瞳が潤うまでに

夏鶴 里愛

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現実味&脳会議

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妄想は苦手だ。

特にイゼの妄想は現実とかけ離れすぎて聞き終わったあとの現実に引き戻された感が半端ない。

私はまだしもイゼは理想の自分を掲げることである意味依存性を引き出してると思う。

私は意味を見い出すタイプだから、アニキャラがド根性の忍者だったときは期末テストでめっちゃ努力して数学49点だったのが80点に上がったことがある。

何かから養分を取ろうとする。

でもイゼにはその様子がない。

妄想で気絶するほど努力してお姫様抱っこされてるのに現実ではスリープしている。

妄想のようになりたいならそれ相応の努力が必要だ。

現実を見てみると…うへぇッ。

アニメ見てるだけじゃ駄目なのも知ってる。

海外に来て、環境変わって、携帯見ることが自然に減った。

けれど家に帰ればアニメ三昧。

自習できれば最高なのも知ってる。

どこの国にも天才はいるものでそいつに追いつくには努力が必要なのも知ってる。

アニメなんてただの火付け役だ。モチベを上げてくれる。

人間忘れやすい生き物なんだ。やる気がなくなってしまうのもそのせい。

努力できる人が羨ましい。過酷じゃないのか?つらくないのか?

それとも私の目標がしっかりしてないからか。

そういえば今日はスイーツにプリンがあるな。

日本で作って失敗して、パパにカビ生えてる言われて捨てられたことあったな。

料理人のくせに娘に教えず娘が作ったぷよ丸1号を憐れむことなく捨てるだなんて。

だったら作ってくれれば良かったじゃん!

まぁ、忙しかったから仕方ないか。生きてるだけでもありがたい。

話が脱線したな。熱しやすく冷めやすい。

めっちゃ自分の事理解してるようでしてない。

理解してたら今頃努力がこうの~とか言わずに結果出してるはずだから。

恐ろしいねぇ。ふとセナを見る。

「天才ってさぁヘラっとしててめっちゃ努力してんのかな。多分セナやフェリーは根っこっからの天才だけど。」

「それなっあの次元にどうやって行ってるんだろう。」

「スリープはどうしたよ。」

横目でイゼを見る。

「バッチリ取りました。あともう少し取るつもりです。」

そう言うとまた机でスタンバイする。

その様子を心配しながらも、フェリーのもとに近づき情報収集する。

見てみると問題を1文30秒以内に解いている。

「飽きないの?」

「宿題として出されてないからかな、白紙にするのもったいなくて自然と解いてっちゃうんだよね。」

「ほ~ん。」

「何?」

「いや、納得しただけ。じゃ失礼します。」

天才決定だな。シンプルにクールなんだよ。セナはお茶目だけどまとめる力が魔王並み。

私はと言うとハンデがあるな。

この国の言語を読むスピードが遅い。おまけに理解力が減ってる。この問題が日本語だったら…目から海出てきそうだわ。

使いたい言葉が上手く使えないこともある。先生へ情報伝達する時の語彙力ダウン。

グループでもぼんやりと役別れてるからな。

イゼと私は多分マスコットキャラ。

山頂にでもいるような寒さで鳥肌が立つ感覚。この役は嫌だね。変わりたい。

その代わり私の長所は日本で養った先生への敬意。

ここの生徒みんな罵詈雑言を先生に平気で言えるから。

でもそれだけで上手く行けるほど現実は甘くない。現実は…虚しぃ。あぁやだやだ。

考えなきゃ駄目なのに逃げたい、とても。

同時に考え過ぎなのかな。

今は勉強しよう。でもレイナの件もあるし…

なんでいま頭に浮かんだ?黙っとけ。脳内でスープしても飲めないんだよこっちは!

今は勉強。第一勉強。気楽に行こうぜ。
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