となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい

usi(ウシ)

文字の大きさ
42 / 44
おまけ 宮川さんとの恋愛模様

おまけ 宮川さんと体育祭

しおりを挟む
  今日は体育祭の日。暑い日差しの中、僕たちは木陰で涼みながらグラウンドを眺めていた。

 宮川さんの方を見ると、汗を体操服の袖でぬぐっている。

 宮川さんの新鮮な体操服姿を見れたので、僕は満足だ。

 そう思っていると宮川さんが顔を手で仰ぎながら話かけてきた。

「はーー。まったくなんでこんな暑い日に運動しなくちゃいけないのよ」

「たしかにそうだね。でも高校生活の数少ない行事の一つだよ」

 確かにめんどうだ。僕たちは運動が特別得意でもないので体育祭では活躍の場などない。

「めんどくさいわね。今からVtuber大運動会にしない?」

 宮川さんは怒った声で言った。何を言ってるんだ?

「無理だよ!身バレまっしぐらだよ!それにVtuberなんて参加してくれないよ!」

 あったらとても面白そうだが、3Dの体を持っている選ばれしVtuberの人しか参加できないだろう。

「ああー。こんなことならVtuber専門学校にでも入るんだったわ」

 宮川さんは伸びをしながらだるそうに答える。

「たぶんないよ!あるとしても高校卒業の資格はもらえないよ!」

 そんなことを話していると僕たちの番がきたようだ。

 僕たちは二人三脚に出場する。ちょうど余っていたので役割を押し付けられたのだ。

「足を引っ張ったら私は配信にこの二人三脚の動画を上げるわ」

 彼女は冷たい声で脅してくる。冗談ではない。

「やめてよ!罰ゲームがきつすぎるよ!」

 そしてお互いの足に紐を結び付けて、肩を組む。

 今までになく密着してどきどきしてしまう。

 宮川さんの顔を近くで見て改めてきれいだと思った。

 そして二人三脚がスタートした。

 特に何の問題もなく無事にゴールできた。

「ふーー。無事にゴールできて良かったね」

「そうね。まあまあだったわ」

 宮川さんを見てみると顔がちょっと赤い気がした。

 恥ずかしかったのは僕だけではなかったらしい。

 そして昼食の時間が来た。


「宮川さん一緒にごはんたべようよ」

「しかたないわね」

そういって木陰に二人で座った。風が気持ちいい。宮川さんの弁当を見てみると相変わらず豪華だ。

「宮川さんのお弁当はすごいね。伊勢海老とか初めてみたよ!」

「ふーん。よく庶民のあなたがこの高級食材を知っていたわね」

 伊勢海老くらいだれでも知ってるわ。食べたことはないけど。

「庶民は余計だよ!しかも高級食材とかいいだしたよ!」

 ふと思ったが僕の家族は来ていないからいいけど、宮川さんはご家族と食べなくていいのだろうか?

「ところで宮川さんの家族はきているの?」

「父と母は忙しい人でね。いつもじいやが来ているわ」

 そういった宮川さんの顔は少し寂しそうだった。

「ごめんよ。無神経だったよ」

 自分の失言に反省する。人の家庭についての質問はよくなかったな。

「別にいいわ。あなたの無神経はいつに始まったことじゃないもの」

 宮川さんは気にしてないそぶりを見せて弁当を頬張っている。

「ひどいよ!僕は宮川さんと話すときは神経を張り巡らせているよ!」

 そうだ。いつも怒らせないように細心の注意を払っている。

「まあ、今年はいつもより楽しい体育祭かもね」

 宮川さんは僕の方を見ずに言った。今考えれば、今までの体育祭などはどうしていたんだろう。欠席していたのだろうか。それとも・・・

「宮川さん・・。僕のお弁当全部あげるよ!」

 僕は持っている弁当を差し出した。宮川さんにはいい思い出として今日の事を記憶していてほしい。

「いらないわよ!なんでいつも全部あげようとするのよ」

 宮川さんは慌てて僕から距離を取る。

「ごめんよ。ついテンションが上がってしまったよ」

 またやってしまった。

 そんな会話をしながら僕たちは弁当を食べ進める。すると宮川さんが突然自分の弁当箱を僕の方に渡してきた。

「特別に伊勢海老を上げるわ」

「いいの?ありがとう!」

 うれしい。伊勢海老なんて初めて食べる。これからも食べる機会なんてあるか分からないからな。

「日頃のお礼よ!人生で最後の伊勢海老をしっかり味わいなさい」

 宮川さんは馬鹿にした声でそう言った。勝手に最後にするな。

「勝手に最後にしないでよ!」

 人生で最初に食べた伊勢海老は本当においしかった。

 明日からいつもと同じ、宮川さんとの日常が続く


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密

まさき
青春
 俺は今、東大院生の実験対象になっている。  ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。  「家庭教師です。住まわせてください」  突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。  桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。  偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。  咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。  距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。  「データじゃなくて、私がそう思っています」  嘘をついているような顔じゃなかった。  偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。  不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。

甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。 平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは── 学園一の美少女・黒瀬葵。 なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。 冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。 最初はただの勘違いだったはずの関係。 けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。 ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、 焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。

処理中です...