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第七章 製造と販売
自由への闘争
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~ミリリッ太~
あっしはマノウォーと一緒に、ホームへと帰ってきた。イングウェイの旦那は、青い髪のゾンビエルフと変なからくりをいじっていた。
二人は満足そうに笑い合うと、それを放置したままどこかへ行ってしまった。おそらく夕飯だ。
シチューでも焼き魚でも、好きなものを食べるがいいさ。それが旦那の最後の晩餐だ。
イングウェイの旦那は強敵だ。いくらマノウォーの鍋が強くても、旦那の呪文ひとつであっさり黒焦げになるだろう。
そう、マノウォーは囮だ。隙をつくための。
そしてあっしが、美味しいところだけ奪うんでさあ。
美味しいところ。それはすなわち、あのサクラのお嬢の柔らかで愛にあふれた魔力袋。
魔法生物であるあっしにとって、作り主であるイングウェイの旦那に反逆するのは決死の覚悟。しかし、夢を掴むためにはひるんではいられない。奴の魔力を断ち切り、サクラ嬢の魔力に鞍替えするのだ。
「サクラさん、待っててくだせえ。あっしは種族の壁を越え、愛を貫いて見せますぜ!」
勝算はある。あっしの腹の中にたまっている酒だ。
ゲルゲルユシとかいう変な蜥蜴からもらった惚れ薬が漬け込んである。
これをサクラさんに飲ませれば、うおおおぅぅ、それはすなわち、キッスと抱擁と愛の交わりをすべて一度にすませることにはならないのか?
いいのだろうか、こんな幸福!
そうだ、やるのだ、邪魔者はまとめて消して、あっしだけが幸せをつかむのだ。
「よしマノウォーの旦那、そのへんなからくりを御覧なせえ。旦那と同じような鍋でっせ。鍋、すなわち旦那が隠れるには最適っす。隠れるんです、旦那。そして、あっしの合図で飛び出して、目の前にいる奴を攻撃するんです!」
マノウォーの旦那が、イングウェイの旦那を攻撃する。二人はケガをする。サクラ嬢は優しいから駆け寄ってくる。
ケガには当然消毒っす。特にサクラ嬢は、回復呪文を使えない。消毒のためには、酒を口に含んで吹きかけるしかない。
そこであっしは言うんです。実にさりげなく。
「サクラの旦那、あっしを使ってくだせえ。あっしの中に入っているのは、酒。消毒にはもってこいでさあ」
サクラ嬢は優しいので、迷わずあっしの中身を口に含むに決まってます。そう、惚れ薬を。
「これであっしの天下でさあ!!」
あっしの作戦通りにへんてこな鍋に入ったマノウォー。そこへ戻ってきたゾンビ娘。
ゾンビ娘はろくに中身も見もせずに、なんだか白っぽい布をマノウォーの入った鍋に放りこみ、ふたを閉めた。
「ん? なんでげす?」
そしてそのまま、くるくるとレバーを回すゾンビ。ガタガタ音を立て、からくりが細かく振動する。
うおお、中の旦那は大丈夫っすかあ!?
いや、しかし! 心配になるものの、ここで飛び出すわけにはいかない。ニンゲン我慢が肝心っす。
しばらくして、ゾンビ娘が鍋のふたを開け、叫んだ。
「うわああああぁぁぁぁっっ!!!」
中から出てきたのは、すっかり……
……すっかりゾンビ化した、マノウォーの旦那だった。
「大声を出して、何事だ、マリア!」
「あ、イングウェイ、これ、これっ!!」
「むっ、敵か。≪火球≫っ!」
ぶしゅっという音とともに、汚れた汁を巻き散らしつつ、マノウォーの旦那は逝ってしまった。
「おお、なんということっすか、旦那ぁぁ……」
あっしは、イングウェイの旦那に見つかる前に、その場を後にした。
許せないっす……。
友の復讐を胸に誓って。
あっしはマノウォーと一緒に、ホームへと帰ってきた。イングウェイの旦那は、青い髪のゾンビエルフと変なからくりをいじっていた。
二人は満足そうに笑い合うと、それを放置したままどこかへ行ってしまった。おそらく夕飯だ。
シチューでも焼き魚でも、好きなものを食べるがいいさ。それが旦那の最後の晩餐だ。
イングウェイの旦那は強敵だ。いくらマノウォーの鍋が強くても、旦那の呪文ひとつであっさり黒焦げになるだろう。
そう、マノウォーは囮だ。隙をつくための。
そしてあっしが、美味しいところだけ奪うんでさあ。
美味しいところ。それはすなわち、あのサクラのお嬢の柔らかで愛にあふれた魔力袋。
魔法生物であるあっしにとって、作り主であるイングウェイの旦那に反逆するのは決死の覚悟。しかし、夢を掴むためにはひるんではいられない。奴の魔力を断ち切り、サクラ嬢の魔力に鞍替えするのだ。
「サクラさん、待っててくだせえ。あっしは種族の壁を越え、愛を貫いて見せますぜ!」
勝算はある。あっしの腹の中にたまっている酒だ。
ゲルゲルユシとかいう変な蜥蜴からもらった惚れ薬が漬け込んである。
これをサクラさんに飲ませれば、うおおおぅぅ、それはすなわち、キッスと抱擁と愛の交わりをすべて一度にすませることにはならないのか?
いいのだろうか、こんな幸福!
そうだ、やるのだ、邪魔者はまとめて消して、あっしだけが幸せをつかむのだ。
「よしマノウォーの旦那、そのへんなからくりを御覧なせえ。旦那と同じような鍋でっせ。鍋、すなわち旦那が隠れるには最適っす。隠れるんです、旦那。そして、あっしの合図で飛び出して、目の前にいる奴を攻撃するんです!」
マノウォーの旦那が、イングウェイの旦那を攻撃する。二人はケガをする。サクラ嬢は優しいから駆け寄ってくる。
ケガには当然消毒っす。特にサクラ嬢は、回復呪文を使えない。消毒のためには、酒を口に含んで吹きかけるしかない。
そこであっしは言うんです。実にさりげなく。
「サクラの旦那、あっしを使ってくだせえ。あっしの中に入っているのは、酒。消毒にはもってこいでさあ」
サクラ嬢は優しいので、迷わずあっしの中身を口に含むに決まってます。そう、惚れ薬を。
「これであっしの天下でさあ!!」
あっしの作戦通りにへんてこな鍋に入ったマノウォー。そこへ戻ってきたゾンビ娘。
ゾンビ娘はろくに中身も見もせずに、なんだか白っぽい布をマノウォーの入った鍋に放りこみ、ふたを閉めた。
「ん? なんでげす?」
そしてそのまま、くるくるとレバーを回すゾンビ。ガタガタ音を立て、からくりが細かく振動する。
うおお、中の旦那は大丈夫っすかあ!?
いや、しかし! 心配になるものの、ここで飛び出すわけにはいかない。ニンゲン我慢が肝心っす。
しばらくして、ゾンビ娘が鍋のふたを開け、叫んだ。
「うわああああぁぁぁぁっっ!!!」
中から出てきたのは、すっかり……
……すっかりゾンビ化した、マノウォーの旦那だった。
「大声を出して、何事だ、マリア!」
「あ、イングウェイ、これ、これっ!!」
「むっ、敵か。≪火球≫っ!」
ぶしゅっという音とともに、汚れた汁を巻き散らしつつ、マノウォーの旦那は逝ってしまった。
「おお、なんということっすか、旦那ぁぁ……」
あっしは、イングウェイの旦那に見つかる前に、その場を後にした。
許せないっす……。
友の復讐を胸に誓って。
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