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1章 1節 仲間と成長の時間 《ディスペア編》
第27話 人魔混合種
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「そう、変な人間さんなのね」
ルナちゃんの放った一言に身体が呼吸と一緒に上下していた身体がピタッと硬直した、
心臓の脈打つ音だけが大きくなったような感覚に襲われる。
「いっ、いつから気が付いていたの?」
原因は分かっていたけど緊張からかそう聞いてしまった。
「ハイル君の中に流れるその赤い液体、
本来魔族身体には必要のない"血"
それがあるって事は魔族ではない……おそらく人間、
でも貴方から感じる魔力は魔族の物としか思えない、とすれば貴方は人間身体を持ち魔族の魔力を持っている……もしかして"人魔混合種"?」
彼女には完全に僕の正体がバレてしまった。
「何故隠していたの?」
彼女の声から純粋な興味のみで聞いてきているのだと判断する。
「別に隠すつもりは無かったよ、聞かれたら話すつもりだったからね」
嘘ではない、別にバレても問題はなかった、
過去に家族を友人を大切な人を人間に殺され恨んでいる者が大勢いるこの魔界で、
両方の力を持っているなんて即排除されても仕方ない。
だけど僕が今ここに居れるのはお父さんが僕を、お母さんを愛し、魔王に力を示して結果的に僕が産まれてきていい、生きていて良い場所を、理由を作ってくれた。
僕は存在を認められて今ここに立っている。
でも無駄な闘いを増やさない為にもバレるに越したことない。
今まで知っていたのはお父さんお母さん、おじいちゃん、そして魔王様のみ。
僕はルナちゃんがいつ襲ってきても対処できるように悟られないように身構える……
「もしかしてハイル君のおじい様はデボルト・フォン・アイゼンハイト?」
「うん、そうだけど……」
……が急におじいちゃんの名前を出されて少し戸惑ってしまう。
「つまりあなたはハイル・フォン・アイゼンハイト?」
「違うよ、お父さんがアイゼンハイトと縁を切ってから家名を継いでないって言ってた、だから僕はハイル」
「そう……なんだ、なら納得?かも」
うんうんとその場で頷くルナちゃん、
何を納得しているのか聞きたいけど今はそれどころじゃない。
「ねえハイル君、最後に一つだけ聞いていい?」
「?」
「私が貴方を双魔混合種とわかってる上で答えて欲しいの」
「うっ、うん」
ルナちゃんのいつにもなく真剣な表情に僕は少したじろいでしまう。
「あなたの正体がバレたら身に危険が及ぶかもしれない、そんな危険を知っていた上でこの訓練場に学びに来た理由は何?」
この訓練場に学びに来た理由、それは……
「例えそうでも、強くなりたいからかな」
「強くなりたい?ハイル君のお父様やおじい様みたいに?」
その言葉に頷く。
「そうだね、お父さんみたいに強くてかっこよくて安心出来る存在になりたい、
おじいちゃんみたいに優しく強く、誰かに道を示してあげれるようなそんな風になりたい、
いや2人を超えるような強さが欲しいかな、
傷ついてる人を、今大切な人を、これから出来る大切な人を守れるように。
僕は双魔混合種だ、人間みたいに頭の回転が早くて高い学習能力持っている訳じゃ無いし、魔族みたいに強靭な肉体も持っていない、出来ないことも多いけど、
そんな僕を好きだって、家族みたいだって言ってくれた子がいた、
でも僕はその子を守り切れなかった。
それにここに来る前にお父さんとお母さんと一緒に居た時に誰かに襲われた、
僕を守るために、逃がすために2人で立ち向かった、
無事だって手紙は書いてあったけど、実際はものすごい怪我をしてるかもしれない。
もしあの時僕がもう少し強かったら一緒にいれたかもしれない、
もしあの時僕に勇気があれば守れたかもしれない、
もしあの時僕に力があれば怖い思いをさせずにすんだかもしれない、
人間でも魔族でもない中途半端な僕だけど、
この手で大切な人を守れるそんな強い男になりたいんだ」
僕が喋っている間黙って聞いていてくれたルナちゃんが口を開く。
「ハイル君は強いね」
「僕は強くないよ」
「ううん、ハイル君は強い」
「……」
力の強い言葉に僕は何も言い返せなかった、
襲ってくる気配を微塵も感じないので警戒を少し緩める。
そして僕らの間に流れる沈黙。
居心地の悪い空間が僕達を囲んでいた、
何時も元気に飛び回るリュピィも大人しくルナちゃんの膝に乗り撫でられていた。
「よっいしょ!」
そんな空気に耐えきれなくなった僕は痛む身体を無視し強引に立ち上がるが身体のバランスが上手く取れず倒れそうになる。
「立ち上がって大丈夫なの?」
ルナちゃんはさっきのように強引に身体を寝かせることはせず、
僕を支えるように隣に立つ。
「うん、少し動く分にはね。
もうすぐ月が暗くなる、今の内に燃やせる木を集めないと……」
「これでも足りないの?」
ルナちゃんは足元広がる僕らを受け止めてくれた葉っぱの絨毯を見る。
「うん、燃やしたら山火事になっちゃうからね」
「????」
どうやらよく分かっていないらしく首を傾げていた。
ルナちゃんの放った一言に身体が呼吸と一緒に上下していた身体がピタッと硬直した、
心臓の脈打つ音だけが大きくなったような感覚に襲われる。
「いっ、いつから気が付いていたの?」
原因は分かっていたけど緊張からかそう聞いてしまった。
「ハイル君の中に流れるその赤い液体、
本来魔族身体には必要のない"血"
それがあるって事は魔族ではない……おそらく人間、
でも貴方から感じる魔力は魔族の物としか思えない、とすれば貴方は人間身体を持ち魔族の魔力を持っている……もしかして"人魔混合種"?」
彼女には完全に僕の正体がバレてしまった。
「何故隠していたの?」
彼女の声から純粋な興味のみで聞いてきているのだと判断する。
「別に隠すつもりは無かったよ、聞かれたら話すつもりだったからね」
嘘ではない、別にバレても問題はなかった、
過去に家族を友人を大切な人を人間に殺され恨んでいる者が大勢いるこの魔界で、
両方の力を持っているなんて即排除されても仕方ない。
だけど僕が今ここに居れるのはお父さんが僕を、お母さんを愛し、魔王に力を示して結果的に僕が産まれてきていい、生きていて良い場所を、理由を作ってくれた。
僕は存在を認められて今ここに立っている。
でも無駄な闘いを増やさない為にもバレるに越したことない。
今まで知っていたのはお父さんお母さん、おじいちゃん、そして魔王様のみ。
僕はルナちゃんがいつ襲ってきても対処できるように悟られないように身構える……
「もしかしてハイル君のおじい様はデボルト・フォン・アイゼンハイト?」
「うん、そうだけど……」
……が急におじいちゃんの名前を出されて少し戸惑ってしまう。
「つまりあなたはハイル・フォン・アイゼンハイト?」
「違うよ、お父さんがアイゼンハイトと縁を切ってから家名を継いでないって言ってた、だから僕はハイル」
「そう……なんだ、なら納得?かも」
うんうんとその場で頷くルナちゃん、
何を納得しているのか聞きたいけど今はそれどころじゃない。
「ねえハイル君、最後に一つだけ聞いていい?」
「?」
「私が貴方を双魔混合種とわかってる上で答えて欲しいの」
「うっ、うん」
ルナちゃんのいつにもなく真剣な表情に僕は少したじろいでしまう。
「あなたの正体がバレたら身に危険が及ぶかもしれない、そんな危険を知っていた上でこの訓練場に学びに来た理由は何?」
この訓練場に学びに来た理由、それは……
「例えそうでも、強くなりたいからかな」
「強くなりたい?ハイル君のお父様やおじい様みたいに?」
その言葉に頷く。
「そうだね、お父さんみたいに強くてかっこよくて安心出来る存在になりたい、
おじいちゃんみたいに優しく強く、誰かに道を示してあげれるようなそんな風になりたい、
いや2人を超えるような強さが欲しいかな、
傷ついてる人を、今大切な人を、これから出来る大切な人を守れるように。
僕は双魔混合種だ、人間みたいに頭の回転が早くて高い学習能力持っている訳じゃ無いし、魔族みたいに強靭な肉体も持っていない、出来ないことも多いけど、
そんな僕を好きだって、家族みたいだって言ってくれた子がいた、
でも僕はその子を守り切れなかった。
それにここに来る前にお父さんとお母さんと一緒に居た時に誰かに襲われた、
僕を守るために、逃がすために2人で立ち向かった、
無事だって手紙は書いてあったけど、実際はものすごい怪我をしてるかもしれない。
もしあの時僕がもう少し強かったら一緒にいれたかもしれない、
もしあの時僕に勇気があれば守れたかもしれない、
もしあの時僕に力があれば怖い思いをさせずにすんだかもしれない、
人間でも魔族でもない中途半端な僕だけど、
この手で大切な人を守れるそんな強い男になりたいんだ」
僕が喋っている間黙って聞いていてくれたルナちゃんが口を開く。
「ハイル君は強いね」
「僕は強くないよ」
「ううん、ハイル君は強い」
「……」
力の強い言葉に僕は何も言い返せなかった、
襲ってくる気配を微塵も感じないので警戒を少し緩める。
そして僕らの間に流れる沈黙。
居心地の悪い空間が僕達を囲んでいた、
何時も元気に飛び回るリュピィも大人しくルナちゃんの膝に乗り撫でられていた。
「よっいしょ!」
そんな空気に耐えきれなくなった僕は痛む身体を無視し強引に立ち上がるが身体のバランスが上手く取れず倒れそうになる。
「立ち上がって大丈夫なの?」
ルナちゃんはさっきのように強引に身体を寝かせることはせず、
僕を支えるように隣に立つ。
「うん、少し動く分にはね。
もうすぐ月が暗くなる、今の内に燃やせる木を集めないと……」
「これでも足りないの?」
ルナちゃんは足元広がる僕らを受け止めてくれた葉っぱの絨毯を見る。
「うん、燃やしたら山火事になっちゃうからね」
「????」
どうやらよく分かっていないらしく首を傾げていた。
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