超進化ペット!ピヨ 改訂版

朝陽ヨル(月嶺)

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十ニ話 フェイス トゥ フェイス

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 夏祭りの翌日。夏菜はボストンバッグに荷を詰めて帰り支度を済ませていた。玄関ドアの前で両親以外の家族に見送られる。 

「太郎丸、元気でね」
「コケッ」
「帰り気をつけるんだぞ」
「はーい。おじいちゃんもぎっくり腰またならないようにね」
「ああ、気をつけるよ」
「ナッちゃん、もう行っちゃうの?」 

 ココロは名残惜しく感じていた。今よりもっと幼い頃に遊んでくれた姉のような存在と久々に会えたのに、一週間も経たずに別れることになるなんて思っていなかった。両親と別れる時のように辛く、悲しくて眉尻を下げる。 

「夏休みもう終わり?」
「ううん、夏休みはまだあるけどバイトがね。学費とかのお金稼がなくちゃ! ……でも、ココロちゃんがいるって知ってたらもっと休み入れてもらったのになあ。クックさんっていう珍しいピヨにも会えたし」
「クァ~……。イツ、次、会エルデスカ?」
「次は冬休みかな。またすぐに会えるよ。だからそんな悲しい顔しないで」
「…………うん」 

 夏菜に抱きしめられて、その優しさにふと母親の温もりを思い出して安心する。別れるのは悲しいけれど、また戻ってきてくれると確信出来る。だからそんなに辛くはない。 

「クックさん」
「クェ?」 

 ココロから離れると次はクックを抱きしめた。そして堪えきれず盛大に笑う。 

「ふふふっ、あははははは! クックさんの体ヤバッ! なんかどこもかしこも大きくてカッチカチでさー。でも下はふわふわしてて、なんか安心して頼りに出来そう。クックさん、ココロちゃんをお願いね」
「ハイ。ワタシは主を守リマス」 

 心強い言葉だ。雛や小雛の時はココロがクックを守ると言っていたのに。今だってココロはそのつもりだ。今もクックを守ろうと思っている。
 それはクックも同じでココロを守りたいと思っている。進化してからではない。産まれてからずっと考えていること。 

「……じゃあ、またね」
「またな。いってらっしゃい」
「……またね、いってらっしゃい」 

 朝はやっぱり苦手。『いってらっしゃい』と言って別れてしまうから。けれどまた会えるからと、寂しい気持ちをぐっと堪えて、手を振って離れていく夏菜にココロは手を振り返した。
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