえたつ門の前が視界に入ったところで、それまで余裕綽々だったグレンの足が不意に止まった。
不審に思ったエルキュールは彼のほうを見やる。
「……どうかしたのか? まさか、あれだけ余裕ぶっていたのにここに来て怖気づいたのか?」
グレンの軽口を真似てみて、エルキュールが尋ねる。このいい加減な男には、これくらいが丁度いい。
「……あー、そうだな、すこーしばかり怖くなってきたぜ……ちょっと回り道して行くかぁ……?」
グレンは目線を門のほうから逸らし、おどけた調子で提案した。
だが、その提案に大人しく乗るつもりはエルキュールにはなかった。彼が視線を逸らす直前、門の前に立つ騎士を見つめていたのを、見逃さなかったからだ。見たところ外の魔獣を警戒のためのヌールの駐留騎士だが――
「……もしかして、騎士が気になるのか?」
エルキュールの直球な言葉に、グレンは驚きの表情を浮かべた。
「あー……分かっちまったか。鋭いねぇ、相棒」
オルレーヌにおいて騎士の存在は目新しいものでもない。王都から離れているヌールではその数は多くはないが、特に気にすることではないだろう。
「騎士に過敏に反応するということは……やはり、君は俺を騙そうとしている悪人だったのか?」
あくまでもおどけた調子で返すグレンを、エルキュールは目を細めて訝しむ。グレンについては旅をしていることぐらいしか聞かされていない上、こちらを煙に巻こうとするきらいがあることは短い間でも理解できた。
それの上、騎士に対してのこの態度。流石に追及せざるを得ない。
「もしそうなら、このまま君を騎士に突き出さないといけなくなるな」
畳みかけるエルキュールに、グレンは大きく溜息をつき――
「……別にそんなんじゃねぇよ。ただ、個人的に騎士の連中が気に入らないだけだ」
そうぶっきらぼうに答えた。そんな彼の目は騎士に向けられているように見えるが、どこか遠いところを見つめているようにも見えた。
「まあ、なんてことはない。行こうぜ」
暗い雰囲気を消し、いつもの調子に戻したグレンは堂々と先へ進む。
何か騎士に思うところでもあるのだろうか、エルキュールは思案しながら彼の後を追った。
「やあ、そこのお二人さん。この街の外に何か用かな?」
門に近づくとこちらに気づいた騎士が声をかけた。今朝の魔獣情報によると、この先にも当然魔獣が大量発生しているだろう。今朝にエルキュールが幾体か狩ったとはいえ、その脅威は変わらない。
「通常なら魔除けの道具があれば、一般人も自由に通行させるのだが……今朝の報道は見ただろう? すまないが、魔獣が大量発生しているから一般人のみの通行は認められないんだ。……最近は騎士の多くが王都の方に戻ってしまってね、手が足りないんだ」
騎士の当然の対応を前に、エルキュールは身を固くした。いつもは騎士の目につかない時間帯を狙って街の外に出ていたため失念していたが、本来魔獣と接触する可能性が高い場合は、魔獣と戦えることの証明が必要なのだ。
アヤの持っている魔法学校の記章もこれに該当するのだが、生憎エルキュールはいずれも所持していなかった。
どうしたものかとエルキュールが思案している姿を見て、グレンは彼を怪訝な表情で見ながらも、騎士のほうに近づいて懐から黄金の意匠があしらわれた記章を取り出した。
――オルレーヌで発行されている魔法士の記章である。
「ふむ、君は魔法士か。そちらのグレーの髪の彼は君の連れかい?」
「ああ、そんな感じだ。魔法士なら通っても構わねえだろ?」
取り出した記章を戻しながら、グレンは騎士に確認する。
「結構。とはいえ脅威は依然として変わらない。連れの安全には十分に気を配ったほうがいい」
騎士の忠告の言葉に「もちろん、そのつもりだぜ」と軽く流し、グレンは門の外に歩き出し――
「早く来いよ、置いていくぞー」
立ち尽くしていたエルキュールにそう呼びかけた。
「お前、魔法士の資格を持っていなかったのか?」
門を出てから少し歩いたところで、グレンは後ろをついてきていたエルキュールに尋ねた。その表情は心底意外だと思っているようだった。
「まあ、そんな驚いたような顔をされても、俺は一言もそんなこと口にしていない」
なぜエルキュールが魔法士であることを前提に話が進んでいるのか、疑問ではあった。確かにエルキュールは魔法を使えることも魔獣と戦うこともできるが、魔法士の資格をとってはいなかった。
魔法士に限らず、その上位資格である魔術師や魔法技師など魔物が発生する地域への出入りが許される資格はいくつか存在するが、それらの取得には筆記や実技の試験や魔力や身体能力を測るための身体検査といったことが必要だ。そんなこと、魔人であるエルキュールには無理なことである。
試験では武術や魔法などを含めた戦闘力と魔法に対する知識を評価するが、これはエルキュールにとって然したる問題ではない。このヌールで暮らす間、魔物を狩り続けたことでエルキュールの戦闘力は一般的な騎士と比べても高いといえる。魔法の知識も魔法書を読んでいた経験から、試験を突破できる水準にあるだろう。
ところが、身体能力の検査だけは話は別だった。そんなものを受けたが最後、エルキュールが魔人であることが明るみに出て、この国に住むことができなくなってしまうだろう。
しかしそれ以前に、そもそもエルキュールが魔獣と戦えることをグレンは知らないはずであるが――
「は? でも、お前毎朝魔獣を狩って……」
そこまで言いかけて、グレンはしまったという顔をして口を閉ざした。エルキュールの疑問は瞬く間に解決され、やがてある確信に至った。
「……そうか、君は俺のことを以前から知っていて声をかけた、そういうことだな?」
どの程度グレンが知っているのかは分からないが、そう考えれば彼の先ほどの発言も、エルキュールに声をかけた理由も説明できる。
人目につかない時間帯を狙っていたにもかかわらず、ばっちり目撃されていたらしい。その表情に警戒の色を滲ませながら、エルキュールはグレンの説明を求めた。
「……やれやれ、オレとしたことがこんなミスを……」
グレンはエルキュールの言葉に大仰に天を仰ぎ――
「お前の言うとおりだぜ。確かにオレは以前からお前のことを知っていた」
先刻のエルキュールの発言に肯定し、それまでの経緯を語り始めた。
「……つまり、一週間前にヌールに始めて来た夜、旅の疲れを癒すため酒場で朝まで酒を飲んでいたら、その酒場の窓から俺が武器を持って街の外に行くのが見えたと」
「ああ」
「こんな朝からどこに行くのか気になったから、酒瓶を片手に後をつけてみたものの、酩酊して頭が働かないうえ慣れない場所で迷子になったと」
「そうだ」
「……そのままふらふら酔っぱらっていたところを騎士に駐留所へ連行され、きついお叱りを受けたと」
「……あー……まあ、そうだな……」
「そこでちらっと聞いた話では、ここ最近報告にあった魔獣が、知らぬ間に討伐されていることがあるらしい。それはもしかしてあの時見た男の仕業だろうか、俺に興味を持った君はその後も酒場で酒を飲みながら張り込み調査し、やがて俺と出会うに至った……こういうことか?」
「おお、その通りだ、要約お疲れさん」
グレンは無駄に長い彼の話をまとめて整理したエルキュールに対して、ねぎらいの言葉を贈った。
「事情は分かった。けど、君は随分酒が好きなんだな……お金が尽きたというのも単に君が後先考えずに飲んでいたからだったんじゃないか?」
「ハハ、面目ない。だが、もう心配する必要はないぜ。あの時、騎士の連中にこっぴどく叱られてからオレは学んだ……何事も節度が大事だよな?」
エルキュールに指摘されたグレンは、反省しているのかはっきりしない笑顔で答えた。
ひょっとしたら、騎士が嫌いと言っていたのもそれが原因なのかもしれない。つくづくいい加減な男だと、エルキュールは唖然とした。
「それに、俺のことを最初から知っていたのなら、どうしてそれを隠してふざけた態度をとっていたんだ?」
ヌール広場にて、グレンは会話するのが億劫になる話し方で、エルキュールに接近してきた。
初めからさっきのように説明してくれれば、とエルキュールは恨めしげにグレンを見つめる。
「ふざけていた場合じゃあねえが……まあ、なんつーか……ぶっちゃけて言うとお前に声をかけたのは興味だけじゃなくて、お前のことを警戒してたからってのもある」
「……警戒?」
勝手に興味を持たれていただけでなく、警戒もされていたらしい。エルキュールは思わぬ言葉に目を丸くした。
「ああ。日が昇る前に武器を持って街を出る黒づくめ男……怪しさ満点だろ」
「……言われてみれば、確かに」
今まで考えたことなかったが、グレンの言う通り自分のことを客観視すると、エルキュールは自分がいかに怪しい存在であったかを悟った。
この服装は魔人であることを悟られないためのものだが、このような疑いを招くのならこの服装も考えものだ。
「だろ? だからもしお前が悪人だったときは、都合よく魔獣狩りを手伝ってもらった後騎士に突き出そうかと思ってな。それにただの悪党ならまだしも、最近はアマルティアの存在もあるしな」
「……なるほど。魔法士の資格を持つほどの君が、わざわざ俺に手伝ってもらおうとしたのは、そういう狙いもあったのか」
グレンに疑われていたことに納得がいっていない様子ではあるが、エルキュールはひとまずその理由を認めた。
「君は俺のことをお人好しだと評したが、そっちも大概だな。ただの旅人であるにもかかわらず、わざわざ疑わしいものを監視し、あわよくば捕らえようとするなんて」
少なからず自分に敵意を向けていたことを咎めることもなく、エルキュールは純粋にグレンの行動に感心した。また、彼もアマルティアを警戒しているという情報に、妙な親近感を覚えたというのある。
しかし、エルキュールの賞賛に、グレンは居心地悪そうにその赤い髪を掻いた。
「それは……違いねえな。……ったく、こういうのは卒業したってのに」
「……?」
後半の部分は小声であったためよく聞き取ることはできなかったが、ようやくもっともらしい理由が聞けたので、エルキュールはそれ以上の追及を止めた。
「……さてと、オレのことはもういいけどよ……結局のところ、お前は何で資格を取らずに魔獣を狩っているんだ?」
グレンはその話題から逃げるように話を最初に戻した。彼の目は「次はお前の番だ」と語っているようである。
彼の言葉にエルキュールはその表情を硬いものに変えた。
このことはエルキュールの秘密にかかわるため正直にすべてを話すわけにはいかないが、全く説明をしないで乗り切るには、彼のしていることは珍妙すぎた。
資格を取れば様々な便宜が図られる。先ほどのように騎士に通行を止められることもない。国や地域から魔獣関連の依頼を受けることができ、それを頼りに生活することもできるが――
「魔物との接触は常にリスクが付きまとう。オレたちリーベは魔物に汚染されると自身も魔物になっちまう、それは知っているだろ?」
魔物が持つ汚染能力。それこそがリーベ、とりわけ人間が魔物を忌み嫌い排除する最大の理由である。
仕組みは詳しく解明されていないが、彼らの魔素に長時間曝され続けたり、物理的な攻撃によって致命傷を受けてしまうと、リーベは魔物へと変貌してしまう。
そうして他の生物を汚染し、同種へと変えることで魔物はその数を増加させているのだ。
どれほど強い力を持っていたとしても、リーベである以上この摂理に抗うことはできない。
よって、資格があるならまだしも、一般人が魔獣と相対するということは金稼ぎ目的だとしても、非常によくない行いだといえる。
「……魔獣を狩っているのは、彼らを放置しておくと脅威になるからだ。今朝の報道でも触れていたし、君が先ほど言ったようにアマルティアの存在もある。いつ魔獣がこの街を襲ってくるのか分からないだろう? ……もう二度と彼女たちに迷惑をかけないためにも、この街の安寧は保っておきたいんだ」
エルキュールはその瞳の裏にかつての情景を浮かべながら言葉を連ねていく。
「資格を持っていないのは、単に必要ないから取っていないだけだ。俺はただ、この街が安全ならそれでいいんだ……それ以外は求めていない」
今朝は思わぬところで報酬を受け取ってしまったが、家族と暮らすこの地を守りたい――それがエルキュールの紛れもない本心であった。
「……ほーう、ただ守りたいから、ねぇ……打算もなくただ誰かのために魔獣と戦う奴がいるとはなぁ」
「そんなにおかしい理由か?」
「……ハハ、いや、ちっともおかしくなんてねぇよ。立派だと思うぜ、オレは」
エルキュールの純粋な目に、グレンの表情も和らいだ。そう語る彼はどこか懐かしいものを見るようであった。
「あと、悪かったないろいろと。疑ったりこれまでの態度も含めてな」
それからグレンは表情を真剣なものに変え、エルキュールに自身の非礼を詫びた。
「別に、そういうことには慣れているから気にしなくていい。それより、ここまで行動を共にして俺の疑いは晴れたのか?」
「それはもう、完全にな。……お前は悪事を働くには向いてない奴だ、バカみてえに素直だしな」
グレンは表情を一転させて笑う。こちらに媚びるようなものでも、貼り付けたものでもない、心からの笑みであった。
「馬鹿みたい、というのは誉め言葉として相応しくないと思うが……うん、ありがとう」
誉めているのか貶しているのか分からないが、エルキュールはとりあえず礼を述べた。一応、自身のことを信じてくれたということだろう。
一方、そんな彼の言葉にグレンは目を丸くして、おかしそうに笑った。
「……クク、ハハハハ! そういうとこだぜ、全く、ハハハ!」
「……もういい。一人で盛り上がっているところ悪いが、話はここまでにしよう。時間は限られているんだ、そろそろ出発しないと」
ようやくからかわれている事に気づいたエルキュールは話を切り上げた。
すっかり話し込んでしまったが、こんなことを家族以外の他人に話したのはこれが初めての事だった。思わず高揚した気分を隠すように、エルキュールは先を行く。
「おーい、待てよ、エルキュール! オレという主役がいないと始まらねぇだろ?」
エルキュールのすぐ後ろをグレンが追う。遠かった二人の距離が少し縮まったようだった。
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