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宮川さんとの学校での日常

Vtuberにはリアクションが大事

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 最近は放課後に宮川さんとVtuberについて話すことが日常になっている。

「ねえ。Vtuberのホラーゲーム配信見たことある?」

 となりの席の宮川さんが話かけてきた。

「あるよ。やっぱり自分の好きなVtuberが驚いたり、怖がっているところをみるのは楽しいよね。」

「うわー・・」

「引かないでよ!僕は紳士だから健全な目で見てるよ!」

 宮川さんは僕から距離を取ろうとする。なんでよ!決していやらしい目で見てはないぞ!

「それで私も見たんだけど。やっぱり、リアクションが大きいほうがおもしろいわね」

「たしかにそうだね。でも宮川さんには無理そうだね」

 宮川さんは怖がったりとか無理じゃないか?

「何を言っているの。私だってリアクションくらいとれるわ。そうね、何か面白い話をしてちょうだい」

「最悪の振りだよ!この振り方をされて何人の人が犠牲になったか計り知れないよ!」

 宮川さんは胸を張って自信ありげに言ってくる。面白い話しては本当にやめて。

「そうね。面白い話なんて、君にできるわけないものね」

「できるよ!」

「じゃあお願いするわ」

 やばいぞ。まじでどうしよう。とにかく話さないと!

「むかーし、むかし、あるところに・・」

「もういいわ。」

「早いよ!まだ絵本だと表紙を見ている段階だよ!おじいさんが芝刈りにすらいってないよ!」

「その入りの時点でもう0点よ」

 宮川さんは指で0を作って僕に見せつける。

「ひどいよ!宮川さんもやってみてよ!」

「私を誰だと思っているの。あの人気Vtuberよ。」

 なぜか宮川さんは自信満々だ。そんなに雑談に自信があるのか?

「ほとんどの人が知らずに死んでいくよ!チャンネル登録者数が3桁にいったからって調子にのったらだめだよ!」

「いくわ。 富。名声。力。この世の全てを手に入れた海賊王 ゴール・・・・」

「パクリはだめだよ!面白い作品のナレーションをしても面白くないよ!それにナレーションはあの声が至高だよ!」

 そうだぞ!あのナレーションの声が一番いいんだ。

「そうね。たしかにそれは認めるわ。とにかく私も今度ホラーゲームに挑戦しようと思うの」

「へー。ちなみに何のゲーム」

 ホラーゲームはVtuberも多くやっているしいいと思う。

「  King Jumpよ」

「なんかちょっと違うよ!それはどっちかというと配信している人がトラウマになっちゃうやつだよ!」

「いいじゃない。 King Jump」

 宮川さんは左手と中指でKing Jumpを再現している。

「いいけど、長時間クリアするまでリアクションを取り続けなければならない高難易度のゲームだよ!」

「もうじゃあ。何のゲームにすればいいのよ」

 宮川さんは投げやりな様子だ。もうちょっと自分で考えてくれよ。

「そうだね。やっぱりバイオハザ〇ドはホラーゲームの定番だと思うよ」

「ああー。あのバイオがハザ〇ドする話ね」

「この人何もしらないよ!ホラーゲーム見たって言ってたけど、絶対 King Jumpしかみてないよ!」

 バイオがハザ〇ドなんてホラーゲームの定番中の定番だぞ!多分。

「やっぱり、私はKing Jumpをするわ。まず、自分が楽しまないとリスナーを楽しませるなんて不可能だわ」

 宮川さんは拳を握ってやる気を出している。

「たしかにそうだね。じゃあ今から僕がゾンビのふりして宮川さんを襲うからリアクションしてよ」

「いいわ。私にまかせなさい」

 宮川さんは自分の胸を叩いてアピールしている。

「いくよ。 おおおー おおー おおおー」

「(・m・ )クスッ」

「笑わないでよ!」

宮川さんとの特訓は続く


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