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蝶の雪
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優しい手わず。「季節外れな奴だな…春はまだ先だぞ?せっかく助けたんだからもう引っ掛かるなよ」ヒラッ…嬉しくて君の優しい手が嬉しくて、笑顔に惹かれて会いに行こうと決めた。「ちょっと静かに!転入生です」「蝶野佐志です!よろしくお願いする!」「えーとせきはね…」(いた!)君に会いに来た。「塚原君!」「なんで名前…」「教えてもらった!塚原紀生君!」「…何?」「僕…紀生君に助けられてたら紀生君のこと好きで…だから会いに来た!」「…俺あと2年だが3年で死ぬよ?」「え…?」会いに来てみた彼は全然草生やさなくて不機嫌な顔をしてた。「…あーそれね…告った子女子みんなそれやられてる」「みんな?断るための嘘ってこと?」「だったらいいんだけどな…」「本当みたいだぜ。でも本当だからってあんな風に言われるとその後どう接していいか分からなくなるしな」「でも、塚原って言うのが…」「遠回りに近寄るなってことだよな!」そんなこと言われたって「紀生君!」「…蝶野」「あ!名前覚えてくれたんだ!」「しつこいから覚えた」「だって時間がないんだよ」「…時間?」「そう!僕は蝶々だから!今ここにいることが奇跡!」「…ふざけるな」「ふざけてない!」ガシッ「じゃあどっかおかしいんだな放せよ!」「放さない!」バッ…ユラ「…あれ?ほ…ほら!見て本物!!」「…なんか頭がグラグラしてきた…」「紀生君!?…大丈夫?」「平気」「保健室行った方がいいと思うけど?」「保健室嫌い」「…信じてくれた?」「あんなもの見せられたらそりゃ…」「さっきも言ったけどこの間紀生君が助けてくれたんだよ!」「恩返しでもしに来たのか?」「そうだよ!あ!草生やして!」「は?」「だっていっつもつまらなそうだから!だから…草生やして!」「…アホかお前は」「あ…あほ?」「お前の願い俺が叶えてどうするんだ」「あ…そっか」「この場合、蝶野が俺を笑わせようと頑張るんだろう」「うん!」(やったー喋ってくれてる!)「頑張る!僕、頑張る!」「分かったから」「紀生君!」「何!」「何か好きなものある?」色々知りてぇ「…冬、好きだけど」(好きなものは冬)「そっか!」「そっかってなんなんだよ?」…冬のどこが好きなんだろう?もっともっとたくさん知りてぇ!時間がないから…「や!」「…何?」「一緒に帰ろ~!」「…家なんかないくせに」「かわいそーでしょ?あっ!止めてくれる?」「バカか」「冗談だって!」「蝶野」「なぁにー?」「帰るんだろ?」「…え?」「…わあ!もしかして初めて誘ってくれた?」「…どうせ毎日無理やり帰るじゃないか。だったら…聞けよ!」「うわーい!わーい!嬉しいな!」「蝶野!帰るぞ!」「うん!雪だ~!どんどん降ってくるね!」「もっと積もれ~!」「なんでそんないつもバイブス高いの?」「蝶々には本能しかないからでーす!」「本能?」「生きると愛する、それだけでいっぱいで何でも楽しいし幸せ!とうっ!」「っ!?」「当たったあ!」「この…」「うわあ!?」「うらあっ!」「うわーっ!?」「…楽しくても幸せでもそんなの全部なくなる!全部消えるの怖くないのか?…だったら最初から何も持ってない方が…」楽しくても幸せでも終わりは来る「怖くなんかない!生まれた場所に還れる時に抱きしめられる思い出の方がこわたん!」ガクン「紀生君!?」「…俺にはない」「そんなの僕が作るよ!」「…俺が冬好きなのって何も感じないように心が凍ればいいって思ってたからなんだ…俺の体なんの病気って訳じゃなくてあちこちの器官が弱かったり壊れたりしてて…それって手術とかでどうなるもんでもなくてさ、風邪ひいたらそのまま何週間も寝込んだりちょっと動いたら今みたいにフラフラになったりするし…だんだんそういうのも多くなってて、そのうちこうやって普通に学校にも行けなくなったら、そしたらもう俺、一人ぼっちだなって思って…全部諦めたらすごく楽だって考えてた…だけどそうじゃないのかもな」初めて君の声を聞いたの。心の声…すごくうれしい「じゃーね!」クラリ…ガクン!「…しょーがないよ。季節外れだし」紀生君ごめん、僕もう…「…紀生君」「…ん…蝶野!?」「来たよ…お別れ言いにきた」「え…」「最初から分かってたことだけど…やっぱり悲しいね!でも…」「行くな!なんで草生やせるんだよ?せっかく会えたって意味ないとか思わないのか…?」「…ごめん、あんまり長く一緒にいられないの分かってたのに会いに来たりして…僕わがままだね、優しくないね…でも僕そうしか出来なかった」「分かってる…本能なんだろ?」「うん!大すこ!」生きてる間は恋しか出来ない本能「…塚原君お花好きなの?」「やー意外~!」「…いや花って言うか春が好きなんだ」ヒラッ…好き、愛してる、それは全て未来の思い出、抱き締めて春に還る
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