僕の恋、兄の愛。4

文字の大きさ
上 下
30 / 36
水曜日ディナー本番。

幕間③市井兄とウェイター3

しおりを挟む

・・・。

・・・静かだ。

・・・夜景が美しい・・・。

っ!

急なアクシデント発生に呆気に取られた!

ノンビリ2人を送り出している場合じゃ無い!

ウェイターあいつ

俺の嫁けんすけをトイレに連れ込んで何する気だ!(続混乱)

「オイ!ちょっと待て!」

急いで追いかけると、ウェイターやつはトイレの手前、パウダールームの更に手前のドアの前にいた。

ウェイターやつは俺に気が付くと、軽く会釈した。

つられるように会釈を返し一旦深呼吸する。

・・・落ち着け俺・・・。

そりゃそうだ。

健介がトイレの場所を分からないから、ウェイターかれが案内してくれる、そう言ったじゃないか。

健介は高校生だぞ、子供じゃ無い。
一緒にトイレの中に入って用を足す手伝いまでする訳ないじゃないか。

俺に気付いたウェイターは、素早く俺の傍まで来て、トイレの方向を気にしつつ小声で話し出す。

何だ?

「お待たせ致しまして申し訳ございません、市井様。
わたくしは、サプライズプレゼントの件もサービスルームからの連絡で把握しております。
市井様のご準備が整うまで、健介様のサポートを承っておりました。
サプライズのサポートも、サービスルームより伺っております。」

成る程、サプライズプレゼントの企画を業務連絡で知ったのか。

健介の生理現象待ちを何故お前が謝る。と、思わなくも無いが、情報共有のスピードが早い、流石帝王ホテル、助かる。

それは兎も角、ウェイターかれのお陰で現状把握ができたのに、何故この人は謝罪体勢なんだ?

疚しいことは何にもないんだよな?

「そうなんですね、よろしくお願いします。」

「この後、展望ルームまでご案内させて頂きます。
最善を尽くします。」

本当に健介に何もしてない・・・よな?

頭を下げたままでウェイターが続ける。

「それで・・・あの、申し訳ございません。
先程まで主に健介様のこも・・・サポートを担当させて頂いておりましたが・・・。」

「うん。ありがとう。」

こも?
こも・・・子守?
・・・子守り??

何が申し訳ないんだ?

高校生を子守り扱い、が申し訳ないのか・・・?

「健様は、市井様ご不在の間に、追加でオレンジジュース1杯、ファンタグレープ3杯、アイスココア1杯、ミルク1杯をお召し上がりになりました。」

「・・・そんなに飲み物を飲んだの?」

30分弱で、お腹チャーッポンチャッポンじゃねぇか。

そりゃトイレに駆け込むわ・・・。

頭を下げたままのウェイターが話を続ける。

「お止めせず、申し訳ございません。
サービスルームから来ているサプライズプランは概ね把握しております。
私はサプライズの会場案内までとなります。
その後、別のスタッフと交代しサプライズとなります。
よろしくお願い致します。
ですが・・・。
あの・・・。
もし・・・。
もし、今夜健介様がおねしょなさっても、お飲み物を勧めたわたくしの責任でございます。
大変、大変申し訳ございません。」

なるほ・・・。

・・・?

・・・ん??

途中で話が変わった?

何の謝罪だ??

俺、今何を謝られてんだ?








※混乱終わらず。


しおりを挟む

処理中です...