初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

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改稿シリーズ・第一章

第38話 懐かしい仲間と魔物の襲来

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俺たちは、色々情報を得た後、怪しくない店から出る。
周りを見て、フードを深く被り、他の店に向うことにした。

「ごしゅじーん。なんで、そんなに深く被っているのだー?みえるのかー?」
「ああ、ちょっと事情があるんだ・・・色々とな」
「ヨウイチ・・・」

ファフニーは純粋な疑問に、言葉を詰まらせる。
それに対し、フードをを被っているのに、アイリスは、まるで、俺の顔が見えているかのように、心配な顔で見つめる。
今、自分は、どんな顔をしているのだろうか?

やはり、この国にいるせいなのか、妙にアイツの顔がちらつく。
そんな、嫌悪、怒り、憎しみが、胸の奥底から、黒い何かとなって、こみ上げてくる。
次第に、今度はノイズ音交じりのブツブツを声が聞こえる。だが、その声を聞いてしまえば、駄目なような気がする。

その時だった、自分の右手から、ひんやりしたものが触られる。冷たいが、何か暖かい。
ここで、ぼーっとした頭が覚醒する。
右手を見ると、アイリスが手を握っていた。

「大丈夫・・・?」
「あ、ああ、大丈夫だ。少しぼーっとしてた」
「そう・・・無理しないで?」

そんな、優しい言葉が、何かをくすぐる。
自分はいったい、なにしてたんだろうか?
ただ、分かるのは、自分の中にある、黒い何かは消えていた。
疑問に思いつつも、店を周る。

────【3時間後】

薬草屋、アクセサリー屋など、見て回ったが、良い情報はなかった。
色々と、落胆しながら、店を出た所で、すれ違い様に人とぶつかる。

「きゃ・・・」
「おっと」

俺は、慌てて謝ろうとした時、何処か聞いたことのある声と、顔を上げる。
目を大きく開けてる。予想通りに見知った顔だった。
美空、一樹、佐野の三人が目の前にいた。
思わず声が出そうになるが、下唇を噛み、出そうになる声を押し殺す。

ここで、俺の正体を明かしてはいけない。変にバラせば、混乱がおこるだろう。そして何よりも、アイツの件もある。
アイツは美空を狙っている。きっと、どこかで見ているかもしない。
だから、自分の行動と選択を間違わないように、慎重になる。バレれば、板野が何かしてくるだろう。
それで美空に、危険な目に合わせるにもいかないように、この場を誤魔化すことにした。
すぐに懐のポケットから、黒いマスクを取り出して、着用する。

「すまない」
「い、いえ、こちらこそ申し訳ございません」

この世界に、数カ月前に来たばかりというのに、既に長い年月を経った気がする。
久しぶりの再会だからかもしれない。
そんな、懐かしい日々を思い出しながら、美空たちを少しだけ見つめる。
元気にしているだろうか?怪我をしていないだろうか?訓練は辛くないだろうか・・・。
色んな思想が混じる中、美空が話しかけてき、ここで、俺は我に返る。

「あの・・・」
「何だ?」

流石に、見つめ過ぎただろうか?
気づかれたと思い、迂闊な行動に出てしまった、俺は緊張する。
今度は、美空の視線が突き刺さる。

「何処かあった事ありませんか・・・?」
「・・・いや?俺は初めましてなんだが」
「すみません、私の勘違いだったようですね。」

勘が良いのか、察しが悪いのか、幸いにも気づかれていないようだ。
安心すると変な汗が、一気に出てくる。
すると、美空が続けて話す。

「貴方を見ていると、何だか懐かしい気分になるんです。と言うよりも、大切な友人に似ていて・・・」
「・・・そうか」

美空の表情が次第に暗くなり、俯いた。
本当に勘が良いのか悪いのか・・・。
俺は目を逸らしそうになるが、逸らすと疑われそうだから、真っすぐ見つめ続ける。
大切な友人。その言葉、胸に鋭いナイフで抉られる感じがした。
もしも、我慢する力が無ければ、きっと正体を明かしていただろう。

「いやー!初対面の人に何言ってるんだろー!私は!」

そう言って、笑って誤魔化す彼女。
だが、俺は知っている。こういう時の、美空は無理している。
そんな姿に、痛ましく、思わず視線が下に向いてしまう。
長年の付き合いだからこそ、様々な思いがこみ上げてくる。
すると、何処かに向かおうとしている一樹が、奥で呼んでいる。

「おーい、美空ー、はよ行くぞー」
「あ、今行くよ!急に変なことを言って、ごめんなさい!ではこれで・・・」

その時だった。
何処からか、爆発音が聞こえた。
音の方向を見ると、いくつか黒い煙が上がっていて、不穏な空気が流れる。
あの場所は、西門の方だ。

「ま、まさか!?」

美空たちは、この状況を察したように、声を上げる。
すると、慌てた様子で、ファフニーが言う。

「主人!魔物の反応です!!」
「そうか、クレナは武器になってくれ、アイリス、ファフニー行くぞ。」

その掛け声で、同時に返事して、頷く。
すると、美空が止めてくる。

「まって、貴方たちだけだと危ないわ!私達も行く。」
「そうか、勝手にしてくれ。スピードアップは使えるか?俺は先に行くからな」
「ま、任せて!!」

すると、佐野が前にでて、【スピードアップ】を発動させる。
そして、俺は西門へと走り出した。

「は、速い・・・!一樹、佐野!あの人について行くわよ!」
「おう!」
「分かった!」

そういうと、美空は一樹と佐野を呼んで、後を追うように、走り出す。
ファフニーに案内される。道中の魔物をナイフで蹴散らしながら、突き進む。

「あの男の人・・・強い。何者なの」
「ああ、的確に急所を狙いながら、小さい魔物なら、確実に殺しているな。暗殺者か?それに周りの子も尋常じゃないぐらいに強い」

俺の後ろで、戦っている姿を見ながら、解説していく。
何者って言われたら、自分の友人なんて、思わないよな。
なんせ、村人なんだから。

そして、到着すると、衝撃的な光景が映っていた。
そこには、大量の魔物が沸いていた。およそ4,5千ぐらいだろうか。
遠くを見ても、果てない魔物の軍勢が、町中を混乱させる。
すると、美空達は驚いた様子で、言う。

「な、なに!この大量の魔物は!」
「な、なんで!?今まで数百体だったのが、なんでこんなにも・・・!」

門の方を見ると既に数人の人たちが、押し寄せてくる魔物を足止めをしていた。
よく見ると、見知った人たちが戦っていた。そう、クラスメイトだ。
そして、その後ろで、剣を振りながら、指揮をする御剣がいた。
御剣は、美空たちに気づき、近づいてくる。

「美空さんたち、来てくれたのか!・・・ところで、そちらの人は?」
「この人は、たまたま店でばったり会ったの。一緒に戦ってくれるから、付き合ってもらっているの」

御剣の青い瞳が、ジト目で見てくる。
何か、疑っているのだろうか?それとも、俺の正体に気づいたのだろうか?

「大丈夫ですか?一般人なら危ないとおもうのだが」
「大丈夫だ、戦える」

ただの心配だった。
すると後ろから他の勇者が叫んだ。

「御剣さん危ない!!」
「・・・!?」

御剣の後ろには数体の魔物が襲って来る。
反応に遅れたのが剣を抜くまでに時間がかかる。
だが、抜こうとしたときに、発砲音が聞こえ、魔物は絶命していた。
よく見ると、魔物の脳天には風穴が開いていた。

「な、なんだ!?」

御剣は振り向く。そこには、この世界に相応しくない異常な物。
銃を持っていた。美空は思わず反応してしまう。

「銃!?なぜこの世界に!?」
「それは後だ!魔物を止めるぞ!!」

俺は魔物群れに突っ込む。
ファフニーとアイリスは俺の動きに合わせて二人もついて行く。

「ファフニー!変身しないでも戦えるか?」
「主人!まかせておけー!!」

そうすると、ファフニーは大きく息を吸って、そのまま蒼い炎を魔物群れに向けて吐く。
ドラゴン状態と比べたら劣るが、それでも十分の威力だった。
蒼い炎は魔物を燃やし尽くし、蹂躙する。

「全てを焼却せよ!『黒焔の禍剣スルト』!」

アイリスは周りに赤い魔法陣が浮かび出る、そこから鮮血の大剣が出てくる。
大剣は赤と黒の炎が混ざり美しく煌めいた。

「ハァ・・・!!!『焔獄の渦(ヘイム・ヴォル)』!」

アイリスは魔物に向けて大剣を振る。
赤と黒の炎は渦を巻き次第に大きくなる、渦は巻き込き、巻き込まれた魔物は渦の中に焼却されていく。
勇者たちは、二人をみて、色々言う。

「なんだ!あの二人はむちゃくちゃ強いぞ!?」
「あの二人だけでも、行けるんじゃね!?」
「あの水色の子なんなんだ!可愛いじゃねぇかハァハァ!!」
「ばっか!銀髪の方がいいだろ!!ハァハァ」

何か変なの混ざっているが気にしないでおこう。
俺は、手榴弾片手に魔物に向って投げつける。
手榴弾は爆発し、瞬く間に魔物が減っていく。

「ちょ、ちょ!?手榴弾まであるの!?貴方何者なの!?」

美空は口をポカンと開けて、声を上げる。
まぁ、そんな反応をしてしまうのも無理もない。なんせこの世界は日本にあるような武器なんてないんだからな。
精々、この世界の武器は、火縄銃ぐらいだろう。

「それより、町にいる魔物を何とかしてくれ、こっちは何とかする。」
「わ、分かったわ!」

そう言って3人は町の魔物を討伐しに行く。
次に御剣が近づいて話す。

「僕も手伝わせてくれ!足手まといにはならないようにする!」

そう言って、御剣は剣を取り出す。

「勝手にしろ」

俺はそのまま魔物の群れに突っ込む。
御剣はその後ろについて行く。
俺は、ナイフを持って魔物の首を掻き切るように斬る。
苦しみにながら魔物は次々と倒れていく、するとしぶとい魔物が倒し損ねた魔物は、俺に攻撃しようとした。

「あぶない!」

御剣は魔物を一刀両断して切り捨て、血の付いた聖剣は、浄化され、白い花びらとなって、消える。
流石、勇者ってところだろうか。というよりも、あの時よりも、格段に強くなっている。
動きは無駄は無く、華やかだ。

「そういや、名前はまだ聞いてなかったな。なんていうんだい?」

俺達は魔物に囲まれた、お互いに背を預けるように剣とナイフを敵に向ける。
俺は御剣の問いに答える。

「名乗るほどでもないさ、」

単純に名前は思いつかなかった。

「そうか、じゃあまた今度教えてもらうことにするよ」

魔物が襲って来るが、御剣は切り捨てる。

「まぁ、いずれな」

俺は拳銃で魔物に向けて撃つ、魔物は一匹はパタリと動かなくなる。
魔物達は、仲間が殺されたのか興奮する、魔物の咆哮が飛び交う。
その瞬間、魔物は一斉に襲い掛かってくる。

「ジャッジメント!!!」

御剣は光の魔法だろうか?
空から光の柱が魔物に向って降り注ぐ。
見た感じ、大量の魔力を消費するだろうと思い丸薬を渡す。

「魔力がなくなったらこれを食っとけ」
「これはなんだ?」
「魔力回復の薬だ」

そう言って、御剣は丸薬を噛む。
すると、御剣は驚いた顔で俺に言う。

「すごいなこれ!魔力が完全に回復したぞ!?」
「ほら、手を動かせ」

俺は御剣に向けて撃つ、御剣は俺に向けて剣を振る。
互いの武器を向けた先には魔物がいた。
魔物は崩れ落ちた。

それから1時間ぐらいだろうか?
あれから戦って、魔物が減る様子が無かった。

「御剣、何か気づかないか?」
「あぁ、僕もおかしいと思う」
「「さっきよりも魔物が増えている」」

そう、さっきよりも魔物が増えているおかしい。
それどころか魔物が強くなってる。

「これじゃ、キリがないな・・・」

俺は苦虫を噛み潰したような顔になる。
さぁ、どうするか
すると、上から声が聞こえた。

「ご主人ー!!」
「ファフニー!」

ファフニーはドラゴンになってこっちに向っていたのだ。
そのまま、羽を羽ばたかせて、風圧で周りの、魔物を吹き飛ばした。
危うく、こっちも吹き飛ばされる所だった、もう少し加減できないだろうか?

「ド、ドラゴン!?」

すると、警戒したのか剣をファフニーに向けた。
俺は攻撃をやめるように説得する。

「まて、味方だ。安心してくれ」
「ちょっと待って。ドラゴンを味方にする、君は何者なの?」
「いぶくろをつかまれたのだー」
「胃袋!?ご飯に釣られて、仲間になったの!?」

そんな、鋭いツッコミをする御剣は、その言葉を聞いて、剣を下ろした。
剣を向けたことにファフニーに謝り、話を進める。

「どうしたんだ?ファフニー」
「主人!あっちの方から強大な魔力を感じました!」

すると、ファフニーは指を差す。
指を刺した方向を向くと、禍々しい魔力が充満していた。
おそらく、魔物が沸く原因がそこにあるだろう。

「わかった、、ファフニーありがとう」
「あと、アイリスさんが後でそちらに向かうそうです!」
「分かった、ファフニーは引き続き門を守ってくれ。」

ファフニーは頷いて、元の場所に戻るため飛びだった。というか、ドラゴンで町が混乱しないか、心配だが、今はこの状況を何とかしなければ。
再び、目を向けた先には進行してくる魔物の群れだった。

「やはり、倒すしかないか・・・」
「なら、一撃で全部を消せばいい!!」

そう言って、剣を構える。
剣は光り出し、魔力が凝縮されていくのが分かる。
そして・・・。

「放て!!『ラスト・カリバーン』!!」

剣を振り下ろし、凝縮した魔力は開放される。
開放した魔力は光となった、光は一直線に走らせ、魔物は次々と粒子となって消えていく。
光は消え、そこには道ができていた。
本当に、あの頃と比べて、御剣は大分強くなってるところが、人外じみている。
しかし、御剣は息を切らして地面に足をつける。
どうやら、魔力切れのようだ。

「大丈夫か?」

俺は丸薬を取り出して、御剣に渡した。
御剣は丸薬を受け取り、そのままかみ砕いた。

「すまない、助かる」
「ああ、これならあのまま真っすぐ行けそうだ。」
「そうか、役に立てて良かったです」

俺と御剣は出来た道を走る。
道中に出てくる、魔物の残党を倒しながら進んでいく。
進んで行くたびに禍々しいオーラが強くなっていく。
そして、丘を登り進んだ先には

「いた・・・」
「・・・!!?何ですかこの殺気は!?」

肌全体にピリピリと伝わってくるプレッシャー。
その先にいたのは、俺が知ってる人とかけ離れた状態だが、俺には分かる。

「月ノ城さん・・・」
「知っているのか?」

俺の呟きに反応して、御剣は問いかけてくる。

「あの人は俺の組織のリーダーだ。」
「なに!?」

「だが、なぜあぁなってしまったのかは分からないんだ。
それを解決するべく、今回は俺が派遣されたんだ。」

「組織?リーダー・・・?派遣?どういう事なんだ。」

御剣は混乱していた、いきなりの情報で混乱している。
だが、頭を掻いて、すぐにいつも通りに剣を構える。

「つまり、そいつを倒せば魔物が止まるんだな?」
「おそらくな」

そして俺達は強大な敵に前にして武器を構えたのだった。
御剣は言う。

「僕は・・・二度と後悔しない為に、そして二度とクラスメイトを失わせない為にここでお前を倒す」
「・・・ああ、そうだな」

黒杉は一歩前に出て、短刀を月ノ城を向ける。

「そうならない為に、貴方を救うの事を執行する。」

御剣は固い決意と俺はその意思を汲み取り立ち向かった。


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