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#040 透明人間の帽子
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日曜の午後、近所の公園を歩いていると、ふと目に入った木の枝に帽子が引っかかっていた。赤と黒のツートンカラーで、妙に惹かれるデザイン。「誰かの落とし物か?」と、軽い気持ちで帽子を取ってかぶってみた。
すると、突然腕が消えた。いや、触ると腕はちゃんとあるから正確には透明になったというべきか。驚いて自分の体を見ると、足も消えている。「えっ、ええっ!?」と声を上げるが、周りには誰もいない。試しに帽子を外すと、元に戻る。もう一度かぶると透明だ。「なんだこれ。すげぇ、透明人間の帽子かよ!」
俺は次第に興奮してきた。だって透明人間になれるなんて、子供の頃の夢そのものじゃないか! 何をするか考える間もなく、俺の頭にはいたずらのアイデアが次々と浮かんでいた。
最初のターゲットは、近所のスーパーのレジだ。透明になって忍び寄り、レジ横のキャンディを一つポケットに――いや、透明人間にはポケットも透明になってる! キャンディをつかんだ瞬間、宙に浮くように見えるそれを見た店員が「ぎゃああ!」と叫び、それを聞いた他の店員、客たちも大騒ぎになる。キャンディを捨ててその場を逃げだした。
「こりゃ、特性を理解して慎重に使わなきゃダメだな」と学び、次はもっと頭を使うことにした。次なるターゲットは、隣に住む神経質な田中さんだ。いつも俺の足音がうるさいだの、洗濯物がこちら側に侵入してるだの文句ばかり言ってくる。ちょっとばかりびっくりさせてやってもいいだろう。
帽子で透明になって田中さんの部屋に忍び込み、テレビのリモコンを勝手に操作したり、椅子を動かしたりしてみる。ささいないたずらだ。案の定、田中さんは「幽霊がいる!」と叫んで飛び出し、しばらく戻ってこなくなった。これはちょっとうまくいったかもしれない。
そんなこんなで些細ないたずらを重ねながら透明人間ライフを謳歌していた俺だが、ある日、帽子をかぶったまま家の鏡を見たときに気づいてしまった。「透明だけど……帽子だけ見えてるやん! 意味ねぇ!」ずっと浮遊する帽子を見られていたのだと悟った俺は、こっそりと帽子を元の木に戻した。帽子を持っているだけでも犯人特定に至る危険性がある。何事もなかったかのように日常に戻った。
すると、突然腕が消えた。いや、触ると腕はちゃんとあるから正確には透明になったというべきか。驚いて自分の体を見ると、足も消えている。「えっ、ええっ!?」と声を上げるが、周りには誰もいない。試しに帽子を外すと、元に戻る。もう一度かぶると透明だ。「なんだこれ。すげぇ、透明人間の帽子かよ!」
俺は次第に興奮してきた。だって透明人間になれるなんて、子供の頃の夢そのものじゃないか! 何をするか考える間もなく、俺の頭にはいたずらのアイデアが次々と浮かんでいた。
最初のターゲットは、近所のスーパーのレジだ。透明になって忍び寄り、レジ横のキャンディを一つポケットに――いや、透明人間にはポケットも透明になってる! キャンディをつかんだ瞬間、宙に浮くように見えるそれを見た店員が「ぎゃああ!」と叫び、それを聞いた他の店員、客たちも大騒ぎになる。キャンディを捨ててその場を逃げだした。
「こりゃ、特性を理解して慎重に使わなきゃダメだな」と学び、次はもっと頭を使うことにした。次なるターゲットは、隣に住む神経質な田中さんだ。いつも俺の足音がうるさいだの、洗濯物がこちら側に侵入してるだの文句ばかり言ってくる。ちょっとばかりびっくりさせてやってもいいだろう。
帽子で透明になって田中さんの部屋に忍び込み、テレビのリモコンを勝手に操作したり、椅子を動かしたりしてみる。ささいないたずらだ。案の定、田中さんは「幽霊がいる!」と叫んで飛び出し、しばらく戻ってこなくなった。これはちょっとうまくいったかもしれない。
そんなこんなで些細ないたずらを重ねながら透明人間ライフを謳歌していた俺だが、ある日、帽子をかぶったまま家の鏡を見たときに気づいてしまった。「透明だけど……帽子だけ見えてるやん! 意味ねぇ!」ずっと浮遊する帽子を見られていたのだと悟った俺は、こっそりと帽子を元の木に戻した。帽子を持っているだけでも犯人特定に至る危険性がある。何事もなかったかのように日常に戻った。
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