僕の恋、兄の愛。3

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市井弟の成功談

兄ちゃんは無事。

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皆、僕を心配してる?
アレ?

「大丈夫か、坊主。」

え?警備員さんも?
僕どこも怪我して無いよ。

「・・・うん。うぅ、ひっく。ッぐぅ。」

とは言え、僕はさっきまで号泣していた名残で、呼吸も嗚咽もはすぐには収まらない。

「健介は痛いところ無い?」

ええ?

「健介くん、ビックリしたんだね。
もう大丈夫だよ。」

コッチも!?
兄ちゃんの心配じゃ無くて僕?

「坊主!ゆっくり息しろ!」

やっぱり僕?
むむ??
でも、違うんじゃないの?
だってゴッツンして息が止まったのは兄ちゃんだよ。

「うっく、ぼく・・・ダイジョブ・・・ひっく、にいちゃん・・・ダイジョバナイ・・・ぐすっ。」

心配なのは兄ちゃんだ!

「俺?平気だよ?」

兄ちゃんはキョトンとした顔で暢気な返事しかくれない。
でも戒川のおじちゃんがハッとした顔をした。

「そういえば優介君、何で床に倒れていたの?
健介くんとプロレスごっこでもした?」

「あ、俺ですか?」

そう!ソレ!!
兄ちゃん、戒川のおじちゃんが起こしてくれるまで起き上がれなかったじゃないか!

「・・・柱で後頭部打撲して脳震とう起こしたみたいで。
数秒?意識混濁してた様ですが・・・今は意識もハッキリしてます。
大丈夫じゃないかと思うんですけど。」

「坊主!飴でも食うか?」

警備員さん・・・警備じいちゃんが僕に飴をくれた。

「頭を打って意識混濁か・・・意識が戻って良かったね。
でも優介君、健介くんの言う通りだよ。
脳や首の損傷はすぐ分からないかも知れないから、医者に見てもらった方がいい。」

「うぅ、にいちゃ、ダイジョバナイの!
うっく。
ダイジョバナイ!!
ひっく。
・・・アメおいし・・・。」

「そうだろ坊主!
他の味もあるぞ!」

飴はイチゴミルク味だった。
警備じいちゃんがガシガシ頭を撫でてくる。
僕の頭が体からとれちゃう。

「ひっく、にいちゃ、ねた、ちょっとのじかん、チガウ。
おいしゃさ、いく。
ぼく、も、いく。
じいちゃ、アメあいぁとぉありがとう、ひっく。」

飴、美味し~い。

「わしの孫(9才)も好きでな!
いっぱい食って大きくなれよ、坊主!」

兄ちゃんはその後到着した救急隊員さんにも説得されて、救急での病院受診と相成った。
・・・僕たちの部屋に着いた救急隊員さんは、初め僕を救助しようとした。

むぅ。
何で僕?

いちご飴、美味しい。







◆◆ ◆ その後 ◆ ◆◆




救急病院のお医者さんが言うには、兄ちゃんは大きなタンコブができてるけど検査結果を見るにそう心配ないだろうって。

『暫くは体調変化に注意してね。
気分が悪くなったり頭痛がしたらすぐ病院に来て。』だって。

む、僕これ知ってる!
『牛百合』(昼ドラ)で見た!
『ワタクシは夫の些細な変化も見逃さなかったわ。
それが真の妻の実力でしてよ。
貴方にできるかしら?
ホホホホホホ。』
って百合子が言ってたヤツだ!

僕は「兄ちゃんが何ともなくてよかった。」と泣きながら、『真の妻の実力を見せるときだ!』と密かに決意した。












※警備員のじいさんは健介のちびっ子さと号泣具合で小学生と判断。
孫にあげる用に持ってた飴を健介にくれました。
元警察官です。

※救急隊員は大人に囲まれて泣いてる健介お子さまを要救助者と判断。
異物ボタンでも飲み込んだかな?』と。



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