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兄弟の贈り物
しおりを挟む「おい、もう少しだぞ」
切羽詰まった声で言う
「分かってる母ちゃんの好きな砂糖を届けるために」
今いる場所はざっと見るに
勾配としては5度であろう
数字で見ると少なく感じるが
実際に見るとそれは
なかなかの坂であり
既に彼らは息を切らし
汗で目が覆われかけても
動き続ける
「母ちゃん待っててくれてるかな」
「心配すんな、お兄ちゃんを信頼しろ」
まさに兄弟愛と言うべきであろう
今この兄弟なら
多少の困難なら乗り越えれそうだが
いつにも増して今回は苦戦を強いられているようだ
「ふっ… ふっ…」
会話は徐々に減り
もう疲れのあまり
息が漏れてしまってるようであった
時間が経ち
彼らの口数は減ったものの
足を動かし続けた結果
ようやくゴールが見えたようだ
「お兄ちゃんもうすぐ家だよ」
「おぉ!そうだなもうすぐだ」
声に疲れを大きく感じつつも
その声は生気が詰まっている
コレがテレビ中継で繋がれると
観ている人は大きく感動するであろう
いかにも感動的な展開だ
「お兄ちゃん!着いたよ!」
「よしっ!早く母ちゃ…………」
大きくブチッと言う音がなった
2匹のアリを踏んだのは
イヤホンを繋いで歩く男である
踏んだことには全く気づいてない
まさかアリにこんなドラマがあったなんて誰も気づかないであろう
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