超進化ペット!ピヨ 改訂版

朝陽ヨル(月嶺)

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九話 進化

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「もっと私達にしか分からないことか、秘密でも知っていればな」
「秘密とは、私シカ知ラナイコトデスカ?」
「そうだな」 

 腕を組み俯いてやや体を屈ませて考える素振りをするクック。そして何かを思い付いたのか顔を上げる。 

「皆サン、私に与エル食事にソレゾレ違ウ工夫をシテイマシタ。コレは秘密にナリマスカ?」
「通常のピヨのエサ以外を与えていたならそうなるかもしれないな」
「オジイチャン、名前はナンデスカ?」
「私は憲造だ」
「デハ憲造。アナタは豆類を多ク入レテクレマス。枝豆、大豆、オヤツには小豆、粉餌にはミソスープをカケテイマシタ」 

 クックの回答を聞いた祖父は勿論、伯父伯母も驚いた様子だ。 

「亜希子は野菜中心で栄養バランスが良ク、手作リの芋粥を作ッテクレマス。ドレモ必ズゴマが振リカケラレテイマスネ」
「亜希子ちゃんクックにもゴマ押しつけてたの?」
「人聞き悪いわね。ゴマは栄養豊富なんだから別にいいじゃない」
「亮一は…………ナンデシタッケ? 亜鉛? アミノ酸? プロテインとクレア……」
「アーッアーッアァーッ!! シィーッ!!」 

 突然大声を上げた亮一。手をブンブンとクックの前で振り、これ以上は話すなと口の前で人差し指を立てている。 

「どうして遮るのよ。というかプロテインとか亜鉛って言わなかった?」
「いやっ! 別に? なーんも隠してないデスヨー」 

 語尾が片言になり目が泳ぐ伯父は隠し事が下手で嘘が明白である。 

「お、俺は信じる! 三人の餌やり知ってるとか本人しか分からないって! 本人っていうか本トリ? しか分からないことだろ!」
「そうかもしれないけれど……」
「俄には信じ難いが、何よりココロがクックだと信じているんだ。なあ、ココロ?」
「そうだよ。クックさん信じてる」
「あ……!」 

 伯母の手から離れてクックに抱きついた。
 抱きつかれたクックもそっとココロの肩を抱く。
 そんなココロとクックを見て呆気にとられた伯母は観念して短く息を吐いた。 

「……わかったわよ。完全には信用出来ないけれど、貴方がクックだって思っとくわ」
「伯母さん……!」
「それとねココロちゃん、私は怒ってるのよ。出掛ける時にメモを残さないし、門限は守らないし」
「あ……うん……」
「咲掛さんの所に電話したり、色んな所を捜し回ったんだからね」
「ごめん、なさい……」 

 グゥ~キュルル 

「あー腹減ったー! 見つかったわけだし飯にしようぜーもう我慢できねー」 

 伯父の正直な腹の虫の音。
 間抜けた音に拍子抜けし、伯母と伯父はリビングへ向かっていった。
 元気に残った祖父はココロとクックを見比べ微笑んでいる。 

「皆、お前達を心配したんだぞ。だから亜希子さんは真剣になって怒るんだ。それは分かるな?」
「…………うん」
「ママとパパには明日にでも電話してみるか」
「いいの?」
「海外に行ったのは向こうの都合だ。ココロの都合だって考えてやらないとな」 

 祖父に魔法の言葉をかけられて、気持ちが軽くなってくる。振り返ってクックを見てココロは顔を綻ばせた。 

「良カッタデスネ、主」
「うん!」
「じゃあ手を洗って亜希子さんの手伝いをしてあげなさい。きっと喜んでくれるから」
「はい!」
「私も手伝イマス」
「「え?」」 

 クックの言葉にココロも祖父もキョトンとしてしまう。
 まさかなと思いあまり触れはしなかったのだが、家に上がってからのクックの行動には太郎丸以外の家族全員が度肝を抜かれることとなる。
 料理の手伝いや洗濯物畳みなどの家事を行ったり、当然と言えば当然なのだが太郎丸と会話していたことなど。
 太郎丸の話を通訳すると『今日は雌のピヨとデートして良い気分だった』と。会館でのことを祖父は思い出して、本当に太郎丸と話せるのだなと驚くばかりだった。
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