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ダラムル=イカシテル+イカレテル
5) チーム剛力とは
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ワーフの裏口につくと、そこには焦燥しきった剛力の3人が座り込んでいた。
「おいっお前ら。盗んだもの出さないと餓死するぞ」とバクト
「・・・あ?・・もう出したよ」
「いやいや服を全部脱いでよこせ」
「は?しるかば~か」
「ははは、じゃあ死ぬまでそこでさらし者になって餓死しろや」と言い、立ち去ろうとした。
「・・・待て、待て、脱げばいいのか?」
「あぁ」
剛力のメンバーは顔を見合わせて、渋々服を脱ぎだした。
「ズボンも脱げ」とバクト
疲れ果てて諦めたのかズボンも脱いだ。だが、服は檻の中にある。
「服をよこせ」とバクト
やけになり、脱いだズボンを檻から渡す。
しかし、最後の怪しいコートを渡さない。
「それもだ」とバクト
渋々最後のコートを渡す。
明らかにコートが重い。中を探ると短剣が3本も出てきた。
いずれも盗難防止のタグがついている。バクトはそれを持って裏口からワーフに入り、ブラムに渡した。
「あいつら昨日の夜、盗んだもの出すから見逃してくれって、短弓を出してよこしたんだぞ、・・・まだこんなにあったのか」とブラム
「あいつらに落とし前つけに行ってくるから檻の鍵くれ」とバクト
バクトは鍵を受け取り、裏に戻ってきた。
そしてポロンに作ってもらった手錠を三つだして、檻の中に投げた。
「それをつけろ」
剛力メンバーはパンツ一丁のまま、手錠をつけた。
それを見届けたバクトはようやく檻の鍵を開けて、三人の手錠に縄を縛り、逃げられないようにした。
「ワイザ、その立て札を見えるように持ってくれ」とバクト
「うぃ」とワイザ
“必見!⇒あわれ、剛力メンバー盗みを働いて逮捕される!”
パンツ一丁で連行される3人を町人達は興味深げに注目する。
「お手柄守役!」「いいぞ!無名!」等と声を張り上げるものもいる。
「おいっもっとゆっくり歩け。で、お前らの事務所まで行け!」とバクト
7番街の雑貨屋までゆっくりと歩き、剛力の事務所に着いた。
外階段から2階に上がり、ドアを開けようとするも鍵がかかっている。
「いないのか?ダモンは?・・・お前ら鍵は?」
「ズボンの中だ。」
ズボンはワーフの裏に置いてきた。
また取りに行くのも見せしめにいいが、面倒なのでワイザにドアを豪快に蹴破らせた。ドガン!!
流石のワイザの剛力である。
ドアは取っ手の部分が飛び、蝶番も壊してドアが内側に丸々倒れる。
「ダモンの部屋はどこだ?」とバクト
ダモンの部屋は奥にあり、部屋の奥に立派な椅子と机、手前に長椅子が置かれている。
「座れ!」と言うと剛力の3人は長椅子に座る。
「違う!下に正座だ!」とバクト
で自分は立派な椅子に座り、後ろにワイザとヒャッポが立っている。
「で。この落とし前どうするんだ?お前らずいぶん不細工な真似してくれたじゃねぇか」
「・・・ダモンさんが帰ってきてから・・・」
「あ?いつ帰ってくるともわからねぇダモンを待てと?」
そういって部屋を見渡すと金庫がある。
「この金庫中身いただくぞ」とバクト
3人も金庫の開け方を知らない。
ダモンが帰ってくるまで開けられないはずと思った。
「ワイザ。金庫をこの机の上にあげてくれ」とバクト
「うぃ」
バクトは立ち上がり、抜刀の構えをする。
それを見たワイザとヒャッポが離れる。
抜刀して切ろうと勢いよく刀を抜いて、金庫を一刀両断しようとするも流石に2CMくらいしか刃が通らず切れない。
それをニヤニヤして剛力メンバーが見ている。
頭にきたので、一瞬で収納して金庫を消してしまった。
で、その後も切れなかった事。
にやにやされた事が頭にきて、長椅子と立派な椅子、立派な机を窓ガラスを割って、外にぶん投げてやった。
「とにかく金庫はもらっていくぞ!被害金が不足していたら、また取りにくるって言っておけ!」と言って事務所を出た。
そして下の雑貨屋に入った。
「この店は盗難品を扱ってるのか!」大声で叫ぶ。
来店しているお客さんがざわついた。
「お客様なんでしょうか」と気持ち悪い店長みたいのが走ってきた。
「お前この店のオーナーか?」
「はい。さようでございますが、・・・」
「この店は盗難品を扱ってるのか?」
「なんの事でしょうか?」
するとワイザとヒャッポがワーフの刻印の入った武器を集めて、カウンターに持ってきた。
「これだよ。これ!ワーフ武器屋の盗難品だ!」
来店していた客も眉をしかめる。
「お前ら剛力とグルになって、盗ませたって聞いたぞ!」
「はい?そのような事はありません。私たちも買い取ったものですが・・・」
「いやいや盗んだ剛力メンバーがこの店のオーナーの依頼で盗んだって白状したんだ」
・・・そんな事実はない・・・www
「とにかく、本来売れるはずの武器の被害金、金貨100枚を払ってもらおうか!じゃないとお前の店の物全部盗んで、売り飛ばすぞ!」
「ひっ・・・ひ~」
こうして半ば強引に金貨100枚を手に入れて、ワーフの武器も回収して、屋敷に帰った。
屋敷に戻るとみんな地下のCの部屋にいた。
「おかえりなさい」とポロン
みんな最初は順番にDの部屋で魔物を倒していたのだが、食べられる魔物が出てこず、Cの部屋で食料召喚をしていたそうだ。
Dの部屋では、主に虫系の魔物。巨大な蛾とか巨大な食人花とか、デカい蟻とかで、Cの部屋でようやく一角兎や飛土竜とか肉類が出てくるそうだ。
それを5人パーティで倒して、危ないときはスライムがやっつけてくれるそうだ。セリーとギャオスが交代で第三者的に監督の立場で指揮していたとの事。
バクトは収納していた金庫を出した。
「はい!皆さま注目!この金庫を開ける方法について問題です!よいアイデアを出した方になんと!この金庫の中身10%賞金とします。ちなみにこの金庫は剛力の金庫です!」とバクト
みんな考える。
「はいっ!」とポロンが手を上げた
「はいっポロン君」
「え~とルルナちゃんの火魔法で金庫を溶かすのはどうですか?」
「中身も溶けないか?・・・・却下」とバクト
「はいっ!」とワイザ
「はいっワイザ君」
「俺の怪力で金庫を潰して、蓋を浮かせて、引きはがすのは?」
「やってみ。」とバクト
ワイザは金庫を締め付け始めた。うんうん唸りながら
「はいっギャオス君」とバクト
「白いスライムが鍵に変化して開ければいかがですか?」
「おっ!採用!」
するとジェルナがスライムに説明した。キュー。
白いスライムの先端がカギになる。
唸っているワイザが金庫を渋々置いて、スライムは鍵を開ける。カチャッ・・・開いた?
バクトが金庫の取っ手を掴んで開けようとしたが、開かない。
ダイヤルがついており、ダイヤルも解除する必要があるみたいだ。
暫くうんうんと唸りワイザが金庫を潰そうとしている音だけが響いた。
「・・・はい・・・」とヒャッポ
「はいっヒャッポ君」とバクト
「ジェルナ・・・水魔法・・・中を水でパンパンに・・・破裂?」
他に意見もないので、仕方なく、採用した。
「危ないから外でやろう。」とバクト
全員庭にでた。
金庫の扉を下側にして、ジェルナが金庫を挟み込むように手をかけて、水魔法をかけた。
すると中の空気が圧縮されつづけていき、そのうち限界に達すると鍵穴がスポンと抜けて、ドンッ!!!と、びっくりするくらいの勢いで水が噴射されて、金庫は回転しながら飛んで行った。
みんな目を丸くしている。
見えなくなるくらい飛んでいき、すごいスピードで落ちてきた。どこに落ちるのか?民家や人に落ちたらただではすまない。
屋敷の近くには割と大きい川が流れている。
そっちに落ちていくようなので、ひとまず安心した。
ドガンッ!!!金庫は川の真ん中にある大岩に当たり、その大岩は真っ二つに割れて、その間に金庫があった。
ヒャッポが責任を感じたのか、ザブザブと川を渡り、金庫を回収にいった。
だが重くて引っぱり出せず、結局ワイザが行き、ひしゃげた金庫を担いで戻ってきた。
金庫の扉も曲がっていて、ワイザが力ずくで扉を引っ張り壊した。
中身は?金の延べ棒一本と布袋に入った金貨500枚。
意外と金持ちだなと思いつつ、50枚をヒャッポに、30枚をジェルナに、20枚をワイザにあげた。
剛力のダモンが、報復しようとメンバー達と無名の倉庫に来ていた。
勢いよく倉庫のドアを開けようとするも鍵がかかっている。
「くそっどこにいきやがった!」
一方バクトは一人でワーフ武器屋に向かっていた。
「よう!ブラム!落とし前つけたぞ!」とバクト
「あぁさっき剛力が来てな。これをバクトに渡せって」とブラムは懐から、果たし状と書いた紙を渡してきた。
「ん?何々?1か月後の奉納祭の二日目正午、大広間で縄張りを賭けて決闘しろ!縄張りを賭けて、だと!生意気な!」
「大丈夫なのか?バクト?」とブラム
「余裕だよ。ダモンだもん。へたれなんだもん。それより剛力から金庫と下の雑貨屋から売られていた武器と落とし 前金もらってきたから、あげる」とバクト
まず武器と金貨100枚だした。
「多すぎる。恨みを買ったら困るな」とブラム。
「じゃぁ剛力の金庫は俺らで、雑貨屋の分はワーフで、というのは?来月剛力は解散するしwww」
「ん~」と暫く考えるブラム
「わかった。勝てよ。絶対に」とブラム
屋敷に戻ると、全員庭にいた。畑を作っているようだ。
「地下は肉ばかりで野菜が取れないので、育てようと皆で畑を作ってました」とギャオス
バクトは果たし状の話しを皆にした。
「一か月地下で特訓だな」とバクト
一か月バクトは主にAの部屋で鍛えに鍛えた。
始めはワイザ、ヒャッポ、ジェルナ、ルルナ+スライム2匹と共にAの部屋で戦っていたが、最終的にソロでAの部屋で戦えるようになり、居合切りと剣術がすさまじく鋭くなった。
どこで知ったのか、新聞屋ジェニスが、新聞を届けるようになり、その一面にデカデカと“奉納祭二日目正午!大広場にて、5番6番街の無名と7番8番街剛力が縄張りを賭けて決闘!!”と記載された新聞が届いた。
いよいよ明日は祭りだ。
祭りは凄い!1日目、朝8時~開始。1~5番街、6番~10番街、11番~15番街、16番~20番街までの4つの地区で神輿を出して、上に8人くらい乗り、自分たちの街を音楽を奏でながら練り歩き、10番街の大広場に集まる。
4方向から音楽が混ざり合い、その中心で投票が行われ、どの地区が優れていたのか決めて、一番になった地区の代表が、広場で奉納する役目を仰せつかる。
やはり1番街2番街の金持ち街の楽器が良いのか、だいたい1~5番街が例年奉納しているが、ライバルは16番~20番の光界も最近趣向を凝らしてきて、評価が高くなってきている。
昨年は光界は全部太鼓ですごい迫力だったが、あまりに重かったのか最後担ぎ手が力尽きて、神輿が斜めになり見栄えがあまり良くなく、惜しくも準優勝となった。
守役は、主に治安維持の見回りだが、ワイザのみ1~5番街の担ぎ手をさせている。楽器がハープなど重く、更に体重も重い貴族連中が多いため、力のある担ぎ手が必要だからだ。
また身長もちょうど良い。その日までに全員、半纏も作った。今年の無名はかっこいい!
二日目は、主に大広間に大道芸や演劇、露店などが立ち並び、1日目同様に夜には花火が沢山あがり、祭りは終わる。
今年の二日目は決闘がある。ジェニス曰く、中心に決闘場を即席で作るそうだ。
ギルドの取り仕切りで賭けも行われるらしい。
今のところ5対5の五分で銀行テロを殺したダムラルバクト、また2・3個年上の剛力ダモンの評価は拮抗していた。
当日朝6時、中央大広間にて祭り打ち合わせ開始。
無名は1~5、6~10の神輿警備にあたる。ワイザは今年も担ぎ手。
バクトはギャオス、ジェルナ、ルルナと6~10の警備。残りは1~5の警備
8時祭り開始。
1~5は今年も重量級。
メインに特注の小ピアノまでのせてやがる。
6~10の乗りては全員女性。楽器は縦笛と横笛。
毎年観光客も多く、酔っ払いの喧嘩も絶えない。
神輿の通るメイン通りの両脇には露店が立ち並ぶ。
毎年露店には流行りがあり、今年の流行りは光魔法のかかった竹とんぼのくじ引きみたいだ。中心に小さな光魔石が埋められており、一等は竹とんぼの大きさが30CMあり、光魔石も5つ埋め込まれている。
11:30、神輿は大広間の手前で最後の休憩。担ぎ手がこぞって、踊りながら一気飲みパフォーマンスをする。
11:40大広間へ向かい再スタート。11~15は横笛、16~20はギターと小太鼓。曲はロック調
11:45大広間中央で4区の音楽が混ざり合い、わけがわからない状態になった。
ワイザが盛り上げようと、最重量級の神輿を揺らす揺らす。
1~5は力自慢の冒険者も担ぎ手に多くおり、一番力があり、やはり見ごたえがあった。
しかし、揺らしすぎなのか、まともに演奏も出来ないようで、小ピアノも奏者ごと軽く飛び跳ねている。
12:00 終了の太鼓が叩かれて、同時に花火が上がった。ドン!ドン!
拍手喝采。神輿は台に乗せられて、担ぎ手はまた酒で一息。
13:00投票終了。
「今年の奉納は一区!一番街から5番街!」拍手喝采!
そして中央の神棚に野菜、果物、米、酒などが奉納されて、その場の全員拝んで終了。
大きなトラブルもなく、無名は中央広場でワイザを労っていた。
「おいっ!バクト!明日逃げるなよ!」
見るとダモンが後ろにいた。
「よう!盗人組織ダモン。明日までの寿命楽しめよ!」とバクト
「あぁ?」と言って、今にも殴りかかりそうにダモンが一歩踏み込むと、間にワイザが入ってきて、ダモンを睨んだ。
ふんっと言ってダモンは立ち去った。
夕方まで祭りの露店を楽しんで、屋敷に戻った。
「明日負けないでくださいよ」とワイザ
「毎日地下で鍛えてんだ。余裕だよ」とバクト
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ワーフの裏口につくと、そこには焦燥しきった剛力の3人が座り込んでいた。
「おいっお前ら。盗んだもの出さないと餓死するぞ」とバクト
「・・・あ?・・もう出したよ」
「いやいや服を全部脱いでよこせ」
「は?しるかば~か」
「ははは、じゃあ死ぬまでそこでさらし者になって餓死しろや」と言い、立ち去ろうとした。
「・・・待て、待て、脱げばいいのか?」
「あぁ」
剛力のメンバーは顔を見合わせて、渋々服を脱ぎだした。
「ズボンも脱げ」とバクト
疲れ果てて諦めたのかズボンも脱いだ。だが、服は檻の中にある。
「服をよこせ」とバクト
やけになり、脱いだズボンを檻から渡す。
しかし、最後の怪しいコートを渡さない。
「それもだ」とバクト
渋々最後のコートを渡す。
明らかにコートが重い。中を探ると短剣が3本も出てきた。
いずれも盗難防止のタグがついている。バクトはそれを持って裏口からワーフに入り、ブラムに渡した。
「あいつら昨日の夜、盗んだもの出すから見逃してくれって、短弓を出してよこしたんだぞ、・・・まだこんなにあったのか」とブラム
「あいつらに落とし前つけに行ってくるから檻の鍵くれ」とバクト
バクトは鍵を受け取り、裏に戻ってきた。
そしてポロンに作ってもらった手錠を三つだして、檻の中に投げた。
「それをつけろ」
剛力メンバーはパンツ一丁のまま、手錠をつけた。
それを見届けたバクトはようやく檻の鍵を開けて、三人の手錠に縄を縛り、逃げられないようにした。
「ワイザ、その立て札を見えるように持ってくれ」とバクト
「うぃ」とワイザ
“必見!⇒あわれ、剛力メンバー盗みを働いて逮捕される!”
パンツ一丁で連行される3人を町人達は興味深げに注目する。
「お手柄守役!」「いいぞ!無名!」等と声を張り上げるものもいる。
「おいっもっとゆっくり歩け。で、お前らの事務所まで行け!」とバクト
7番街の雑貨屋までゆっくりと歩き、剛力の事務所に着いた。
外階段から2階に上がり、ドアを開けようとするも鍵がかかっている。
「いないのか?ダモンは?・・・お前ら鍵は?」
「ズボンの中だ。」
ズボンはワーフの裏に置いてきた。
また取りに行くのも見せしめにいいが、面倒なのでワイザにドアを豪快に蹴破らせた。ドガン!!
流石のワイザの剛力である。
ドアは取っ手の部分が飛び、蝶番も壊してドアが内側に丸々倒れる。
「ダモンの部屋はどこだ?」とバクト
ダモンの部屋は奥にあり、部屋の奥に立派な椅子と机、手前に長椅子が置かれている。
「座れ!」と言うと剛力の3人は長椅子に座る。
「違う!下に正座だ!」とバクト
で自分は立派な椅子に座り、後ろにワイザとヒャッポが立っている。
「で。この落とし前どうするんだ?お前らずいぶん不細工な真似してくれたじゃねぇか」
「・・・ダモンさんが帰ってきてから・・・」
「あ?いつ帰ってくるともわからねぇダモンを待てと?」
そういって部屋を見渡すと金庫がある。
「この金庫中身いただくぞ」とバクト
3人も金庫の開け方を知らない。
ダモンが帰ってくるまで開けられないはずと思った。
「ワイザ。金庫をこの机の上にあげてくれ」とバクト
「うぃ」
バクトは立ち上がり、抜刀の構えをする。
それを見たワイザとヒャッポが離れる。
抜刀して切ろうと勢いよく刀を抜いて、金庫を一刀両断しようとするも流石に2CMくらいしか刃が通らず切れない。
それをニヤニヤして剛力メンバーが見ている。
頭にきたので、一瞬で収納して金庫を消してしまった。
で、その後も切れなかった事。
にやにやされた事が頭にきて、長椅子と立派な椅子、立派な机を窓ガラスを割って、外にぶん投げてやった。
「とにかく金庫はもらっていくぞ!被害金が不足していたら、また取りにくるって言っておけ!」と言って事務所を出た。
そして下の雑貨屋に入った。
「この店は盗難品を扱ってるのか!」大声で叫ぶ。
来店しているお客さんがざわついた。
「お客様なんでしょうか」と気持ち悪い店長みたいのが走ってきた。
「お前この店のオーナーか?」
「はい。さようでございますが、・・・」
「この店は盗難品を扱ってるのか?」
「なんの事でしょうか?」
するとワイザとヒャッポがワーフの刻印の入った武器を集めて、カウンターに持ってきた。
「これだよ。これ!ワーフ武器屋の盗難品だ!」
来店していた客も眉をしかめる。
「お前ら剛力とグルになって、盗ませたって聞いたぞ!」
「はい?そのような事はありません。私たちも買い取ったものですが・・・」
「いやいや盗んだ剛力メンバーがこの店のオーナーの依頼で盗んだって白状したんだ」
・・・そんな事実はない・・・www
「とにかく、本来売れるはずの武器の被害金、金貨100枚を払ってもらおうか!じゃないとお前の店の物全部盗んで、売り飛ばすぞ!」
「ひっ・・・ひ~」
こうして半ば強引に金貨100枚を手に入れて、ワーフの武器も回収して、屋敷に帰った。
屋敷に戻るとみんな地下のCの部屋にいた。
「おかえりなさい」とポロン
みんな最初は順番にDの部屋で魔物を倒していたのだが、食べられる魔物が出てこず、Cの部屋で食料召喚をしていたそうだ。
Dの部屋では、主に虫系の魔物。巨大な蛾とか巨大な食人花とか、デカい蟻とかで、Cの部屋でようやく一角兎や飛土竜とか肉類が出てくるそうだ。
それを5人パーティで倒して、危ないときはスライムがやっつけてくれるそうだ。セリーとギャオスが交代で第三者的に監督の立場で指揮していたとの事。
バクトは収納していた金庫を出した。
「はい!皆さま注目!この金庫を開ける方法について問題です!よいアイデアを出した方になんと!この金庫の中身10%賞金とします。ちなみにこの金庫は剛力の金庫です!」とバクト
みんな考える。
「はいっ!」とポロンが手を上げた
「はいっポロン君」
「え~とルルナちゃんの火魔法で金庫を溶かすのはどうですか?」
「中身も溶けないか?・・・・却下」とバクト
「はいっ!」とワイザ
「はいっワイザ君」
「俺の怪力で金庫を潰して、蓋を浮かせて、引きはがすのは?」
「やってみ。」とバクト
ワイザは金庫を締め付け始めた。うんうん唸りながら
「はいっギャオス君」とバクト
「白いスライムが鍵に変化して開ければいかがですか?」
「おっ!採用!」
するとジェルナがスライムに説明した。キュー。
白いスライムの先端がカギになる。
唸っているワイザが金庫を渋々置いて、スライムは鍵を開ける。カチャッ・・・開いた?
バクトが金庫の取っ手を掴んで開けようとしたが、開かない。
ダイヤルがついており、ダイヤルも解除する必要があるみたいだ。
暫くうんうんと唸りワイザが金庫を潰そうとしている音だけが響いた。
「・・・はい・・・」とヒャッポ
「はいっヒャッポ君」とバクト
「ジェルナ・・・水魔法・・・中を水でパンパンに・・・破裂?」
他に意見もないので、仕方なく、採用した。
「危ないから外でやろう。」とバクト
全員庭にでた。
金庫の扉を下側にして、ジェルナが金庫を挟み込むように手をかけて、水魔法をかけた。
すると中の空気が圧縮されつづけていき、そのうち限界に達すると鍵穴がスポンと抜けて、ドンッ!!!と、びっくりするくらいの勢いで水が噴射されて、金庫は回転しながら飛んで行った。
みんな目を丸くしている。
見えなくなるくらい飛んでいき、すごいスピードで落ちてきた。どこに落ちるのか?民家や人に落ちたらただではすまない。
屋敷の近くには割と大きい川が流れている。
そっちに落ちていくようなので、ひとまず安心した。
ドガンッ!!!金庫は川の真ん中にある大岩に当たり、その大岩は真っ二つに割れて、その間に金庫があった。
ヒャッポが責任を感じたのか、ザブザブと川を渡り、金庫を回収にいった。
だが重くて引っぱり出せず、結局ワイザが行き、ひしゃげた金庫を担いで戻ってきた。
金庫の扉も曲がっていて、ワイザが力ずくで扉を引っ張り壊した。
中身は?金の延べ棒一本と布袋に入った金貨500枚。
意外と金持ちだなと思いつつ、50枚をヒャッポに、30枚をジェルナに、20枚をワイザにあげた。
剛力のダモンが、報復しようとメンバー達と無名の倉庫に来ていた。
勢いよく倉庫のドアを開けようとするも鍵がかかっている。
「くそっどこにいきやがった!」
一方バクトは一人でワーフ武器屋に向かっていた。
「よう!ブラム!落とし前つけたぞ!」とバクト
「あぁさっき剛力が来てな。これをバクトに渡せって」とブラムは懐から、果たし状と書いた紙を渡してきた。
「ん?何々?1か月後の奉納祭の二日目正午、大広間で縄張りを賭けて決闘しろ!縄張りを賭けて、だと!生意気な!」
「大丈夫なのか?バクト?」とブラム
「余裕だよ。ダモンだもん。へたれなんだもん。それより剛力から金庫と下の雑貨屋から売られていた武器と落とし 前金もらってきたから、あげる」とバクト
まず武器と金貨100枚だした。
「多すぎる。恨みを買ったら困るな」とブラム。
「じゃぁ剛力の金庫は俺らで、雑貨屋の分はワーフで、というのは?来月剛力は解散するしwww」
「ん~」と暫く考えるブラム
「わかった。勝てよ。絶対に」とブラム
屋敷に戻ると、全員庭にいた。畑を作っているようだ。
「地下は肉ばかりで野菜が取れないので、育てようと皆で畑を作ってました」とギャオス
バクトは果たし状の話しを皆にした。
「一か月地下で特訓だな」とバクト
一か月バクトは主にAの部屋で鍛えに鍛えた。
始めはワイザ、ヒャッポ、ジェルナ、ルルナ+スライム2匹と共にAの部屋で戦っていたが、最終的にソロでAの部屋で戦えるようになり、居合切りと剣術がすさまじく鋭くなった。
どこで知ったのか、新聞屋ジェニスが、新聞を届けるようになり、その一面にデカデカと“奉納祭二日目正午!大広場にて、5番6番街の無名と7番8番街剛力が縄張りを賭けて決闘!!”と記載された新聞が届いた。
いよいよ明日は祭りだ。
祭りは凄い!1日目、朝8時~開始。1~5番街、6番~10番街、11番~15番街、16番~20番街までの4つの地区で神輿を出して、上に8人くらい乗り、自分たちの街を音楽を奏でながら練り歩き、10番街の大広場に集まる。
4方向から音楽が混ざり合い、その中心で投票が行われ、どの地区が優れていたのか決めて、一番になった地区の代表が、広場で奉納する役目を仰せつかる。
やはり1番街2番街の金持ち街の楽器が良いのか、だいたい1~5番街が例年奉納しているが、ライバルは16番~20番の光界も最近趣向を凝らしてきて、評価が高くなってきている。
昨年は光界は全部太鼓ですごい迫力だったが、あまりに重かったのか最後担ぎ手が力尽きて、神輿が斜めになり見栄えがあまり良くなく、惜しくも準優勝となった。
守役は、主に治安維持の見回りだが、ワイザのみ1~5番街の担ぎ手をさせている。楽器がハープなど重く、更に体重も重い貴族連中が多いため、力のある担ぎ手が必要だからだ。
また身長もちょうど良い。その日までに全員、半纏も作った。今年の無名はかっこいい!
二日目は、主に大広間に大道芸や演劇、露店などが立ち並び、1日目同様に夜には花火が沢山あがり、祭りは終わる。
今年の二日目は決闘がある。ジェニス曰く、中心に決闘場を即席で作るそうだ。
ギルドの取り仕切りで賭けも行われるらしい。
今のところ5対5の五分で銀行テロを殺したダムラルバクト、また2・3個年上の剛力ダモンの評価は拮抗していた。
当日朝6時、中央大広間にて祭り打ち合わせ開始。
無名は1~5、6~10の神輿警備にあたる。ワイザは今年も担ぎ手。
バクトはギャオス、ジェルナ、ルルナと6~10の警備。残りは1~5の警備
8時祭り開始。
1~5は今年も重量級。
メインに特注の小ピアノまでのせてやがる。
6~10の乗りては全員女性。楽器は縦笛と横笛。
毎年観光客も多く、酔っ払いの喧嘩も絶えない。
神輿の通るメイン通りの両脇には露店が立ち並ぶ。
毎年露店には流行りがあり、今年の流行りは光魔法のかかった竹とんぼのくじ引きみたいだ。中心に小さな光魔石が埋められており、一等は竹とんぼの大きさが30CMあり、光魔石も5つ埋め込まれている。
11:30、神輿は大広間の手前で最後の休憩。担ぎ手がこぞって、踊りながら一気飲みパフォーマンスをする。
11:40大広間へ向かい再スタート。11~15は横笛、16~20はギターと小太鼓。曲はロック調
11:45大広間中央で4区の音楽が混ざり合い、わけがわからない状態になった。
ワイザが盛り上げようと、最重量級の神輿を揺らす揺らす。
1~5は力自慢の冒険者も担ぎ手に多くおり、一番力があり、やはり見ごたえがあった。
しかし、揺らしすぎなのか、まともに演奏も出来ないようで、小ピアノも奏者ごと軽く飛び跳ねている。
12:00 終了の太鼓が叩かれて、同時に花火が上がった。ドン!ドン!
拍手喝采。神輿は台に乗せられて、担ぎ手はまた酒で一息。
13:00投票終了。
「今年の奉納は一区!一番街から5番街!」拍手喝采!
そして中央の神棚に野菜、果物、米、酒などが奉納されて、その場の全員拝んで終了。
大きなトラブルもなく、無名は中央広場でワイザを労っていた。
「おいっ!バクト!明日逃げるなよ!」
見るとダモンが後ろにいた。
「よう!盗人組織ダモン。明日までの寿命楽しめよ!」とバクト
「あぁ?」と言って、今にも殴りかかりそうにダモンが一歩踏み込むと、間にワイザが入ってきて、ダモンを睨んだ。
ふんっと言ってダモンは立ち去った。
夕方まで祭りの露店を楽しんで、屋敷に戻った。
「明日負けないでくださいよ」とワイザ
「毎日地下で鍛えてんだ。余裕だよ」とバクト
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そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
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2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
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気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
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ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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