まねきねこと結びし縁

振悶亭めこ

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スン、スン、スン……
 ムギは大地の陰茎に鼻を近づけ、匂いを嗅ぐ。初めて嗅いだその匂いに、うっとりと目を細め、愛しげに頬を寄せて頬擦りをした。
「大地の匂い……きちんと覚えた」
「ちょ……ムギ、息が……!」
 スン、スン、スン……
 スリスリと、柔らかなムギの頬が陰茎に触れ、吐息が触れる度に大地の陰茎はぴくり、ぴくりと反応し、硬さを増していく。
「次は……っと。大地の味、覚えたい」
 ざらり。長く出したザラつく舌でムギは大地の陰茎を舐める。
「んんっ、ザラザラする……」
 大地にとっても猫の舌での口淫は初めての経験で、言いようの無いゾワリとした感覚が背中を駆け上る。
 ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
 皿の中のミルクを飲む舌遣いで、ムギは夢中になって大地の陰茎を舐め回した。ピクピクと脈打つ大地の陰茎は、硬く大きく反応していく。
「ムギ、嬉しいんだけど……んっ、オレからムギに触れたいな。なんて」
 大地の片手が軽くムギの顎を掬い、上を向かせた。屈んだ姿勢で、大地はムギの唇にちゅっ、ちゅ、と湿った音を立ててキスをする。
 ムギは初めてされた時とは違う、甘く切ない大地の唇の感触に、溶けてしまいそうになった。
「んっ……ふぁ、大地……好き」
「かわいい、オレもムギが好きだよ」
 唇の位置を変え、大地はムギの首筋や鎖骨、白衣しらぎぬの襟元をはだけさせて、外気に触れたムギの胸元にもキスを落としていく。
 今までに無い昂まりに、ムギはフルリと身を震わせた。
「あっ……んんぅっ!」
 意図せず出てしまいそうになる声を隠すように、ムギは身に纏う白衣の袖を噛んだ。
「恥ずかしいなら構わない。けど、出来たらムギの声聴かせて」
 無言で頷くムギの胸元の、小さく可愛らしい乳首の先端を、大地は舌でつつく。
「んむっーーーっ!」
 背中を仰け反らせるムギの体を、大地は片腕でがっしりと支えた。胸元への愛撫を繰り返すうちに、ムギの呼吸は乱れていった。
「はーっ、はあぁっ、んんぅ……っ」
「ムギのおっぱい、ちゃんと反応してるね。真ん中は硬くコリコリしてきて、周りはぷくっと浮き上がってきてる」
 ちゅぱっ!
 大地はムギの乳首を口に含み、軽く吸い上げながら先端を舌先でレロレロと舐め回した。
「んっ、んんぅーーーっ、はっ!んあああぁっ♡」
 ムギの内側から、甘い戦慄が巻き起こり、噛んでいた白衣の袖から口を離して首を仰け反らせ、喘ぎ出す。
 スルリ、衣擦れの音を立ててムギの袴が脱がされた。大地の唇がチュッと音を立てて乳首から離れ、下腹部へ移動しながら何度もムギの体にキスを散りばめていく。
「んはぁ……大地、そこは汚い、よ?」
「汚くない、ムギはちゃんと綺麗にしてるじゃん」
 脚を広げられ、腰を突き出す姿勢を取らされる。ムギのまじまじと見られる事など無かった淡く色づいた蕾は、ヒクリ、ヒクリと開花の時を待ち侘びるように蠢いていた。
「ひゃっ!んんんんっ♡あああぁっ」
 大地の指先が、ムギの蕾を幾度か撫でさすり、ヌルリとした名状しがたい感触がムギの身体から力を奪っていく。
 レロっ、レロレロレロぉ。
 舌先を使い、大地は優しく蕾を開くように丁寧に舐めていく。
「んにっ♡ああぁっ♡んにゃああああっ」
 窄まった舌先がヌルヌルと動き、浅い場所に入り込んでくる。繊細な粘膜の中で大地の舌先が動く度、ムギはビクビクと身を震わせ、茶色い耳や髪の毛を時折揺らし、心地よい痺れをぐっと堪えていた。ぎゅっと握り締めた拳に、大地の手のひらがそっと重ねられた。
「力、抜いて。気持ちいい事は共同作業?なんだよ」
「んぅぅ……♡大地、好きぃ」
 荒い吐息の合間の囁きは甘く、湿り気を帯び、蕩けるような表情でムギは大地を見上げた。
「もっと、ちゃんとしたいけど……今は出来ないや」
「んー?交尾?きて……大地の交尾、教えて?」
 ムギの蕾に、熱く硬いものが触れたのが分かる。
 ヌルッ!ヌルッ!ずぷぷぷぷぷぷっ!
「んににぃっ!んっ♡んんんっ♡んあああっ」
「ムギの中、熱くてキツイ……っ」
 大地の陰茎が、ムギの蕾をこじ開ける。ムギの粘膜はキュウキュウと蠢き、自然と大地の陰茎を奥へと誘っていた。
「はーっ♡はっ、んにぁ」
 大地は、更に奥まで押し広げるように陰茎を押し進めた。二人分の湿り気を帯びた呼吸は、荒くなっていく。
「んんっ、凄い……ムギの中に根本まで入った……こんなに気持ちいいなんて、知らなかった!」
「はぅ……ああぁ♡大地、もっと気持ちよくなって♡」
 コクリと大地は頷き、腰を大きくスライドさせて律動を開始する。
「んにっ♡ああっ♡あぁあぁっ」
 パンっ!パンっ!パンっ!
 他には誰も居ない、熱病から取り残された日陰に、肉と肉のぶつかり合う音が響く。ムギは握り締めていた手のひらを開き、大地の手に指を絡ませてぎゅっと握り締めた。
「ムギ……かわいい、どこもかしこも蕩けさせて……」
「あっ♡あぁあああぁ♡大地にっ、えぐられてぇっ♡お腹の中っ、あついよぉ♡♡♡」
 バチュン!バチュン!バチュン!バチュン!
 徐々に律動は早まり、大地は陰茎をムギの出入り口まで引き抜いては奥まで力強く打ちつける動きに専念していた。
「ひゃううんっ♡あぁっ、にゃっ♡にゃにこれぇっ♡ふわふわして……んあっ♡目の裏がチカチカしゅるっ♡♡♡」
「はーっ、はっ。ムギ、それが気持ちいいって事だよ」
 何かが陰茎に迫り上がってくる、電流が流れているかのような快感に、ムギの声も大きくなった。同時にムギの中で大地の陰茎も、ビクビクと脈打っていた。大地の片手が、上を向き透明な蜜の溢れるムギの陰茎をそっと掴み、先端をヌルヌルと親指の腹で撫で回していく。
「やっ♡ひにゃあああっ♡それっ、にゃんかくるぅっ♡きちゃうよぉ、だいちぃ♡」
「は……んんぅ、ムギ、一緒にイこうね」
 バチュン!バチュン!バチュン!
 大地はムギの陰茎を刺激しながら、奥深くを何度も貫く。
 どぷぷぷっ!どぷっ!どぷっ!
「ひにゃっ♡あぁああっ♡溢れちゃ……っ♡あああぁああっ♡♡♡」
 白く濁った欲望を、想いを、大地は全てムギの奥深くへ吐き出した。ムギは恍惚とした表情を浮かべ、受け止めた熱に反応して先端からピュクピュクと白濁を放ち、白い腹部を汚した。
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