まとめサイトの下請けライターをやって感じた闇など。

ぽんたしろお

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2019/10/10

ライティングをやめてから、クラウドソーシングの講習を受けてみた話(2020/10/25 改)

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 地方在住で、二年間まとめサイトの下書きをやったあげく、一文字0.1円以上の作業にありつけず、一端クラウドソーシングから離れた。
 そんなとき、住んでいた地方自治体で「クラウドソーシングという働き方講習」というのが実施されることを知った。
 
 自分が二年やって、エグい案件しかなかったという感想しかないその仕事を地方で展開しようとする意味を知りたくて講習に参加してみた。税金を使ってやる講習なので受講は無料だ。
 講習に参加した年齢はほぼ真っ二つという印象だった。
 育児中で在宅ワークでお金を稼ぎたいと思っている人、そしてもう一方は六十才前後の人だ。

 講習には、実際にライティングをしている人が体験談を話してくれた。
 出席者の一人が質問した。
「時給いくらになりますか?」
 体験談を話していた人が、うっと答えに詰まった。わかる、わかるよ。クラウドソーシングに「時給」という概念はない。やった分だけ報酬が入る、それだけだ。
 その仕事が納品完了になるまで、三十分だろうと八時間だろうとクライアントは関係ないのだ。納品された『文章』に報酬を支払うのみだから。
 時給を良くしたければ、短時間で仕事をこなす必要がある。基本、自分とクライアントの匙加減次第なのだ。

 報酬を稼ぎたいからライターをやるわけだから、案件を短時間に大量にこなせばいいということになるが、そのために、コピペが横行し、文字数稼ぐための意味のない「ですよね~~~~~」などの語尾が横行する。
 目に余る字数増しは、クライアントから突き返され、修正を求められる。当然、文字数稼ぎの意味のない文末削除と、足りなくなった文字数分の内容を付け足さなければならない。
 結果、時給換算は目も当てられない悲惨さになる。

 ということを、チャレンジしようとしている人に、どう伝えればいいのか? 答えに詰まるのはもっともなことだ、と私は思った。

 さて、この講習は実際のライティングを経験することも含まれていた。
実は、これが目当てで受講した。自分のライティングの何が初心者から脱却できないのか、具体的に知りたかったからだ。
 講師は大手クラウドソーシングサービス会社の社員『契約社員なのか正規社員なのかは知らない』だった。なるほど、地方での講習も収入の柱にしようとしているのだなと思った。

 蛇足になるが、この講習はクラウドソーシングサービスの会員登録をしてアンケートに答えると報酬がもらえた。アンケート案件というやつ。講習を受けてどうでしたか? みたいなアンケートで非常に簡単。そんな簡単なアンケートで五十円か百円もらえた。報酬としてはほんとに割がいい案件だ。
 でもなぁ。ここがミソ。出金は千円以上でないと出来ないのだ。つまり、このアンケートに答えただけでは出金に届かない。出金の期限は半年。
 地方自治体はアンケートに答えた分をしっかりクラウドソーシングサービス会社に支払う。でも出金の千円に届かない分は、有効期限を迎えるとクラウドソーシングサービス会社の利益になっていくという構図なのだ。税金だから、と思うとちょっと虚しさを覚えたのだな。

 話を戻して。ライティングの講師に質問した。文字単価を上げる、初心者を脱出するには何をすればいいのか? と。返ってきた答えは 結局のところ、自分が嫌で避けている美容系などの分野『私は、美容系は医療記事と紙一重だと思っている』を受注することだという答えが返ってきた。結局、テーマにこだわり責任を回避していたら、文字単価の低い案件しかない、何年たっても初心者だということだ。

 ただ、この講習は決して無駄ではなかった。
 一次情報の重要性を説いていたことだ。驚いたのは、ウイキペディアと大手メディアは一次情報とは呼べないということ。ウイキペディアは誰でも記事編集できるから、ということらしい。大手メディアに関しては判断が分かれそうだが、体感する信頼性の低下と重なって時代の流れを感じた。
 しかしなぁ……ウイキペディアを一次情報源にできないとなると、下調べに慎重を期そうとしたら、時給はますます下がるばかりなり……。

 そして、同時に思う。情報収集には一次情報が大事と説くことは、作成した記事は全部信ぴょう性のない記事であるよということなのだ。結局、慎重に記事を作成したところで、それは当然だが信用できない記事をネットに上げることになるだけなのだ。
 どんなに真摯に書いても記名のない下書きの文章は、信ぴょう性のない記事作成であることに変わりはない。
 ライターの下請け案件で書いた文章って、誰の得になるのだろう? 講習を受けて、私はますます続けるのは無理だなと思った。


 こんな私に需要ありますか? いや、ねぇよ。

(つづく)
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