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6章 吸血鬼と魔法使い
70ー2.一押し
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こちらが間接攻撃できることがわかったのか、守護者の攻撃が熾烈になった。向こうとしては俺に魔法を打つ暇を与えたくないらしい。
実際、俺は魔法など打つ時間がなく、避けるので精一杯だった。それも、普通に逃げればすぐ捕まるのでハクリと俺の二つの目を使った避け方でだ。
正面から俺が守護者の攻撃を見据え、ハクリの目で守護者の次の行動を予測する。先手先手を取ってようやく避けられる様だ。
しかし、俺が攻撃されている間ハクリが黙って見ているはずもなく、後ろから集中砲火を被せる。
それを守護者は受け流し俺に当て、仲間内自爆させようとするーーーが、それが当たる事はない。同調の恩恵だ。
【な、なぜ当たらない。お前たちはなんなんだ。これではまるで同じ人物と戦っているようじゃないか】
「あぁ、あながち間違ってねぇよ」
「うむ、そうじゃのう」
【なに?】
俺たちの答えに戸惑ったのか一瞬動きが鈍くなる。それを見逃さず、俺は魔法を放った。
当然、守護者は膜を張り防ぐわけだが、その時に霧ができる。要は目くらましだ。
それと同時に、後ろからハクリが思いっきり殴りかかる。そして霧の目眩しのせいで一瞬反応が遅れた守護者の頭にクリーヒットした。
【うぐっ!】
ーーー普通なら頭はスポーンと飛んでいくが、首の筋肉がすごいのか壁にめり込むだけで済んだらしい。
相変わらず人外感がすごい。実際人外なんだけれども。
「チャンスじゃ!」
「わかってる!」
頭が埋まり、なんとも間抜けな格好の守護者へ向かってお尻ぺんぺん、じゃなかった、この攻撃で致命傷を与えるべく、思い切り拳を振りかぶる。
守護者が頭が埋まり、抵抗できないのは誰の目にも明らかだ。
このチャンスを逃せば次はもうないかもしれない。だからここで仕留める!
と思ったその矢先、信じられない光景が目に飛び込んできた。
俺より先に攻撃した、ハクリが勢いよく飛び下がったのだ。それも尋常ではないほどに。
驚いてその姿を確認すると、目を覆いたくなるものが見えた。
ーーー右手が、右手が無かった。
ハクリが無防備な守護者へむけ放った一発。それが全て返ってきたかのように、ハクリの右手は存在せず、肩あたりから血が勢いよく出ていた。
その顔は青ざめて見える。
「なんじゃあれは......」
ふとハクリがそう漏らすと、ガラガラと岩壁が崩れ、守護者が険しい顔つきで体の埃を払う。
【やれやれ、これを使うとは思わなかった。
さあ、どうする?】
その守護者の体は薄い膜で覆われており、洞窟内の僅かな光に反射して輝いて見える。
【破壊の装甲】
守護者がそう呼ぶその技がハクリの右手をどうしたか、シンクロ中の俺にはなんとなくわかっていた。
多分、あれは触れたものを破壊する鎧ーのようなものだ。魔法だけでなく物理まで。要するに、あれを殴れば逆にこっちの手が壊れる。恐らくハクリは壊れる右手を自ら切ったんだろう。
しかしチートすぎる。こちらの攻撃は無効化され、触れただけでアウト。なんて魔法だよ。
だが、やはり魔力消費は急激らしい。光り輝く薄い膜はすぐに消えた。
しかし、あの技があるだけで効果的。迂闊に攻撃が出来なくなったのだから。
そんな技に危機感を感じたのか、ハクリが言葉を呟く。
「・・・獣の王よ、再び力を貸してくれ『鬼火』」
・・・あれはマーブル戦で見せた技だ。よくわからないが、とてつもなく恐ろしい技。
その技は以前のを繰り返すように、人魂を発生させ、洞窟に広がった。
【・・・火?今更何を?】
「その身をもって知るがいいのじゃ」
その言葉と共に鬼火が守護者を包む。
そして焼けるような叫びが響き渡った。
【ングアアアアアアアァァアアアアア!!!】
鬼火を消火しようと守護者は乱雑に水魔法を撃ちまくるーーが、鬼火は"霊体"だ。効くはずもない。
【ナにを!!???なんダコの火ハ!!!】
耳をつんざくような悲鳴が続き、ようやく守護者も水では消えないとわかったのか、再びあの"装甲"を発動する。
すると鬼火は瞬く間に消えてしまった。
やはり鬼火も"魔法"なのだろう。
【ハァハァ.....コノ私ヲココまでするトハ....】
「!!??」
守護者の姿が乱れている。まるで古いテレビに映るおぼろげな映像のように、今にもガラガラと崩れ落ちてしまいそうだ。
もしそうなれば俺達は万々歳なのだが。
そして、その守護者の傷は回復していない。
ついに、追い詰めるところまで来たらしい。守護者の装甲も外れかけ、先ほどの水魔法の連発による洞窟の水面に、装甲の淡い光が小さく灯っている。
「ハクリ、今の鬼火もう一回使えるか?」
ハクリは首を横に振る。
「無理じゃ。今のは奇策。それに妾の体力が持たん」
今でもハクリの腕からは大量出血している。魔力を回復に回す余裕がないらしい。
同調も今にも途切れそうだ。
もう短期決戦しかありえない。
今までの戦いで一番消耗していないのは俺だ。魔力はまだ十分にあり、体のケガも少ない。
やるならば、今だ!
「ーーーーっ!!」
察したのか、ハクリが勢いよく水面から飛び上がる。俺は水面に手をつけた。
【何ヲしてイル.....!】
「なぁ、知ってるか?」
【・・・?】
「水ってな、電気を通しやすいんだぜ!
『雷豪!』」
本来、雷豪は敵に直接撃つ技だ。だが、魔法である以上防がれるのは必然。
だが水を通してならどうだ?水を通しての電撃は魔法ではなく自然現象だ。である以上奴には防ぐすべがない。そして雷豪は超高電圧の電撃として奴に襲いかかる。
・・・当然俺にも襲ってくるわけだがな。
【グゥウアアアアアァァアア!!!】
「ぐぁぁぁああああ!!!」
大量の魔力で体を覆っているのにも関わらず、電撃は焼けるような痛みとして身体中を駆け巡り、俺の感覚を麻痺させていく。
それと同時に何の防御もしていなかった守護者はさらに姿がぼやけ、装甲は完全に取れた。
あと一押し!
「ハクリッッッツ!!!」
「わかっとる!!!!」
1人だけ電撃を空中回避していたハクリはそのまま守護者の元へ一瞬で移動する。
そして、無事な左手、その手に最後の同調を通じて俺がハクリに送った大量の魔力を纏わせた。
それを見た守護者の顔が恐怖に埋まる。
【ヤ、ヤメロ!ヤメるンダ!!】
それを聞いてハクリはニヤリと笑った。
「守護者よ、さらばじゃ」
ーーーーそしてハクリは拳を振り下ろした。
実際、俺は魔法など打つ時間がなく、避けるので精一杯だった。それも、普通に逃げればすぐ捕まるのでハクリと俺の二つの目を使った避け方でだ。
正面から俺が守護者の攻撃を見据え、ハクリの目で守護者の次の行動を予測する。先手先手を取ってようやく避けられる様だ。
しかし、俺が攻撃されている間ハクリが黙って見ているはずもなく、後ろから集中砲火を被せる。
それを守護者は受け流し俺に当て、仲間内自爆させようとするーーーが、それが当たる事はない。同調の恩恵だ。
【な、なぜ当たらない。お前たちはなんなんだ。これではまるで同じ人物と戦っているようじゃないか】
「あぁ、あながち間違ってねぇよ」
「うむ、そうじゃのう」
【なに?】
俺たちの答えに戸惑ったのか一瞬動きが鈍くなる。それを見逃さず、俺は魔法を放った。
当然、守護者は膜を張り防ぐわけだが、その時に霧ができる。要は目くらましだ。
それと同時に、後ろからハクリが思いっきり殴りかかる。そして霧の目眩しのせいで一瞬反応が遅れた守護者の頭にクリーヒットした。
【うぐっ!】
ーーー普通なら頭はスポーンと飛んでいくが、首の筋肉がすごいのか壁にめり込むだけで済んだらしい。
相変わらず人外感がすごい。実際人外なんだけれども。
「チャンスじゃ!」
「わかってる!」
頭が埋まり、なんとも間抜けな格好の守護者へ向かってお尻ぺんぺん、じゃなかった、この攻撃で致命傷を与えるべく、思い切り拳を振りかぶる。
守護者が頭が埋まり、抵抗できないのは誰の目にも明らかだ。
このチャンスを逃せば次はもうないかもしれない。だからここで仕留める!
と思ったその矢先、信じられない光景が目に飛び込んできた。
俺より先に攻撃した、ハクリが勢いよく飛び下がったのだ。それも尋常ではないほどに。
驚いてその姿を確認すると、目を覆いたくなるものが見えた。
ーーー右手が、右手が無かった。
ハクリが無防備な守護者へむけ放った一発。それが全て返ってきたかのように、ハクリの右手は存在せず、肩あたりから血が勢いよく出ていた。
その顔は青ざめて見える。
「なんじゃあれは......」
ふとハクリがそう漏らすと、ガラガラと岩壁が崩れ、守護者が険しい顔つきで体の埃を払う。
【やれやれ、これを使うとは思わなかった。
さあ、どうする?】
その守護者の体は薄い膜で覆われており、洞窟内の僅かな光に反射して輝いて見える。
【破壊の装甲】
守護者がそう呼ぶその技がハクリの右手をどうしたか、シンクロ中の俺にはなんとなくわかっていた。
多分、あれは触れたものを破壊する鎧ーのようなものだ。魔法だけでなく物理まで。要するに、あれを殴れば逆にこっちの手が壊れる。恐らくハクリは壊れる右手を自ら切ったんだろう。
しかしチートすぎる。こちらの攻撃は無効化され、触れただけでアウト。なんて魔法だよ。
だが、やはり魔力消費は急激らしい。光り輝く薄い膜はすぐに消えた。
しかし、あの技があるだけで効果的。迂闊に攻撃が出来なくなったのだから。
そんな技に危機感を感じたのか、ハクリが言葉を呟く。
「・・・獣の王よ、再び力を貸してくれ『鬼火』」
・・・あれはマーブル戦で見せた技だ。よくわからないが、とてつもなく恐ろしい技。
その技は以前のを繰り返すように、人魂を発生させ、洞窟に広がった。
【・・・火?今更何を?】
「その身をもって知るがいいのじゃ」
その言葉と共に鬼火が守護者を包む。
そして焼けるような叫びが響き渡った。
【ングアアアアアアアァァアアアアア!!!】
鬼火を消火しようと守護者は乱雑に水魔法を撃ちまくるーーが、鬼火は"霊体"だ。効くはずもない。
【ナにを!!???なんダコの火ハ!!!】
耳をつんざくような悲鳴が続き、ようやく守護者も水では消えないとわかったのか、再びあの"装甲"を発動する。
すると鬼火は瞬く間に消えてしまった。
やはり鬼火も"魔法"なのだろう。
【ハァハァ.....コノ私ヲココまでするトハ....】
「!!??」
守護者の姿が乱れている。まるで古いテレビに映るおぼろげな映像のように、今にもガラガラと崩れ落ちてしまいそうだ。
もしそうなれば俺達は万々歳なのだが。
そして、その守護者の傷は回復していない。
ついに、追い詰めるところまで来たらしい。守護者の装甲も外れかけ、先ほどの水魔法の連発による洞窟の水面に、装甲の淡い光が小さく灯っている。
「ハクリ、今の鬼火もう一回使えるか?」
ハクリは首を横に振る。
「無理じゃ。今のは奇策。それに妾の体力が持たん」
今でもハクリの腕からは大量出血している。魔力を回復に回す余裕がないらしい。
同調も今にも途切れそうだ。
もう短期決戦しかありえない。
今までの戦いで一番消耗していないのは俺だ。魔力はまだ十分にあり、体のケガも少ない。
やるならば、今だ!
「ーーーーっ!!」
察したのか、ハクリが勢いよく水面から飛び上がる。俺は水面に手をつけた。
【何ヲしてイル.....!】
「なぁ、知ってるか?」
【・・・?】
「水ってな、電気を通しやすいんだぜ!
『雷豪!』」
本来、雷豪は敵に直接撃つ技だ。だが、魔法である以上防がれるのは必然。
だが水を通してならどうだ?水を通しての電撃は魔法ではなく自然現象だ。である以上奴には防ぐすべがない。そして雷豪は超高電圧の電撃として奴に襲いかかる。
・・・当然俺にも襲ってくるわけだがな。
【グゥウアアアアアァァアア!!!】
「ぐぁぁぁああああ!!!」
大量の魔力で体を覆っているのにも関わらず、電撃は焼けるような痛みとして身体中を駆け巡り、俺の感覚を麻痺させていく。
それと同時に何の防御もしていなかった守護者はさらに姿がぼやけ、装甲は完全に取れた。
あと一押し!
「ハクリッッッツ!!!」
「わかっとる!!!!」
1人だけ電撃を空中回避していたハクリはそのまま守護者の元へ一瞬で移動する。
そして、無事な左手、その手に最後の同調を通じて俺がハクリに送った大量の魔力を纏わせた。
それを見た守護者の顔が恐怖に埋まる。
【ヤ、ヤメロ!ヤメるンダ!!】
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