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5章 奈落の底の魔法使い
59.明け暮れる日々 8/24改稿
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振り上げられた拳に腕を上げて防御姿勢を取り、腰を落として踏ん張る。
そんな俺の抵抗も虚しく、拳は俺の腕を粉砕し、俺は壁に吹っ飛んだ。
ボキボキボキィ
あ、折れた。
「ゴファッ」
血も吹いた。だが俺を吹っ飛ばした当の本人はとどめを刺そうと近づいてくる。
つまり治療している暇などないのだ。
「絶対零度!」
俺はすぐに水属性の帝級魔法を詠唱する。瞬時に零下まで温度をさげ、冷蔵庫の存在価値を無くす恐ろしい魔法だ。
そんな魔法を物ともせず粉砕しながら奴はやってくる。
あれでも奴は手加減しているのだ。どんなバケモノだよ。
しかし俺は冷静に頭を働かせる。勝負は一瞬、奴が勝利したとばかりに限界まで近づいてきた瞬間だ。
その瞬間に、俺の魔導魔法を炸裂させるのだ。
ほらほらもっと来いよ。
「来たっ!くらえ魔槍!」
俺の魔力の7割近くを持っていくこの魔導は威力バッチし!そこらへんの魔物はもちろん、大きな岩やでっかい滝、ましてや俺の心をも抉る魔導だ。
......ぅぅ。これ恥ずかしい.....。
「甘いっ!」
そんな俺の破壊魔導を奴はいとも簡単そうに手で掴んだ。
俺の魔槍がどんどん勢いを無くしていく。
吸収されていると気づいたのは俺のこめかみに拳が直撃し、意識が遠くなっていく途中だった。
あぁ.....ハクリ強すぎんよ......。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は意識を冷ますためにぶっかけられた水を滴らせながら自らに治癒魔法をかける。
ハクリに頭を下げてから数十日が経った。
さっきのはただ単にボコられていた訳ではない。つまりは俺の修行なのだ。いやボコられてはいたか。
ハクリは俺の頼みを聞き入れ、俺に修行を施してくれている。
そう、修行という名の拷問を。
「遅い!はよ立ち上がるのじゃ!」
言葉だけにすればいいのにハクリはわざわざ重心の乗った重いキックを俺に炸裂してくる。
折角治した体の骨がまたボキィと折れる音がするがもう気にしないことにしよう。
俺はすくりと立ち上がると次の修行のために腰を落として、体を構える。
何故だかわからないが、俺の体はちょっとやそっとのケガぐらいでは痛みを感じなくなってきた。決してドM道へ目覚めた訳ではないぞ。
さらにだんだん体が丈夫になり、岩の塊で殴りつけられても小指をタンスにぶつける程度の痛さしか感じない。
ハクリ曰く、「妾の7割パンチぐらいに耐えきれたら合格じゃ」らしい。
ちなみに今は2割程でダウンする。だって3割パンチであの象の魔物を殺すんだぜ?
それが7割なんかだとリアルアラレちゃんパンチで星を割るかもしれないな。
「お主はまだまだ弱いっ!弱すぎるのじゃ!死ぬ気で励むのじゃ!」
「ハイッ!師匠!」
そう言うとハクリは顔をピクリと動かした。人間の国で「弟子の復讐~365日の復讐劇~」と言う娯楽書を読んでから師弟関係に憧れているらしい。
まったくチョロいものだよ。
「師匠ぉ!師匠ぉ!師匠ぉ!」
「う.....うるさいわあ!!」
俺のお腹を蹴り飛ばすハクリの顔は非常に嬉しそうである。
それを見た代価に俺は本日4度目の意識ダウンしたがな。
一応、1日の修行は6気絶までと決まっている。俺の精神を考慮してのことらしい。
まず6気絶という単語がおかしいが。
そんなことよりも何故俺が修行を受けようと思ったのか。
大きな理由は、単純に俺が弱すぎると思ったからだ。今まで俺の戦闘を振り返ってみると、領地にいた時代はなんとか勝利しているが、王都初っ端でエーミールに敗北。さらに迷宮では勝利した覚えがない。なぜか助かってはいるが毎回死にかけているのだ。
すでにのんびり異世界ライフなど欠片もしていないが、今後を考えて多少の強さは必要だろう。
他には煮湯を飲まされまくりとか異世界チートしたいとか色々あるのだがまあ割愛ということで.....。
「お主何を考えてるのじゃ?そんな遠い目をして」
「あ、いや、事情の再確認をちょっと。今日は修行も終わりだろ?」
「......まあそうじゃが」
納得したのかと思いきやハクリは何とも言えぬような曖昧な表情をしている。
ふと、今一度ハクリを見ると今まであまり意識していなかったが、美人だ。
なんか、こう、フェロモンが溢れ出てるセクシー系のお姉さんと言うか.....。
吸血鬼というかサキュバスみたいな....。
年齢的にはお姉さんではなくおばさん、それどころかおばば様なんだがなぁ。
「お主今失礼なこと考えているじゃろ?」
「え"っ!?や、やだなぁ!そ、そんなわけないじゃないですかぁ!!」
よし、完璧に誤魔化せたな。
「ふむ。明日の鍛錬倍じゃな」
「ッッ!!??」
そんな俺の抵抗も虚しく、拳は俺の腕を粉砕し、俺は壁に吹っ飛んだ。
ボキボキボキィ
あ、折れた。
「ゴファッ」
血も吹いた。だが俺を吹っ飛ばした当の本人はとどめを刺そうと近づいてくる。
つまり治療している暇などないのだ。
「絶対零度!」
俺はすぐに水属性の帝級魔法を詠唱する。瞬時に零下まで温度をさげ、冷蔵庫の存在価値を無くす恐ろしい魔法だ。
そんな魔法を物ともせず粉砕しながら奴はやってくる。
あれでも奴は手加減しているのだ。どんなバケモノだよ。
しかし俺は冷静に頭を働かせる。勝負は一瞬、奴が勝利したとばかりに限界まで近づいてきた瞬間だ。
その瞬間に、俺の魔導魔法を炸裂させるのだ。
ほらほらもっと来いよ。
「来たっ!くらえ魔槍!」
俺の魔力の7割近くを持っていくこの魔導は威力バッチし!そこらへんの魔物はもちろん、大きな岩やでっかい滝、ましてや俺の心をも抉る魔導だ。
......ぅぅ。これ恥ずかしい.....。
「甘いっ!」
そんな俺の破壊魔導を奴はいとも簡単そうに手で掴んだ。
俺の魔槍がどんどん勢いを無くしていく。
吸収されていると気づいたのは俺のこめかみに拳が直撃し、意識が遠くなっていく途中だった。
あぁ.....ハクリ強すぎんよ......。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は意識を冷ますためにぶっかけられた水を滴らせながら自らに治癒魔法をかける。
ハクリに頭を下げてから数十日が経った。
さっきのはただ単にボコられていた訳ではない。つまりは俺の修行なのだ。いやボコられてはいたか。
ハクリは俺の頼みを聞き入れ、俺に修行を施してくれている。
そう、修行という名の拷問を。
「遅い!はよ立ち上がるのじゃ!」
言葉だけにすればいいのにハクリはわざわざ重心の乗った重いキックを俺に炸裂してくる。
折角治した体の骨がまたボキィと折れる音がするがもう気にしないことにしよう。
俺はすくりと立ち上がると次の修行のために腰を落として、体を構える。
何故だかわからないが、俺の体はちょっとやそっとのケガぐらいでは痛みを感じなくなってきた。決してドM道へ目覚めた訳ではないぞ。
さらにだんだん体が丈夫になり、岩の塊で殴りつけられても小指をタンスにぶつける程度の痛さしか感じない。
ハクリ曰く、「妾の7割パンチぐらいに耐えきれたら合格じゃ」らしい。
ちなみに今は2割程でダウンする。だって3割パンチであの象の魔物を殺すんだぜ?
それが7割なんかだとリアルアラレちゃんパンチで星を割るかもしれないな。
「お主はまだまだ弱いっ!弱すぎるのじゃ!死ぬ気で励むのじゃ!」
「ハイッ!師匠!」
そう言うとハクリは顔をピクリと動かした。人間の国で「弟子の復讐~365日の復讐劇~」と言う娯楽書を読んでから師弟関係に憧れているらしい。
まったくチョロいものだよ。
「師匠ぉ!師匠ぉ!師匠ぉ!」
「う.....うるさいわあ!!」
俺のお腹を蹴り飛ばすハクリの顔は非常に嬉しそうである。
それを見た代価に俺は本日4度目の意識ダウンしたがな。
一応、1日の修行は6気絶までと決まっている。俺の精神を考慮してのことらしい。
まず6気絶という単語がおかしいが。
そんなことよりも何故俺が修行を受けようと思ったのか。
大きな理由は、単純に俺が弱すぎると思ったからだ。今まで俺の戦闘を振り返ってみると、領地にいた時代はなんとか勝利しているが、王都初っ端でエーミールに敗北。さらに迷宮では勝利した覚えがない。なぜか助かってはいるが毎回死にかけているのだ。
すでにのんびり異世界ライフなど欠片もしていないが、今後を考えて多少の強さは必要だろう。
他には煮湯を飲まされまくりとか異世界チートしたいとか色々あるのだがまあ割愛ということで.....。
「お主何を考えてるのじゃ?そんな遠い目をして」
「あ、いや、事情の再確認をちょっと。今日は修行も終わりだろ?」
「......まあそうじゃが」
納得したのかと思いきやハクリは何とも言えぬような曖昧な表情をしている。
ふと、今一度ハクリを見ると今まであまり意識していなかったが、美人だ。
なんか、こう、フェロモンが溢れ出てるセクシー系のお姉さんと言うか.....。
吸血鬼というかサキュバスみたいな....。
年齢的にはお姉さんではなくおばさん、それどころかおばば様なんだがなぁ。
「お主今失礼なこと考えているじゃろ?」
「え"っ!?や、やだなぁ!そ、そんなわけないじゃないですかぁ!!」
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「ッッ!!??」
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