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2020年03月
「#RTした人の小説を読みにいく」に参加した時の感想
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ツイッターで「#RTした人の小説を読みにいく」というタグがある。小説やブログを公開しているのだから、正直な気持ちは、そりゃあ読んでもらいたい。
ツイッターも、小説の宣伝のためやっている部分が大きいから「#RTした人の小説を読みにいく」を見つけたら、釣り下げられた竿の先にぱくっといきたくなるわけで。
でも、そうはいっても小心者なので、パクっと食いつく勇気もなかった。
小説垢の人は相互フォローが多い。フォローするとフォロバが返ってくることが普通だ。タイムラインに妙に気にかかるアカウントを見つけてフォローした。フォロバが返ってきて相互フォローになって、その垢の呟きを追い始めた。
初めて小説を書いたというツイートで、どんな話か非常に気になって読んでみた。ほんとに初めて書いたのだろうか?と私は感じた。才能を感じた。才能を感じる作品は驚くほどたくさんある。その中でも気になる作品だったのだ。
そのアカウントが「#RTした人の小説を読みにいく」をやると宣言した。私は応募しなかったが、募集への応募作品に対して、ツイッターでも投稿先にも感想を残す丁寧さだった。
そしてその感想自体が非常に興味深いものがあった。作品をきちんと読み込み咀嚼して感想と分析をしている。そのうえで読後に面白かった作品は褒めちぎっていた。
こういうアカウントの人なら応募したかったな、と思った。
そのアカウントが二回目の募集をしていたので、初めて応募した。このアカウントになら読まれてみたいと思ったからだ。一回目の募集で大変だったのだろう、二回目の募集では作品を応募の中から選ぶと宣言しての募集だった。選ばれたいような、選ばれたくないような複雑な気持ちだった。
読む作品が決まったというツイートに自分は入ってなかった。ほっとした。
やれやれと思いながら、そのアカウントの作品を、いいきっかけと思って読みに行った。一回目の募集の後、改稿したとツイートしていたのを覚えていたからだ。
読みに行って戦慄した。背中に冷や汗が流れたような感覚だった。すでに一回読んでいる作品だ。しかし、改稿したそれが、恐ろしいまでにブラッシュアップされているのがわかった。
「#RTした人の小説を読みにいく」で読んだ作品をむしゃむしゃ食い尽くしていると感じたのだ。それぐらい人の作品を吸収し全て栄養にしていると感じた。
この垢に読まれなくて良かったとさえ思った。改稿された作品を読んでほんとにそう思った。
ところが、私が戦慄している最中に、そのアカウントは選ばなかったのに私の作品を「食っていた」。
ツイッターで「今、読んでいる作品」とタイムラインに載っているのを見た時は、全然嬉しくなかった。作品がムシャムシャと咀嚼されているという感覚しかなかった。
その後、自分の小説に初めての感想が書かれた。作品をののしられたわけではない。きちんと読み込んで感想までくれたのだ。でも嬉しくはならなかった。自分の小説がその垢の栄養の一部になった感覚しかなかったからだ。
敗北感すらあった。栄養にされちゃった――それが「#RTした人の小説を読みにいく」に応募して読んでもらった感想だった。
今、これを書いているのは、その垢がつぶやかなくなって、そして作品も消えていたからだ。投稿サイトのアカウントは削除されているようだ。
一旦、小説づくりから遠ざかったのだろう。
そういう素振りはツイッターで感じていた。投稿サイトのアカウントを削除するとは思わなかったけれど。
いつか、あの垢の中の人は、創作に戻ってくると自分は思う。そして、経験や読んだ作品を全て養分にした作品をいつか、ネットか紙の本か知らないが、世に出してくるだろうと思う。話題になる作品を引っ提げて帰ってくるのじゃないかな。
あなたは絶対、戻ってくると私は思っているよ。戻ってきたら素直に嫉妬してやるよ!(もちろん、この文章は読まれないと思って書いている。止まっているようにみえるツイッターにも知らせない。 それでも何か伝わればいいと心の片隅で思っているのかな、ちょっと自分でもわかんないや)
ツイッターも、小説の宣伝のためやっている部分が大きいから「#RTした人の小説を読みにいく」を見つけたら、釣り下げられた竿の先にぱくっといきたくなるわけで。
でも、そうはいっても小心者なので、パクっと食いつく勇気もなかった。
小説垢の人は相互フォローが多い。フォローするとフォロバが返ってくることが普通だ。タイムラインに妙に気にかかるアカウントを見つけてフォローした。フォロバが返ってきて相互フォローになって、その垢の呟きを追い始めた。
初めて小説を書いたというツイートで、どんな話か非常に気になって読んでみた。ほんとに初めて書いたのだろうか?と私は感じた。才能を感じた。才能を感じる作品は驚くほどたくさんある。その中でも気になる作品だったのだ。
そのアカウントが「#RTした人の小説を読みにいく」をやると宣言した。私は応募しなかったが、募集への応募作品に対して、ツイッターでも投稿先にも感想を残す丁寧さだった。
そしてその感想自体が非常に興味深いものがあった。作品をきちんと読み込み咀嚼して感想と分析をしている。そのうえで読後に面白かった作品は褒めちぎっていた。
こういうアカウントの人なら応募したかったな、と思った。
そのアカウントが二回目の募集をしていたので、初めて応募した。このアカウントになら読まれてみたいと思ったからだ。一回目の募集で大変だったのだろう、二回目の募集では作品を応募の中から選ぶと宣言しての募集だった。選ばれたいような、選ばれたくないような複雑な気持ちだった。
読む作品が決まったというツイートに自分は入ってなかった。ほっとした。
やれやれと思いながら、そのアカウントの作品を、いいきっかけと思って読みに行った。一回目の募集の後、改稿したとツイートしていたのを覚えていたからだ。
読みに行って戦慄した。背中に冷や汗が流れたような感覚だった。すでに一回読んでいる作品だ。しかし、改稿したそれが、恐ろしいまでにブラッシュアップされているのがわかった。
「#RTした人の小説を読みにいく」で読んだ作品をむしゃむしゃ食い尽くしていると感じたのだ。それぐらい人の作品を吸収し全て栄養にしていると感じた。
この垢に読まれなくて良かったとさえ思った。改稿された作品を読んでほんとにそう思った。
ところが、私が戦慄している最中に、そのアカウントは選ばなかったのに私の作品を「食っていた」。
ツイッターで「今、読んでいる作品」とタイムラインに載っているのを見た時は、全然嬉しくなかった。作品がムシャムシャと咀嚼されているという感覚しかなかった。
その後、自分の小説に初めての感想が書かれた。作品をののしられたわけではない。きちんと読み込んで感想までくれたのだ。でも嬉しくはならなかった。自分の小説がその垢の栄養の一部になった感覚しかなかったからだ。
敗北感すらあった。栄養にされちゃった――それが「#RTした人の小説を読みにいく」に応募して読んでもらった感想だった。
今、これを書いているのは、その垢がつぶやかなくなって、そして作品も消えていたからだ。投稿サイトのアカウントは削除されているようだ。
一旦、小説づくりから遠ざかったのだろう。
そういう素振りはツイッターで感じていた。投稿サイトのアカウントを削除するとは思わなかったけれど。
いつか、あの垢の中の人は、創作に戻ってくると自分は思う。そして、経験や読んだ作品を全て養分にした作品をいつか、ネットか紙の本か知らないが、世に出してくるだろうと思う。話題になる作品を引っ提げて帰ってくるのじゃないかな。
あなたは絶対、戻ってくると私は思っているよ。戻ってきたら素直に嫉妬してやるよ!(もちろん、この文章は読まれないと思って書いている。止まっているようにみえるツイッターにも知らせない。 それでも何か伝わればいいと心の片隅で思っているのかな、ちょっと自分でもわかんないや)
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