まとめサイトの下請けライターをやって感じた闇など。

ぽんたしろお

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2019/07/29

まとめサイトの下請け「1記事4000~5000文字を1時間で作成するのは可能か?」(2020/10/23 改)

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 最初のクライアントAさんを始め、書ける人は書けるようだ、一時間で四~五千字。

 Aさんが
「一時間でさらっと作りました」
という文章を何度か読ませてもらったのだ。

 とても綺麗な文章で、文脈の齟齬もなければ、意味不明な部分もない。タイトルの対する回答もきちんと本文に練り込まれている『後半にだけどね』。

 しかし、今更ケチつける、まぁ犬の遠吠えだけど。
 さらっと書いたという記事を、読んだ次の日、覚えているかというと、まったく脳に残っていなかった。私の脳の老化劣化も一因であるのは否めないが、それだけではないと私は感じた。
 内容が薄いとはいえ、初めて知ったこともあって読んでいる時は、
「ふむふむ」
と思った部分もあった。でもね、読んだ画面を閉じたら全然覚えていないのだ。
 文章は整っているゆえ、サラサラ読めて、サラサラ通り抜けていく。なぁ~んにも残らない。そんな感じ。

 読みにくい文章も嫌だが、感情を一切隠した文章も頭に何も引っかからない。Aさんの文章を私は好きになれなかった。
完璧な作文ロボットと化している印象だった。

 ぶっちゃけ、人工知能が書く文章の方がまだ、変なクセがあってイラっとするだけ、読み手に印象が残るんじゃね? と思った。Aさんの文章は、人工知能が更に学んで行きつくゴールの文章という感じだった。

 えらそうなこと書いているが、この文章だって内容があるわけでもないし、あっと言う間に忘れられるだろう。何度も読み返してもらえる文章力でないことは承知しているし、読んでくれた人が明日覚えているかといえば、たぶん覚えていないだろうとは思うんだ。
 でもね、それでも言いたい。一時間で四~五千字書けてしまう人の文章には読み手に訴える行間が欠如していると。

 ちなみに、記事を量産するための方法を書いたサイト見つけたので読んでみた(具体的に書いているサイトは少ないので興味深く読んだw)。
 最終的に、有料指導するご案内になっているんだよなぁ。そんなこと有料指導でお金とれるんだ、と思ったことはおいておく。

 まとめサイトで求められる文章は「リライト」であること。他のサイトの文章を、意味を違えず、別の文章に置き換えることだ。
 発注者は、受注者の納品した記事をコピペチェッカーで確認する旨が、募集要項に書いてある。

 下請け経験した人ならわかるかもしれない。あ、やっぱりね。量産するには、こうなるわけだと思ってしまうのだ。

 話が寄り道になるが、コピペチェックをできるサイトというのがあって、下書きを納品したら、クライアントはそういうサイトでコピペチェックをする。同じ文章は著作権侵害になるからというのは、建前、グーグル検索さんがコピペと判断すると検索結果の上位に表示してくれないから、というのが本音だと思う。

 建前と本音がどうあれ、下請けにコピペ禁止を指示しているわけだから、受注側が作成した文章を、発注が記事をアップする前にコピペチェックするというのは、何も変でないと思うかもしれないが、それは違うと私は思う。

 私だって、他の記事を利用して下調べをすることに変わりなかったから、同じ穴のムジナではある。そうなのだが、私は文章は全部、自分で手打ちしていた。コピペチェッカーを使ったこともない。だってチェックする必要ないもの。
 クライアントから、コピペしていないか? と聞かれたこともない。当たり前だ、検索して調べて読んだ内容を一旦、自分の頭の中で整理して、自分の言葉として書いていたから。
 読んでいる人なら「ニュアンス」からここが似ているから「パクった」と感じることはあったはずだ。しかし、コピペチェッカーは、同じ字ずらが何パーセント一致しているかで判定する。
 私の頭を通過して文章にしたものが、そんな単純なコピペチェッカーでコピペ判断できるわけがない。私は自分の文章がコピペされないということに関しては自信を持っていた。
 そのかわり、手打ちで一時間に私は千文字ほどが限界だった。遅いのだよ。稼げねぇ……。

 量産記事を作成する方法に戻そう。
記事を量産しないとPVが稼げないのは、理解できる。グーグル検索さんは新しい記事を評価する。小説投稿サイトでも新着作品がトップページに表示される、まぁ同じことだと考えて差し支えない。古い記事はすぐに埋もれていく。ゆえに記事をどんどこ量産しなくちゃいけない。ライバルサイトも新着記事をどんどん上げていく、発注者のサイトも負けていられない。
 記事を量産しなければいけない、しかしコピペ記事はダメだ、そこまではいい。

 で、記事の作成スピードを上げる方法が書かれている記事の最後に「記事を書き終わったらコピペチェックする」と書いてあるわけだ。コピペ記事は駄目だと最初に釘を刺しておきながら、記事を作成した最後にコピペチェックをしましょうとは、どういうことか?
 要は、記事作成のスピードを上げ量産するための文章作成方法の「肝」は、コピペチェッカーに引っかからない程度に細かくしたコピペを、組み合わせパズルのようにつなげていくということなのだ。でないと一時間で四~五千字作成は無理。

 ちょっくらブラインドタッチの「まとめサイト」wを見たが、「日本語ワープロ試験」の一級が十分で七百語だそうな。文章書き写すのに十分で七百語、単純計算で一時間に四千二百字だ。
 ところが、一時間でリライトで文章作成しながら四~五千字可能ってのは――いろんな文章を細かく切り刻んでコピペのパズルをしているから可能な文字数ってこと。だから、最後にコピペチェッカーで確認しなきゃいけないのでしょ? 最終的にグーグル検索さんが同じ文章と認定しなければ、コピペでない、リライトだという判断。

 頭に残らない綺麗な文章というのは、コピペチェッカーに引っかからない程度まで分解して再構成した文章で、その文章と記事に何か意味はあるのかな? と私は疑問に思うのだ。
 グーグル検索さんに、コピペでないと判断させて、グーグル検索さんに評価してもらっている。それだけの文章ってことだ。


 2020/02/20 訂正
 小説を書く方に、一時間に頑張れば五千字書けるという方がいた。いないわけではないことに驚き。世の中、広いわと思った次第。
 ゼロから構築した自分の物語を一時間に五千字出力できる方に、上記の文章をあてはめているわけではないことを、記しておく。素直に敬意を表したい。
 上記の本文はコピペパズルの話であるので、完全に論点が違うことをご了承いただきたい。


(つづく)







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