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四話 成長の第一歩
五
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「こんにちは」
「こんにちは。よろしくお願いします」
「お願いしまーす」
「……っ」
緊張して言葉が出ず、ただ思い切り深くお辞儀した。
獣医は四十代の恰幅の良い男性で、ココロを見るなりにこにこと笑みを浮かべている。
「ちゃんとお辞儀してえらいね」
一歩近づいて来られただけだが恥ずかしさが勝ってしまった。伯父の後ろに隠れて顔や体を半分だけ覗かせている。
その様子に医者は気を悪くするわけでもなく、慣れているようで気にしていない。問診票に一通り目を通してデスクに置いた。
「えーではクックちゃんを診させて頂きますね。脚を診ますのでこちらの診察台に乗せてください」
部屋の中央にある大型犬も乗れそうな診察台に、伯母がクックを持ち上げて乗せる。
おとなしくしていたクックだったが、獣医を見た途端に翼を羽ばたかせ、鳴いて威嚇する。
「ピィピョッ! ピョヨヨッ!」
「ははは、大丈夫だよ~。よーしよしよし」
クックの前に人差し指を近づけるとくちばしで挟まれる。しかし手袋をしているからか痛そうな反応はしていない。わざとくわえさせて気をそちらに逸らしている内に脚を触診する。
「どうですか」
「これは成長痛ですね」
「「え」」
伯父と伯母の息がぴったり合う。傷は無く、ただ少し捻ってしまっただけだろうと考えていたが、まさかの成長痛と聞いて二人は唖然とする。鳥に成長痛があったことにも驚きである。
「成長して身体が大きくなり脚が体を支えられていないのでしょう。多少捻ってしまったような反応もしてますが、適切な食事療法と運動をすれば問題ないですよ。二、三日は休ませて、それから運動を開始して十分な筋肉をつけてください」
「あし、だいじょうぶなの……?」
「大丈夫だよ」
「よかった……」
朝見た時は、自分のせいでケガをさせてしまった、歩けなくなったらどうしようと不安でいっぱいだった。けれど獣医が大丈夫と言うのだからこれ以上の安心する言葉はきっと無いだろう。
「お嬢ちゃん」
「なに?」
「お嬢ちゃんがクックちゃんの主なんだよね?」
「うん。……は、はい。えっと、ママとパパがそうだっておしえてくれたの」
「そうなんだね。クックちゃんを守ってあげてね」
「まもるの?」
「そうだよ。主は色んなことからピヨを守ってあげられるんだ。そうすればきっと信頼関係を築くことが出来る。ピヨにとって主はとても大切な人だから、主の言うことはしっかり聞こうとするし、お嬢ちゃんを守ろうとしてくれる。だからお嬢ちゃんもクックちゃんを大切にしてあげるんだよ。出来るかな?」
「……はい!」
獣医の問い掛けに大きく頷いて返事をする。
主がなんなのか正直よく分かっていなかった。今、説明をされても分かることは少なかったが、ピヨを守り、ピヨに守られる、互いに大切な存在だということは理解した。分からないことだらけな自分でも何かをしてやれる、それが分かっただけでも自信がついてくる。
「こんにちは。よろしくお願いします」
「お願いしまーす」
「……っ」
緊張して言葉が出ず、ただ思い切り深くお辞儀した。
獣医は四十代の恰幅の良い男性で、ココロを見るなりにこにこと笑みを浮かべている。
「ちゃんとお辞儀してえらいね」
一歩近づいて来られただけだが恥ずかしさが勝ってしまった。伯父の後ろに隠れて顔や体を半分だけ覗かせている。
その様子に医者は気を悪くするわけでもなく、慣れているようで気にしていない。問診票に一通り目を通してデスクに置いた。
「えーではクックちゃんを診させて頂きますね。脚を診ますのでこちらの診察台に乗せてください」
部屋の中央にある大型犬も乗れそうな診察台に、伯母がクックを持ち上げて乗せる。
おとなしくしていたクックだったが、獣医を見た途端に翼を羽ばたかせ、鳴いて威嚇する。
「ピィピョッ! ピョヨヨッ!」
「ははは、大丈夫だよ~。よーしよしよし」
クックの前に人差し指を近づけるとくちばしで挟まれる。しかし手袋をしているからか痛そうな反応はしていない。わざとくわえさせて気をそちらに逸らしている内に脚を触診する。
「どうですか」
「これは成長痛ですね」
「「え」」
伯父と伯母の息がぴったり合う。傷は無く、ただ少し捻ってしまっただけだろうと考えていたが、まさかの成長痛と聞いて二人は唖然とする。鳥に成長痛があったことにも驚きである。
「成長して身体が大きくなり脚が体を支えられていないのでしょう。多少捻ってしまったような反応もしてますが、適切な食事療法と運動をすれば問題ないですよ。二、三日は休ませて、それから運動を開始して十分な筋肉をつけてください」
「あし、だいじょうぶなの……?」
「大丈夫だよ」
「よかった……」
朝見た時は、自分のせいでケガをさせてしまった、歩けなくなったらどうしようと不安でいっぱいだった。けれど獣医が大丈夫と言うのだからこれ以上の安心する言葉はきっと無いだろう。
「お嬢ちゃん」
「なに?」
「お嬢ちゃんがクックちゃんの主なんだよね?」
「うん。……は、はい。えっと、ママとパパがそうだっておしえてくれたの」
「そうなんだね。クックちゃんを守ってあげてね」
「まもるの?」
「そうだよ。主は色んなことからピヨを守ってあげられるんだ。そうすればきっと信頼関係を築くことが出来る。ピヨにとって主はとても大切な人だから、主の言うことはしっかり聞こうとするし、お嬢ちゃんを守ろうとしてくれる。だからお嬢ちゃんもクックちゃんを大切にしてあげるんだよ。出来るかな?」
「……はい!」
獣医の問い掛けに大きく頷いて返事をする。
主がなんなのか正直よく分かっていなかった。今、説明をされても分かることは少なかったが、ピヨを守り、ピヨに守られる、互いに大切な存在だということは理解した。分からないことだらけな自分でも何かをしてやれる、それが分かっただけでも自信がついてくる。
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