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第11章
奔走するインコ!(前編)
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翌日、飼い主の彼女はセキセイ女のグリ子の体調を心配しながら、仕事に出かけて行った。
飼い主が出かけたのを確認した私も行動を開始する。グリ子に何が何でも食べさせなければ、と思ったのだ。まずは状況を本鳥に確認するべきだろう。
かごを抜け出した私は、グリ子のかごに入って行った。いつもならやらない。気の強いセキセイ女が狭いかごの中にいれば、ケンカが勃発するだけだ。
今日は緊急事態なのだ。グリ子のかごに入ると中がポカポカしていた。飼い主の彼女がヒーターを入れたのだろう。グリ子は止まり木に止まる力もないのか、床でぐったりしていた。
「どうして食べないの? どこが痛いの?」
私が駆け寄ると、グリ子が小さくつぶやいた。
「……心……」
「へ? 心?」
聞き返すと、グリ子がうらみがましく身をよじった。
「あんた、ハル男と随分仲良いじゃないの?」
は? 唐突にハル男ガ出てくるのがわからない。しかし私が口をはさむ隙はなかった。
「私……、私……、ハル男が好きなのっ」
食べていないゆえ体力のないグリ子が渾身の力で声を絞り出した。しかし、この展開は……??
「あんたとハル男が楽しそうにおしゃべりしているのを見ているのがつらくって、悲しくって……餌ものど通らない……」
ちょっと待て。私は驚きのあまり点目になった。青天の霹靂だっ! 何考えているのだ、このインコ!
「ウソでしょ? 私とハル男に嫉妬してたってこと? だって、あんたハル男を追っかけまわして、いじめるにいいだけいじめていたじゃない?」
グリ子は私を悔しそうな目で見つめながらに言った。
「好きだから……いじめたくなっちゃうものじゃない? ハル男と仲良く話が出来るあんたに、私のつらさなんか わかんないわよっ!」
やつ当たりもいいとこである。
「お門違いじゃないの? ハル男がちょっかい出していたの、オカメのグレ子でしょうが」
そうなのだ、セキセイのハル男は同じかごで同居しているグレ子と「異常なほど」仲が良かった。飼い主も認識しているが、小さいセキセイのオスと図体のでかいオカメのメスが互いに好意を持っても、物理的に間違いは起こらないw。それがわかっているから、仲良し2羽の同居暮らしを飼い主はさせているのだ。
私の認識も同じだ。セキセイのハル男とオカメのグレ子の不毛なカップルごっこを生ぬるく見守っていたのだ。
私が言うと、グリ子はフンと鼻をならして
「グレ子? あんなの遊びに決まってるじゃないの。ハル男がオカメに本気になるわけないじゃない。不毛なお遊びなのだから」
フフン、とグリ子は鼻でせせら笑った。なるほど、そこは理解しているわけだ、と私がうなづいたのが気に入らなかったのか、グリ子が声のトーンをきつくして私に言った。
「でも あんたは違う、だって、あんたはセキセイなのよ。それなのに、恋敵のあんたが私を助けにくるなんて……」
ここまで言うとグリ子は絶句した。ついでに私も絶句した。
ハル男と恋仲だと、勘違いされたなんて! ハル男は鳥友だけど、恋鳥としての好みの許容範囲では断じてない‼
なんとか気を取り直すと、私は言った。
「とにかく、あんたは餌を食べなきゃ、元気になれないんだよ」
「でも食べたくなんかないんだってば……」
グリ子の体調不良の原因はとにかく判明した。私はグリ子のかごを抜け出すとハル男のかごに入って行った。
「事情はきいていたわよね?」
ドスをきかせて私はハル男に尋ねた。
「グリ子とグレ子、あんたはどっちとるの?」
ますますドスをきかせて私は詰め寄った。
「グ……グリ子……って言えばいい……の?」
オズオズとハル男が私を上目づかいで見返した。この男は! 優柔不断でどーしよーもない! そう思いつつも こういう男は、強引に手引きしちゃうのが得策である。私は命令した。
「それなら、すぐに餌を腹一杯食べろ!」
「はいっ」
ハル男は素直に餌箱に顔をつっこんだ。思考停止状態のハル男は自分がこれから何をやらされるのかまだわかっていない。
「ハル男は 私を捨てるの?」
オカメ女グレ子が背後でボソリとつぶやいた。私は一瞬背中がゾワ~ッとした。存在をすっかり忘れていたのだ。
「う……。あんたには申し訳ないけど……。セキセイとオカメじゃ、始めから無理なんだよ、あきらめなよ……」
捨てられた過去のある私は、グレ子の気持ちを考えると若干同情を禁じ得なかったが、きっぱり言いきった。どう考えても、セキセイとオカメのカップルには不毛な未来しかないのだから。
「そういうもんなの?」
グレ子は 視線を宙にさまよわせながら、ぼんやりつぶやいた。一瞬、こいつほんとに大丈夫か? と不安になったけど、今はグリ子の体調を戻すのが先決である。
元はといえば、このへなちょこ優柔不断男が全部悪いんじゃ! そう思うと 訳もわからず餌食べているハル男にムラムラ腹が立ってきて一発蹴りをいれずにはいられなかった。
ボカッ!
「い、痛いっ!何するん…」
ハル男の抗議の言葉は、途中で切れた。
「とっとと食べろっ!」
鬼の形相で私が吠えたからだ。
腹いっぱいに餌を食べ終わったハル男に
「じゃ 行くよ、ついてきて」
と声をかけた私は、よっこいしょとかごの扉を押し上げた。ハル男にかごの外に出るように促し、自分も続いて出る。
名付けて「愛のゲロゲロ作戦」である。ひねりのない作戦名なのはこの際見逃してくれ、ここの飼い主のインコの名前のつけ方のセンスよりはマシだと思う(断言)。
とにかく食欲のないインコには、吐き戻しの餌が一番効果的である。雛が成長するとき親鳥にもらう吐き戻しの餌だ。求愛の時にも吐き戻しをプレゼントするのは見られる行為だ。
ハル男が鏡になすり付けた吐き戻しを、ある時何気に拾って食べた私は稲妻が走ったような衝撃に全身がしびれた。カナリーシードよりもヒマワリよりも美味しいものがこの世にあったのか!
説明が長くなるが、ハル男が鏡に履き戻した餌をなすりつけたのは、鏡に写った自分の姿に求愛したゆえ、だ。このハル男の惚れっぽさは、呆れるほど軽すぎるのだ(怒)!
とりあえず、話を本題の戻す。グリ子の体調不良の原因が恋の悩みだと判明したわけで、それなら吐き戻しで食欲は戻ると私は考えたのだ。
始めは、手っ取り早く私がグリ子に、餌の吐き戻しをして、食べさせようか、とも思った。だが、実行すれば私のいんことしてのファースキスの相手がグリ子ということになってしまう。いくらなんでも、それでは私が哀れである。
ここはひとつ、ハル男にゲロゲロさせればいいのだと私は思いついた。恋するハル男の吐き戻しを、グリ子が拒絶するはずはないし、またグリ子への吐き戻しというはっきりした愛情表現によって、グリ子の私への勘違いな嫉妬も消滅するわけで一挙両得の名案である。
(つづく)
飼い主が出かけたのを確認した私も行動を開始する。グリ子に何が何でも食べさせなければ、と思ったのだ。まずは状況を本鳥に確認するべきだろう。
かごを抜け出した私は、グリ子のかごに入って行った。いつもならやらない。気の強いセキセイ女が狭いかごの中にいれば、ケンカが勃発するだけだ。
今日は緊急事態なのだ。グリ子のかごに入ると中がポカポカしていた。飼い主の彼女がヒーターを入れたのだろう。グリ子は止まり木に止まる力もないのか、床でぐったりしていた。
「どうして食べないの? どこが痛いの?」
私が駆け寄ると、グリ子が小さくつぶやいた。
「……心……」
「へ? 心?」
聞き返すと、グリ子がうらみがましく身をよじった。
「あんた、ハル男と随分仲良いじゃないの?」
は? 唐突にハル男ガ出てくるのがわからない。しかし私が口をはさむ隙はなかった。
「私……、私……、ハル男が好きなのっ」
食べていないゆえ体力のないグリ子が渾身の力で声を絞り出した。しかし、この展開は……??
「あんたとハル男が楽しそうにおしゃべりしているのを見ているのがつらくって、悲しくって……餌ものど通らない……」
ちょっと待て。私は驚きのあまり点目になった。青天の霹靂だっ! 何考えているのだ、このインコ!
「ウソでしょ? 私とハル男に嫉妬してたってこと? だって、あんたハル男を追っかけまわして、いじめるにいいだけいじめていたじゃない?」
グリ子は私を悔しそうな目で見つめながらに言った。
「好きだから……いじめたくなっちゃうものじゃない? ハル男と仲良く話が出来るあんたに、私のつらさなんか わかんないわよっ!」
やつ当たりもいいとこである。
「お門違いじゃないの? ハル男がちょっかい出していたの、オカメのグレ子でしょうが」
そうなのだ、セキセイのハル男は同じかごで同居しているグレ子と「異常なほど」仲が良かった。飼い主も認識しているが、小さいセキセイのオスと図体のでかいオカメのメスが互いに好意を持っても、物理的に間違いは起こらないw。それがわかっているから、仲良し2羽の同居暮らしを飼い主はさせているのだ。
私の認識も同じだ。セキセイのハル男とオカメのグレ子の不毛なカップルごっこを生ぬるく見守っていたのだ。
私が言うと、グリ子はフンと鼻をならして
「グレ子? あんなの遊びに決まってるじゃないの。ハル男がオカメに本気になるわけないじゃない。不毛なお遊びなのだから」
フフン、とグリ子は鼻でせせら笑った。なるほど、そこは理解しているわけだ、と私がうなづいたのが気に入らなかったのか、グリ子が声のトーンをきつくして私に言った。
「でも あんたは違う、だって、あんたはセキセイなのよ。それなのに、恋敵のあんたが私を助けにくるなんて……」
ここまで言うとグリ子は絶句した。ついでに私も絶句した。
ハル男と恋仲だと、勘違いされたなんて! ハル男は鳥友だけど、恋鳥としての好みの許容範囲では断じてない‼
なんとか気を取り直すと、私は言った。
「とにかく、あんたは餌を食べなきゃ、元気になれないんだよ」
「でも食べたくなんかないんだってば……」
グリ子の体調不良の原因はとにかく判明した。私はグリ子のかごを抜け出すとハル男のかごに入って行った。
「事情はきいていたわよね?」
ドスをきかせて私はハル男に尋ねた。
「グリ子とグレ子、あんたはどっちとるの?」
ますますドスをきかせて私は詰め寄った。
「グ……グリ子……って言えばいい……の?」
オズオズとハル男が私を上目づかいで見返した。この男は! 優柔不断でどーしよーもない! そう思いつつも こういう男は、強引に手引きしちゃうのが得策である。私は命令した。
「それなら、すぐに餌を腹一杯食べろ!」
「はいっ」
ハル男は素直に餌箱に顔をつっこんだ。思考停止状態のハル男は自分がこれから何をやらされるのかまだわかっていない。
「ハル男は 私を捨てるの?」
オカメ女グレ子が背後でボソリとつぶやいた。私は一瞬背中がゾワ~ッとした。存在をすっかり忘れていたのだ。
「う……。あんたには申し訳ないけど……。セキセイとオカメじゃ、始めから無理なんだよ、あきらめなよ……」
捨てられた過去のある私は、グレ子の気持ちを考えると若干同情を禁じ得なかったが、きっぱり言いきった。どう考えても、セキセイとオカメのカップルには不毛な未来しかないのだから。
「そういうもんなの?」
グレ子は 視線を宙にさまよわせながら、ぼんやりつぶやいた。一瞬、こいつほんとに大丈夫か? と不安になったけど、今はグリ子の体調を戻すのが先決である。
元はといえば、このへなちょこ優柔不断男が全部悪いんじゃ! そう思うと 訳もわからず餌食べているハル男にムラムラ腹が立ってきて一発蹴りをいれずにはいられなかった。
ボカッ!
「い、痛いっ!何するん…」
ハル男の抗議の言葉は、途中で切れた。
「とっとと食べろっ!」
鬼の形相で私が吠えたからだ。
腹いっぱいに餌を食べ終わったハル男に
「じゃ 行くよ、ついてきて」
と声をかけた私は、よっこいしょとかごの扉を押し上げた。ハル男にかごの外に出るように促し、自分も続いて出る。
名付けて「愛のゲロゲロ作戦」である。ひねりのない作戦名なのはこの際見逃してくれ、ここの飼い主のインコの名前のつけ方のセンスよりはマシだと思う(断言)。
とにかく食欲のないインコには、吐き戻しの餌が一番効果的である。雛が成長するとき親鳥にもらう吐き戻しの餌だ。求愛の時にも吐き戻しをプレゼントするのは見られる行為だ。
ハル男が鏡になすり付けた吐き戻しを、ある時何気に拾って食べた私は稲妻が走ったような衝撃に全身がしびれた。カナリーシードよりもヒマワリよりも美味しいものがこの世にあったのか!
説明が長くなるが、ハル男が鏡に履き戻した餌をなすりつけたのは、鏡に写った自分の姿に求愛したゆえ、だ。このハル男の惚れっぽさは、呆れるほど軽すぎるのだ(怒)!
とりあえず、話を本題の戻す。グリ子の体調不良の原因が恋の悩みだと判明したわけで、それなら吐き戻しで食欲は戻ると私は考えたのだ。
始めは、手っ取り早く私がグリ子に、餌の吐き戻しをして、食べさせようか、とも思った。だが、実行すれば私のいんことしてのファースキスの相手がグリ子ということになってしまう。いくらなんでも、それでは私が哀れである。
ここはひとつ、ハル男にゲロゲロさせればいいのだと私は思いついた。恋するハル男の吐き戻しを、グリ子が拒絶するはずはないし、またグリ子への吐き戻しというはっきりした愛情表現によって、グリ子の私への勘違いな嫉妬も消滅するわけで一挙両得の名案である。
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