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気持ちを自覚してから
新たな幕開け 四
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ガルマティンとの話が終わりカーターと合流すると大使館へ戻る。そこで仕事は終了となった。初日の勤務時間としては長めだったが、超過分の給料が出る為、気に留めない。
直帰しても良かったが、そのままある人を訪ねることにした。電車を乗り継ぎやって来たのは世話になった下宿屋。
「いらっしゃいませ……はあっ! アレッシュさんじゃない!」
中に入ると見慣れたカウンターと女将。
アレッシュに気付いた女将は慌ててカウンターから出てきた。
「まあまあまあっ、お帰りなさい。こんな上等な服を着て、お役人さんにでもなったの?」
「大使館に勤めることになりまして。せっかくですから顔見せついでに仕事着を披露しに来ました。ここの経営は順調ですか」
「貴方みたいな長期のお客さんはいないけれど、日泊まりでぼちぼちお客さんはいるわ。あっ、あと息子が帰ってきたのよ。出稼ぎに行ってた息子が」
「ほお。それは良かった」
「下宿屋だけじゃ生計立てられないからって近くで仕事しているけれど、休みの日には宿の修繕なんかしてくれて助かってるの」
「そうですか。じゃあもう心配ないですね」
「ええ、ええ。貴方も息子みたいなものよ。年齢で言ったら孫かしら、ほほほ。だからいつでもいらっしゃい。今日は泊まる所あるの?」
「職員用に貸し出してる所が。まだ荷解きもしなくちゃならないので、また落ち着いたら寄ってもいいですか」
「もちろんよ。またいらっしゃい。その時は息子も紹介するわね」
「是非。では今日のところはこれで」
「来てくれてありがとうね」
女将に別れを告げて下宿屋から出る。それから駅に向かいながら胸ポケットを探った。
ーーそういやさっきなんか入れてたよな
ラーがタイを直した際に何かを胸ポケットに差し入れていた。それを今思い出したのだ。出てきたものは小さく折り畳んだ紙ナプキンで、開いてみると『あとで使いをよこす』と書かれている。
ーーヤベー……絶対待たせてる。もしかしたら帰ってるんじゃねえか?
カーターとガルマティンが話し合うことは知っていたはず。それから帰る時間を考えて使いをよこした場合、一時間は最低でも待たせることになる。
なるべく急いで帰り家に到着すると、スウードが扉の前に立っていた。ラーの側近で運転手も務めていた人物。
「アレッシュ様、お待ちしておりました」
「すまない、待たせたな」
「いいえ。時間ぴったりでございます。ラー様より一時間遅れて向かうようにとお達しでしたので」
「そうなのか。いらん心配したな」
「はい。ではこちらをどうぞ。中身を確認し直ぐに返事をお願いします」
スウードから手紙を受け取り中を確認する。
『これからはこのスウードを使いとしてよこす。他の使いが来たとしたら偽物だと疑え。今晩二十三時、迎賓館○○の間にて待つ』
「如何でしょうか」
「確認した。時間通り向かうと伝えてくれ」
「承知致しました。予定時刻三十分前になりましたらお迎えに上がります」
「了解」
「では失礼致します」
手を合わせて恭しくお辞儀をしてから去っていくスウード。
その姿を見送り、時間を確認して家に入る。予定時刻までに準備を始める。
スウードが車で迎えにやって来て迎賓館に入った。本来国賓などの賓客をもてなし、宿泊する用途もある施設だ。
ーーどこもかしこもギラギラしてるな、こういう客をもてなす館ってのは。やっぱ前に提案された時に断っといて正解だったな
時刻は予定通り二十三時に紫燕の間へ通される。
「なあスウード……だっけ。俺とラー様については」
「存じ上げております。こちらをどうぞ」
返答は聞けず、紫燕の間に入らないスウードから、指定された部屋のルームキーを渡された。真っ先にその指定された部屋を解錠し中へ足を踏み入れる。
いたのはバスローブ姿でいかにもシャワーを浴びたばかりのラーがソファに腰かけていた。
「やっと来たか。待ちくたびれたぞ」
「予定時刻通りだぜ?」
「私の体感では遅く感じた」
「それほど早く俺に会いたかったって?」
「まあな」
こうもあっさり肯定されると調子が狂う。随分と素直になったものだ。ソファの隣に腰掛けて話を聞く。
「パーティーは退屈だった」
「主催者が何言ってんだよ」
「主催者は妻たちだ。私は座ってやってくる者たちの話を聞いていただけだ」
「ふうん」
ーーだから二人とも出席していたのか
「祝いは私の誕生ではなく、王の誕生だ。毎年恒例行事でうんざりする。国の祝日なのだから皆休めばいいものを」
「まあまあ。街中は休日ムードで盛り上がってたよ。そりゃあ百人いて百人がアンタを祝ってるわけじゃないかもしれないし、社交辞令で訪問してきたヤツもいるかもしれねえけど、ちゃんと中にはアンタを祝ってる人もいただろ。ガルマティンなんかスゲー心配してたぜ」
「ガルマティンが何を心配するというんだ」
「アンタが我が儘に育っちまったなって」
「くだらんことを」
「でもよくやってるってよ。ガルマティンはアンタの育ての親みたいなもんなんだろ?」
「親同然ではあるが、部下でもある。特別視はしていない」
「へえ。なんか子供の頃に思い入れでもあるのかと思った」
「あやつにはあるのかもな。私は幼少時、身体が小さく弱かった。身体を鍛えるのも、勉学も、ガルマティンから多くを学んだ。それだけだ」
「それだけって……ちゃんと感謝しといた方がいいぜ」
「やけにガルマティンの肩を持つな」
「見た目のわりに義理堅そうないい性格してたからな」
「お前が思うよりも私はガルマティンを高く評価し感謝している。お前が気にすることではない。それより」
ぐいっと力強く上衣を引っ張られ、鋭い眼光を向けながら見つめてくる。
「気持ちは変わったか」
「はい?」
「『次会った時、気持ちが変わってなければ言ってやる』とお前は言った」
この手の話題になると言葉が詰まる。ものすごくむず痒く言いづらい。
「どうせ分かってるだろ。こうやって来たんだから」
「お前の口から聞きたい」
「男は言葉より行動で示すもんなんだよ」
「男以前に人間は表現力を有する。表情や言葉を駆使し行動するものだ。お前にはそれが欠けている」
「多くは語らねえの」
「多くはない。ただの一言だ」
「「…………」」
アレッシュは分かっている。ラーは前から素直で、素直じゃないのは自分だと。これじゃ前と何も変わらない。
「なあ、関係をハッキリさせる必要あるか?」
「これは私たちの関係に名を付ける行為ではない。儀式でも義務でもない。ただ私は安心したいだけだ。強制することではないことは分かっている。だが……私とて不安がないわけじゃない」
ラーの声音が弱々しい。言葉の通り不安を抱えているのかもしれない。
アレッシュの問いかけはラーにではなく自分に対してだった。関係をハッキリさせる必要はない。友人、恋人、愛人、そんな名はどうだっていい。一緒にいたい、傍にいたいという気持ちは嘘じゃない。相手に気持ちを伝えることをした方がいいと言うくせに、照れくさいからと自分が逃げてはあまりにも格好悪い。
「マニス」
ラーの肩を掴み目を合わせる。いやに緊張して掴む手に力が入り脈も速い。今までにないくらいの緊張感に固唾を呑んで数秒後、やっと口を開く。
「……俺は……またアンタに会う為にスゲー勉強した。会うだけじゃ意味がねえ。アンタの傍に相応しい、そういう資格が欲しかった。……アンタを愛してるからな」
言い切っておかしな汗が吹き出してくる。それでも目は逸らさずいたら、ラーが目を閉じて笑い、ぐいぐいと肩に頭を寄せてくる。分かりやすく嬉しそうだ。
「お前の言葉には力がある。愛の囁きも、誕生日の祝言も、私を喜ばせるのに十分だ」
「そ、そうかよっ」
「それで、行動で示すと言ったな。愛情を分かりやすく伝えられる行動はやはり口へのキスだと思うのだが」
「待て。それとこれとは話が別だ」
「やっと言ったのだ。ついでにキスも済ませてしまえば全て丸く収まる」
「急に雑だな!?」
「私がしおらしくすれば、お前は罪悪感か正義感で促されると考えた。フム、上手くいって良かったな」
ーーコイツ……しれっと言いやがって!
「口にキスしたくない理由はなんだ。明確に言ってみろ」
「ああ? そんなの…………アンタの妻たちに遠慮してんだよ。つーかなんでキスにこだわるんだよ」
「そんな単純なこともわからないのか?」
「わからん」
「その行為が好きだからだ」
「本当に単純な理由だな……」
「ハア、まあいい。お前の言葉が聞けてスッキリした。一歩前進だな。キスはまたの機会に期待する」
「そうかよ。期待に応えられるとは限らないからな。しない理由も言っただろ」
「妻たち以外にもしていることだ。大した理由ではなかった」
「おい」
「今日はもういい。それよりこれからのことだ」
アレッシュはまだ心臓がドキドキしているというのに、ラーは切り替えが早い。
「明日はここのゲストと食事会がある。私はもてなす為に今日ここに泊まる。あと数時間、再会の喜びを分かち語り合うか。それとも久々にまぐわうかどちらが良い」
「それ、俺に選択権あるか?」
「こういうことは互いの同意の下行われるものだろう?」
そう言いながらラーはソファから立ち上がりベッドへ移動していく。
アレッシュは期待を膨らませながら後をついていった。
直帰しても良かったが、そのままある人を訪ねることにした。電車を乗り継ぎやって来たのは世話になった下宿屋。
「いらっしゃいませ……はあっ! アレッシュさんじゃない!」
中に入ると見慣れたカウンターと女将。
アレッシュに気付いた女将は慌ててカウンターから出てきた。
「まあまあまあっ、お帰りなさい。こんな上等な服を着て、お役人さんにでもなったの?」
「大使館に勤めることになりまして。せっかくですから顔見せついでに仕事着を披露しに来ました。ここの経営は順調ですか」
「貴方みたいな長期のお客さんはいないけれど、日泊まりでぼちぼちお客さんはいるわ。あっ、あと息子が帰ってきたのよ。出稼ぎに行ってた息子が」
「ほお。それは良かった」
「下宿屋だけじゃ生計立てられないからって近くで仕事しているけれど、休みの日には宿の修繕なんかしてくれて助かってるの」
「そうですか。じゃあもう心配ないですね」
「ええ、ええ。貴方も息子みたいなものよ。年齢で言ったら孫かしら、ほほほ。だからいつでもいらっしゃい。今日は泊まる所あるの?」
「職員用に貸し出してる所が。まだ荷解きもしなくちゃならないので、また落ち着いたら寄ってもいいですか」
「もちろんよ。またいらっしゃい。その時は息子も紹介するわね」
「是非。では今日のところはこれで」
「来てくれてありがとうね」
女将に別れを告げて下宿屋から出る。それから駅に向かいながら胸ポケットを探った。
ーーそういやさっきなんか入れてたよな
ラーがタイを直した際に何かを胸ポケットに差し入れていた。それを今思い出したのだ。出てきたものは小さく折り畳んだ紙ナプキンで、開いてみると『あとで使いをよこす』と書かれている。
ーーヤベー……絶対待たせてる。もしかしたら帰ってるんじゃねえか?
カーターとガルマティンが話し合うことは知っていたはず。それから帰る時間を考えて使いをよこした場合、一時間は最低でも待たせることになる。
なるべく急いで帰り家に到着すると、スウードが扉の前に立っていた。ラーの側近で運転手も務めていた人物。
「アレッシュ様、お待ちしておりました」
「すまない、待たせたな」
「いいえ。時間ぴったりでございます。ラー様より一時間遅れて向かうようにとお達しでしたので」
「そうなのか。いらん心配したな」
「はい。ではこちらをどうぞ。中身を確認し直ぐに返事をお願いします」
スウードから手紙を受け取り中を確認する。
『これからはこのスウードを使いとしてよこす。他の使いが来たとしたら偽物だと疑え。今晩二十三時、迎賓館○○の間にて待つ』
「如何でしょうか」
「確認した。時間通り向かうと伝えてくれ」
「承知致しました。予定時刻三十分前になりましたらお迎えに上がります」
「了解」
「では失礼致します」
手を合わせて恭しくお辞儀をしてから去っていくスウード。
その姿を見送り、時間を確認して家に入る。予定時刻までに準備を始める。
スウードが車で迎えにやって来て迎賓館に入った。本来国賓などの賓客をもてなし、宿泊する用途もある施設だ。
ーーどこもかしこもギラギラしてるな、こういう客をもてなす館ってのは。やっぱ前に提案された時に断っといて正解だったな
時刻は予定通り二十三時に紫燕の間へ通される。
「なあスウード……だっけ。俺とラー様については」
「存じ上げております。こちらをどうぞ」
返答は聞けず、紫燕の間に入らないスウードから、指定された部屋のルームキーを渡された。真っ先にその指定された部屋を解錠し中へ足を踏み入れる。
いたのはバスローブ姿でいかにもシャワーを浴びたばかりのラーがソファに腰かけていた。
「やっと来たか。待ちくたびれたぞ」
「予定時刻通りだぜ?」
「私の体感では遅く感じた」
「それほど早く俺に会いたかったって?」
「まあな」
こうもあっさり肯定されると調子が狂う。随分と素直になったものだ。ソファの隣に腰掛けて話を聞く。
「パーティーは退屈だった」
「主催者が何言ってんだよ」
「主催者は妻たちだ。私は座ってやってくる者たちの話を聞いていただけだ」
「ふうん」
ーーだから二人とも出席していたのか
「祝いは私の誕生ではなく、王の誕生だ。毎年恒例行事でうんざりする。国の祝日なのだから皆休めばいいものを」
「まあまあ。街中は休日ムードで盛り上がってたよ。そりゃあ百人いて百人がアンタを祝ってるわけじゃないかもしれないし、社交辞令で訪問してきたヤツもいるかもしれねえけど、ちゃんと中にはアンタを祝ってる人もいただろ。ガルマティンなんかスゲー心配してたぜ」
「ガルマティンが何を心配するというんだ」
「アンタが我が儘に育っちまったなって」
「くだらんことを」
「でもよくやってるってよ。ガルマティンはアンタの育ての親みたいなもんなんだろ?」
「親同然ではあるが、部下でもある。特別視はしていない」
「へえ。なんか子供の頃に思い入れでもあるのかと思った」
「あやつにはあるのかもな。私は幼少時、身体が小さく弱かった。身体を鍛えるのも、勉学も、ガルマティンから多くを学んだ。それだけだ」
「それだけって……ちゃんと感謝しといた方がいいぜ」
「やけにガルマティンの肩を持つな」
「見た目のわりに義理堅そうないい性格してたからな」
「お前が思うよりも私はガルマティンを高く評価し感謝している。お前が気にすることではない。それより」
ぐいっと力強く上衣を引っ張られ、鋭い眼光を向けながら見つめてくる。
「気持ちは変わったか」
「はい?」
「『次会った時、気持ちが変わってなければ言ってやる』とお前は言った」
この手の話題になると言葉が詰まる。ものすごくむず痒く言いづらい。
「どうせ分かってるだろ。こうやって来たんだから」
「お前の口から聞きたい」
「男は言葉より行動で示すもんなんだよ」
「男以前に人間は表現力を有する。表情や言葉を駆使し行動するものだ。お前にはそれが欠けている」
「多くは語らねえの」
「多くはない。ただの一言だ」
「「…………」」
アレッシュは分かっている。ラーは前から素直で、素直じゃないのは自分だと。これじゃ前と何も変わらない。
「なあ、関係をハッキリさせる必要あるか?」
「これは私たちの関係に名を付ける行為ではない。儀式でも義務でもない。ただ私は安心したいだけだ。強制することではないことは分かっている。だが……私とて不安がないわけじゃない」
ラーの声音が弱々しい。言葉の通り不安を抱えているのかもしれない。
アレッシュの問いかけはラーにではなく自分に対してだった。関係をハッキリさせる必要はない。友人、恋人、愛人、そんな名はどうだっていい。一緒にいたい、傍にいたいという気持ちは嘘じゃない。相手に気持ちを伝えることをした方がいいと言うくせに、照れくさいからと自分が逃げてはあまりにも格好悪い。
「マニス」
ラーの肩を掴み目を合わせる。いやに緊張して掴む手に力が入り脈も速い。今までにないくらいの緊張感に固唾を呑んで数秒後、やっと口を開く。
「……俺は……またアンタに会う為にスゲー勉強した。会うだけじゃ意味がねえ。アンタの傍に相応しい、そういう資格が欲しかった。……アンタを愛してるからな」
言い切っておかしな汗が吹き出してくる。それでも目は逸らさずいたら、ラーが目を閉じて笑い、ぐいぐいと肩に頭を寄せてくる。分かりやすく嬉しそうだ。
「お前の言葉には力がある。愛の囁きも、誕生日の祝言も、私を喜ばせるのに十分だ」
「そ、そうかよっ」
「それで、行動で示すと言ったな。愛情を分かりやすく伝えられる行動はやはり口へのキスだと思うのだが」
「待て。それとこれとは話が別だ」
「やっと言ったのだ。ついでにキスも済ませてしまえば全て丸く収まる」
「急に雑だな!?」
「私がしおらしくすれば、お前は罪悪感か正義感で促されると考えた。フム、上手くいって良かったな」
ーーコイツ……しれっと言いやがって!
「口にキスしたくない理由はなんだ。明確に言ってみろ」
「ああ? そんなの…………アンタの妻たちに遠慮してんだよ。つーかなんでキスにこだわるんだよ」
「そんな単純なこともわからないのか?」
「わからん」
「その行為が好きだからだ」
「本当に単純な理由だな……」
「ハア、まあいい。お前の言葉が聞けてスッキリした。一歩前進だな。キスはまたの機会に期待する」
「そうかよ。期待に応えられるとは限らないからな。しない理由も言っただろ」
「妻たち以外にもしていることだ。大した理由ではなかった」
「おい」
「今日はもういい。それよりこれからのことだ」
アレッシュはまだ心臓がドキドキしているというのに、ラーは切り替えが早い。
「明日はここのゲストと食事会がある。私はもてなす為に今日ここに泊まる。あと数時間、再会の喜びを分かち語り合うか。それとも久々にまぐわうかどちらが良い」
「それ、俺に選択権あるか?」
「こういうことは互いの同意の下行われるものだろう?」
そう言いながらラーはソファから立ち上がりベッドへ移動していく。
アレッシュは期待を膨らませながら後をついていった。
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