追放された聖女は鬼将軍の愛に溺れて真実を掴む〜偽りの呪いを溶かす甘く激しい愛〜

有賀冬馬

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 朝の光が、ステンドグラス越しに差し込んでいた。きらきらと揺れる色とりどりの光は、とてもきれいで、私はほんの少しだけ、ほっとしていた。

「リュシア=エルフォード。王国の聖女として神に仕えるその身……今日、あなたに神託が下るでしょう」

 神官長の落ち着いた声が、神殿の奥に響く。私は祭壇の前にひざまずいて、静かに目を閉じた。聖女になってから三年目の春。ようやく私にも、正式な神託が下される日が来たのだ。

 少し緊張していたけれど、大丈夫。今まで、私はずっと神の声を感じてきた。傷を癒やす力も、植物を育てる力も、誰かを助けたいって心から思った時にだけ、ふわっと現れる不思議な光が、それを証明してくれた。だから、今日もきっと……。

 けれど。

「神の声は告げる。――リュシアは、偽りの聖女であると」

 その言葉を聞いた瞬間、時間が止まったような気がした。

 ……え?

 神官たちがざわめき、見守っていた貴族たちが声をあげた。私のまわりから、何か冷たいものが引いていくのを感じた。まるで、見えない手で心臓を握られたようだった。

「偽り……って、そんな……!」

 思わず声をあげた私に、神官長はまるで死人でも見るような目で言った。

「この神託は、聖なる光の神・レイフ様からの絶対の啓示です。そなたの罪は重く、聖女の名を語った罪は赦されません」

 罪? わたしが、罪人……?

 王族席から降りてきたのは、私の婚約者である王太子・レオニスだった。銀色の髪が神々しくて、やっぱり彼は王になるべき人だと、そう思った。けれど、その口から出てきた言葉は、信じられないものだった。

「リュシア。お前には失望した。婚約は、破棄する」

 それは、剣で刺されたような痛みだった。

「レオニス様……っ、でも、私……信じてください、私は……!」

「黙れ。偽りの者に、神の言葉など届くはずがない」

 あんなにやさしかった笑顔が、冷たい氷みたいになって私を見下ろしていた。

 まるで悪夢の中にいるみたいだった。まわりの誰もが、私をにらんでいた。今まで手を差し伸べてくれた神官も、やさしい言葉をくれた侍女も、全部――全部、私から離れていった。

 

 その日のうちに、私は「偽りの聖女」として断罪され、王都から追放されることになった。

 

 処罰は「追放」で済んだけど、それはきっと、神託に逆らえないけれど死刑にするのは面倒だ、とか、そんな理由だと思う。

 城の正門から歩かされる間、誰かが私に石を投げた。小さな子どもが、お母さんの後ろから「うそつきー!」って叫んだ。

 私はただ、黙って歩いた。うそなんて、言ってないのに。

 大好きだった王都の景色が、全部にじんで見えた。涙が止まらなかった。悔しくて、悲しくて、寂しくて、何もかも信じられなくて――。

 

 それでも、私は歩き続けた。

 誰も、助けてくれない。

 神様も、もういないのなら。

 

 それでも。

 

 歩き続けるしか、なかったから。

 

***

 

 あれから、どのくらい経ったのか、よくわからない。

 足元はもう、ふらふらで、靴の底はとっくに破れていた。おなかはぺこぺこで、喉もカラカラ。頭もぼーっとして、世界がぐらぐら揺れている。

 誰もいない荒野。草も生えていない、乾いた大地。

「ここで、死ぬのかな……」

 そんなことを思った時だった。

 ぱか、ぱか、と馬の足音が聞こえた。

 ……幻かもしれない、と思った。でも、次の瞬間――その人は私の前に、現れた。

 

 黒いマントをなびかせ、鋭い瞳でこちらを見下ろす男の人。黒髪、黒い瞳、まるで影みたいな姿。けれど、その人は馬から降りると、私に近づいて、しゃがみこんだ。

「……おい、大丈夫か」

 その声は、低くて、でもやさしかった。

 私はもう、何も考えられなくて、ただその人の胸にしがみついた。

「た、すけて……」

 ぼろぼろの声でそう言った時、彼はわたしを抱き上げた。

 

 その腕は、信じられないくらいあたたかくて――私はそのまま、気を失った。







 目を開けたとき、私は知らない天井を見上げていた。

 ふわふわしたベッドに寝かされていて、顔の横には冷たい濡れ布巾が置かれている。外からは、鳥の鳴き声と風の音が聞こえてきた。ここは……どこ?

 体を起こそうとして、すぐにやめた。全身が痛くて力が入らなかった。口の中は乾いていて、喉がひりひりする。けれど、それでも――私は、生きていた。

 

 あの時、たしか私は……荒野で倒れて……。

 そうだ、馬に乗った黒い人。黒髪の男の人が、私を抱き上げてくれた。

 

「起きたのか」

 不意に、低くて落ち着いた声が部屋に響いた。私ははっとして声のする方を向いた。

 扉の前に立っていたのは、あのときの人だった。

 黒髪に、黒い服。大きな体と鋭い目つきで、まるで戦場から来たみたいな雰囲気。けれどその人の手には、蒸気の立つ木の皿とスープが乗っていた。とても、不思議な光景だった。

「無理に動くな。おまえ、死にかけてたんだからな」

「……っ、ごめんなさい」

 なぜか、すぐに謝ってしまった。きっと、それしか言えなかったのだと思う。私の存在が迷惑じゃなかったか、怒っていないか、怖くて心がぎゅっとなっていた。

 でもその人は、少しだけ目を細めて、ベッドのそばに椅子を引き寄せた。

「何を謝るんだ。おまえは……助けを求めた。それでいい」

 そう言って、木のスプーンでスープをすくい、私の口元に差し出した。

「ほら、飲めるか?」

「……自分でできます」

 そう言って手を動かそうとしたけれど、ほんの少し動かしただけで腕がぷるぷる震えてしまった。

 結局、私は彼にスプーンでスープを飲ませてもらう羽目になった。

 少し恥ずかしかったけれど、体にあたたかいスープが入ってくると、心までほぐれていくような気がした。とても、優しい味だった。涙が出そうになるくらい。

「……おいしい、です」

「そうか。それはよかった」

 その人は、それきり黙ってまたスープをすくってくれた。部屋の中に響くのは、スプーンが皿に当たる小さな音と、私がスープを飲む音だけ。なのに、どこか安心できる時間だった。

 

 全部飲み終えたあと、私は少しだけ勇気を出して、彼に聞いてみた。

「あの、助けてくださって……ありがとうございます。わたし……あなたに助けられなければ、きっと……」

「礼はいらん。放っておける状態じゃなかっただけだ」

「……でも、助けてくれたのは事実です。お名前を、教えていただけますか?」

 そう尋ねると、男の人はほんの少しだけ眉を動かして、それからゆっくりと答えた。

「――ディラン・ヴェルト。北方辺境、ヴェルト領の当主だ」

 

 私は、その名前を聞いた瞬間、思わず息をのんだ。

 ディラン・ヴェルト。

 その名は、王都でも噂になっていた。勇敢で恐れ知らず、戦では無敗。けれど冷酷無慈悲で、敵には情けをかけず、味方にも笑わないという――鬼の辺境伯。

「……あの、鬼の、辺境伯様……?」

「その呼び名は嫌いだがな。まぁ、そう呼ばれてるのは事実だ」

 私は思わず身を縮めた。あの恐ろしい戦の英雄に、こんな風に看病してもらっていたなんて……。

「な、なんで、私なんかを助けてくださったんですか?」

「理由がいるのか?」

「えっ、でも……わたし、今、王都から……追放されて」

 そこまで言って、言葉が詰まった。

 “偽りの聖女”だと、言われたこと。誰にも信じてもらえなかったこと。大好きだった人に裏切られて、石を投げられたこと。まだ、うまく言葉にできなかった。

 

 だけどディラン様は、無理に聞こうとはしなかった。ただ、まっすぐに私を見て、こう言った。

 

「……おまえが、誰に追われていようと、どう思われていようと。ここでは関係ない」

 

「…………っ」

 

「ここは、王都から遠く離れた北の果て。おまえの過去なんて、どうでもいい。生きたいと思うなら、生きろ。俺はそれを手伝っただけだ」

 

 その言葉は、とても強くて、でもやさしかった。

 王都では、誰も私の言い分を聞いてくれなかったのに。この人は、私を責めなかった。

 涙が、こぼれそうになった。でも、私は必死で我慢した。泣いたら、全部が崩れてしまいそうだったから。

 

 そのあと、ディラン様は「無理はするな」と言って部屋を出ていった。

 私は、がらんとした部屋の中で、一人ベッドに横たわりながら、ぽつりとつぶやいた。

 

「生きても……いいのかな」

 

 その言葉が、静かに部屋に落ちた。

 

***

 

 それから、何日か経った。

 最初のうちは寝ている時間が多かったけれど、少しずつ体が動くようになって、ベッドからも起きられるようになった。

 窓の外には、広い草原と森が広がっていて、王都では見られなかった大きな鳥が空を飛んでいた。空気は冷たかったけれど、とても澄んでいて、深呼吸すると胸の奥まできれいになるような気がした。

 

「お嬢さん、起きてらっしゃるの? お湯を持ってきたわよ」

 部屋に入ってきたのは、やさしそうな中年の女性だった。カーラさんという名前で、この館の家政婦をしているらしい。

「ありがとうございます、カーラさん」

「ほほほ、礼なんていらないのよ。うちの旦那様があんたを連れてきた時には、もうびっくりしたわよ。『この子を助けろ』なんて、あの人が言うなんてねぇ」

「……ディラン様って、そんなに冷たい方なんですか?」

「冷たいというか……感情を見せないのよね。でも、根は悪い人じゃないわ。信じた相手には、命をかけて守るような、そんなところがあるの」

 

 カーラさんの言葉を聞いて、少しだけ心があたたかくなった。

 あの日、私を助けてくれたあの手のぬくもりが、うそじゃなかったんだと、そう思えた。

 

「それにしても……ずいぶん傷んだ服ね。あらまあ、ここなんか裂けてるわよ」

「あっ……!」

 カーラさんは私の服を見て、びっくりしたように言った。

 そう、私は追放されるとき、ほとんど何も持たせてもらえなかった。服も、身につけていたものだけ。魔石のペンダントも、聖女の証のローブも、全部取り上げられた。

 

「もう少し元気になったら、新しい服を作ってあげるわ。私、針仕事は得意なのよ」

「えっ、でも……そんな、申し訳ないです」

「お礼なんていいの。うちの旦那様が助けた子だもの。気にしなくていいわ」

 

 私は、何度も頭を下げた。感謝してもしきれないくらい、みんながあたたかくしてくれた。

 

 それは、王都にいた頃には感じられなかったものだった。

 偽りの聖女なんて、言われることもなくて。

 誰かの道具じゃなくて。

 ちゃんと、“一人の人間”として見てもらえる。

 

 ――ここでなら、もしかしたら私は。

 もう一度、生きていけるかもしれない。

 

 そう思えた、その日だった。

 ディラン様が、私に「散歩に出るぞ」と言ったのは。

 








 森の中の風は冷たくて、でもとても清らかだった。

 あの日、ディラン様が「散歩に出るぞ」と言ったのは、朝日がのぼってすぐのことだった。私はまだ体の調子が万全じゃなかったけれど、あの人の目を見たら、なぜだか「はい」と答えていた。

 黒い外套を羽織ったディラン様と一緒に、私は屋敷の裏にある小道を歩いた。まだ雪が残る道だったけれど、所々に春の花が咲き始めていて、小さな命の芽吹きを感じさせてくれた。

「この森は、ヴェルト領の中でも聖域に近い場所だ。魔物もあまり寄りつかん。安全だ」

「……そうなんですね。なんだか空気が澄んでいて、王都とはまるで違います」

 王都の空気は、きらびやかで美しかったけれど、その美しさの下には冷たい視線や、押しつぶされそうなほどの期待が渦巻いていた。私はいつも息苦しかった。

 でも、ここでは深呼吸できる。目を閉じれば、心の奥まで風が通り抜けていくみたいだった。

「……おまえは、王都の人間だろう。どうしてこんな場所まで来た」

 ディラン様の声は低く、でも優しかった。無理に問いただす感じではなくて、ただ、私の心に触れようとしてくれているような……そんな声だった。

 私は、少し迷ってから、ゆっくりと口を開いた。

「わたしは、“聖女”でした。神の声を聞く力があると言われて、祝福を与える存在として選ばれたんです。でも……」

 足元の小石を見ながら、言葉を続ける。

「ある日、神殿で神託が下ったと告げられました。“この女は偽りの聖女である”って……。それだけで、すべてを失いました。信じてくれた人たちも背を向けて、大切な人にまで……」

 声が震えた。けれどディラン様は何も言わず、ただじっと聞いてくれていた。それだけで、私はどこか安心して、ぽつりぽつりと話し続けた。

「理由も知らされずに、牢に入れられて、数日後には“追放”されて……。何も持たされず、着の身着のままで荒野に放り出されました。もう、生きてるのが苦しくて……」

「…………」

 しばらくの沈黙が流れた。

 でも、木々のざわめきや鳥の声がその沈黙を優しく包んでくれて、私はそれをつらく感じなかった。

 そしてディラン様が、ぽつりと小さな声で言った。

「……誰かに信じられるというのは、時に、呪いにもなる」

 私は顔を上げて彼を見た。その横顔には、影のような悲しみが浮かんでいて、私はなぜだか胸が締めつけられる気がした。

 けれど、それ以上は聞けなかった。彼にも、きっと過去があるのだろう。でも、それを言う義務なんて、誰にもない。

 

 その日から、私は少しずつ、辺境伯の館での生活に慣れていった。

 

 朝はカーラさんが焼いてくれるパンの香りで目覚めて、昼は屋敷の中を歩き回って少しずつ体力を戻して、夜には書庫で本を読む時間をもらった。

 

 ディラン様とは、毎日ではないけれど、時々食事を一緒にした。

 彼は無口で、食事中もあまり喋らなかったけれど、ときどき「スープはどうだった?」とか、「寒くないか?」とか、さりげなく私を気づかってくれた。

 その一言が、私にとっては何よりも嬉しかった。

 

 





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