38 / 200
第五章 ダンジョン・デストラクション
人生ってやつはさぁ、
しおりを挟む
「ただいまー」
「「「おかえりなさいー!」」」
サクラとレイチェル、そしてマリアが出迎えてくれる。やはりホームというのは良いものだ。
さて、まずは自己紹介だ。
「みんな、これから仲間になるキャスリー・レノンフィールドだ」
キャスリーは言った。
「これから当分のあいだ、おじゃますることになるわ。よろしくお願いするですの」
突然の来客。そして新入生歓迎コンパ。ほへー、とあきれ顔のサクラとレイチェル。そして――
「イラッシャイ、マセ! きゃすりー・サン。ワタシハ、ぞんびーデス、ナマエハまりあ、まり、うごええぇっぇーー」
マリアが急にがたぴしと妙な動きをすると、口からアルコールを吐き出しつつもキャスリーにとびかかった。
大パニックに陥るキャスリー。酔ったままケタケタと笑い転げるレイチェル。
大混乱だ。
「っきゃああああーーー!!ですのーー!」
キャスリーは涙目で玄関から飛び出す。ううむ、恐怖で呪い(お漏らし)が再発しなければよいのだが。
「おい、マリア、やりすぎだ。……マリア?」
「おええー」
「ほらほら、ゆっくりしんこきゅーですよ。すぐ水を持ってきますから」
サクラが手慣れた様子で、優しく背中をさすってやる。
事情を聞くと、どうやらマリアは酒に弱かったようだ。焼酎でゾンビの体を消毒し、維持するのはいいのだが、その代償として常にひどい二日酔い状態。いや、万年酔いと言うべきか。
まずいな、これは。
どこかに良い酒はないものか。
「イングウェイさん、ダンジョンに潜ってみるってのはどうです? 冒険者らしく」
レイチェルが悩む俺にアドバイスをくれた。
ふむ、ダンジョン?
「懐かしいな、この世界に来てからは潜っていなかったが。魔法武器や伝説のアイテムも、当然ポップするんだろうな?」
「もちろんです。あのですね、酔いも毒の一種ですから、常時毒を中和してくれるアクセサリーなんかがあれば、ビールをもっと飲めますよ! やったー!」
お前、マリア助けたいのと自分が飲みたいのと、どっちが目的だ。
しかし、いい考えかもしれない。
「よし、ではキャスリーのギルド参加祝いも含め、適当なダンジョンに潜ってみるか!」
パーティーメンバーは4名。
前衛のサムライ、サクラ。銃で攻撃しつつ、場合によっては剣でサポートもできる中衛のキャスリー。そして、後衛から死霊術で戦い、回復――ゾンビ化ではない、普通のやつだ――もできる魔術師レイチェル。
最後に、万能タイプの俺。
うむ、たまたま集まったメンバーにしてはバランスがいいかもしれない。
「じゃ、すぐ準備しましょう! キャスリーさんは、まずギルドで冒険者登録からですね!」
冒険者としての生活か。懐かしい。
それにしても、つい数か月前までは日本の工場で魔法を隠して働いていたというのに、人生とはわからないものだ。
自分を慕ってくれる存在がいるというのは、良いものだ。
人生の、冒険者の先輩として、彼女たちの笑顔を守ってやろう。彼女たちもそのうち成長し、巣立っていくのだ。
それを見送る第三の人生というのも、悪くはない。
その時の俺は、まさか彼女たちが俺に恋心を抱いているなんて、思いもしなかった。
「「「おかえりなさいー!」」」
サクラとレイチェル、そしてマリアが出迎えてくれる。やはりホームというのは良いものだ。
さて、まずは自己紹介だ。
「みんな、これから仲間になるキャスリー・レノンフィールドだ」
キャスリーは言った。
「これから当分のあいだ、おじゃますることになるわ。よろしくお願いするですの」
突然の来客。そして新入生歓迎コンパ。ほへー、とあきれ顔のサクラとレイチェル。そして――
「イラッシャイ、マセ! きゃすりー・サン。ワタシハ、ぞんびーデス、ナマエハまりあ、まり、うごええぇっぇーー」
マリアが急にがたぴしと妙な動きをすると、口からアルコールを吐き出しつつもキャスリーにとびかかった。
大パニックに陥るキャスリー。酔ったままケタケタと笑い転げるレイチェル。
大混乱だ。
「っきゃああああーーー!!ですのーー!」
キャスリーは涙目で玄関から飛び出す。ううむ、恐怖で呪い(お漏らし)が再発しなければよいのだが。
「おい、マリア、やりすぎだ。……マリア?」
「おええー」
「ほらほら、ゆっくりしんこきゅーですよ。すぐ水を持ってきますから」
サクラが手慣れた様子で、優しく背中をさすってやる。
事情を聞くと、どうやらマリアは酒に弱かったようだ。焼酎でゾンビの体を消毒し、維持するのはいいのだが、その代償として常にひどい二日酔い状態。いや、万年酔いと言うべきか。
まずいな、これは。
どこかに良い酒はないものか。
「イングウェイさん、ダンジョンに潜ってみるってのはどうです? 冒険者らしく」
レイチェルが悩む俺にアドバイスをくれた。
ふむ、ダンジョン?
「懐かしいな、この世界に来てからは潜っていなかったが。魔法武器や伝説のアイテムも、当然ポップするんだろうな?」
「もちろんです。あのですね、酔いも毒の一種ですから、常時毒を中和してくれるアクセサリーなんかがあれば、ビールをもっと飲めますよ! やったー!」
お前、マリア助けたいのと自分が飲みたいのと、どっちが目的だ。
しかし、いい考えかもしれない。
「よし、ではキャスリーのギルド参加祝いも含め、適当なダンジョンに潜ってみるか!」
パーティーメンバーは4名。
前衛のサムライ、サクラ。銃で攻撃しつつ、場合によっては剣でサポートもできる中衛のキャスリー。そして、後衛から死霊術で戦い、回復――ゾンビ化ではない、普通のやつだ――もできる魔術師レイチェル。
最後に、万能タイプの俺。
うむ、たまたま集まったメンバーにしてはバランスがいいかもしれない。
「じゃ、すぐ準備しましょう! キャスリーさんは、まずギルドで冒険者登録からですね!」
冒険者としての生活か。懐かしい。
それにしても、つい数か月前までは日本の工場で魔法を隠して働いていたというのに、人生とはわからないものだ。
自分を慕ってくれる存在がいるというのは、良いものだ。
人生の、冒険者の先輩として、彼女たちの笑顔を守ってやろう。彼女たちもそのうち成長し、巣立っていくのだ。
それを見送る第三の人生というのも、悪くはない。
その時の俺は、まさか彼女たちが俺に恋心を抱いているなんて、思いもしなかった。
1
あなたにおすすめの小説
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる