たぶん荘、きっと荘〜道祖神大家とイチャラブなんてあり得ない!?〜

振悶亭めこ

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プロローグ:神様が嘲笑う日

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 ああ……『ケガレ』の臭いがする。臭くて敵わん。早く我の上から退かぬかこの人間。
 帯や腰紐までもを解かれ、着物は羽織っているだけの状態まで素肌を暴かれる最中も、白亜は和也をねめつけ、ぼんやりと思考を巡らせていた。
 バシンッ!
 乾いた音と共に、白亜の頬に痛みが走る。振り下ろされた、和也の平手の衝撃に白亜は目を見開いた。
「その目が気に入らねぇんだよ、ムカつく!」
 理不尽な怒り。人間とは理不尽な生き物だと白亜は知っている。だからと言ってサンドバッグになる気は無い。
「何に対して怒っている?全ては貴様のしでかしてきた事の積み重ねであろう」
「……っ!マウント取ろうとすんじゃねぇっ!」
 今現在、白亜を組み敷いて物理的にマウントを取っているのは和也であるが。
 バシンッ!
 和也はもう一度手を振り上げ、白亜の頬を打った。白くきめ細かな白亜の頬が、赤く腫れた。解いた腰紐を手に取り、和也は白亜の手首をきつく縛り、脚を強引に開かせた。
「クッソムカつく大家な上に、男なのが残念だけどよ……分からせる為だ、我慢しとくか」
 開いた白亜の股間に目を向け、和也はアナルに指を這わせる。肌の色よりワントーン濃いだけの色味の、使ったことがあるのか無いのか分からない、本来なら排泄器官として存在するその部分に、和也は躊躇い無く指を挿入した。
「ひっ……ぐっ!」
 びくり、と身を震わせ、白亜の口から堪えていても漏れてしまうような、短い呻き声が上がった。
 浅はかにも程がある、この人間は何を考えているのだ?この程度の痛みなど、最悪堪えていればどうとでもなるものだ。我を、どうしたいと考えている?
 グリッ、グリッ、ズププププッ!
「……ぅっ!んぐぐっ!」
 加減を知らない和也の指が、白亜の内部を抉る。挿入する指を増やされたのだろう、増していく圧迫感と痛みに、白亜はほんの少しだけ怖くなった。
 ズポッ!ズポッ!グリッ、グリッ……
「んっ!んああぁっ!」
 和也の指が、白亜の内部のしこりを掠める。同時に白亜は軽く首を仰け反らせ、一瞬上擦った声をあげた。
「ここか?縛られて、無理矢理尻をほじられて気持ち良くなってんのかよ……マジ変態じゃん」
 白亜が反応を示した、しこりの部分を和也は執拗に指で擦る。その度に白亜はビクビクと身を震わせ、縛られた不自由な手首を口許に寄せて、必死に声を殺そうとする。
「んーーーっ!んんぅっ!」
 我は蔭間では無い。こんな感覚など知りたくはない……気持ちとは裏腹に反応し始めてしまう身体のアンバランスさに、白亜の目元には涙が滲んでいた。
「うわ、キッモ!ちゃっかり勃起させてやがる」
 ズポッ!白亜の中から指が引き抜かれた。ほっとする間もなく、指とは比べ物にならない熱と質量のものが、白亜の入り口に当てられた。
「ひっ!?」
 ぞくり、白亜の背筋に悪寒が走る。思わず身をこわばらせた時だった。
「あああっ!ひぎぃっっっ!」
 ミチミチと内臓を引き裂かれるような激しい痛みと、未知の領域だった圧迫感に、白亜は悲鳴をあげた。スマートフォンを片手に白亜を見下ろす和也の表情は邪念に満ち、酷く歪んで見えた。
「はい、貫通ー!初めてだった?オレをナメてっからこうなるんだ、よっ!」
「はっ……んっ!んぎいぃっっ!」
 腫れた頬を涙が伝う。白亜は少しでも痛みから逃れようと、必死で身を捩りもがいた。それも、この暴力行為の前では長くは続かない。
 ズブッ、ズブッ、ズブッ、ズブッ!
「あ……っ、ぐっ!止め……っ!ああああっ!」
「今更逃げるつもりか?無理だろうな」
 和也の腰を打ち付ける動きに、一切の容赦も無い。怒張が白亜の奥を突いては入り口まで引き抜かれ、また奥まで突き上げる。逃げられなくなった白亜は、行為の終わりを願い始めた。
「しっかし、小せぇ乳首だなぁ。マジで身体使った事ねーのか?」
 ギュウウ!和也の指先が、白亜の淡い色味の小ぶりな乳首に触れ、強くつねり上げた。
「ひぅっ?ぁ……っ!んああっ!あああぁっ!」
「おい、乳首も気持ちいいのかよ。尻穴キュウキュウ締め付けやがって」
 腰を強く打ち付け、白亜の内部を乱暴に突き上げながら、和也は白亜の小ぶりな乳首を指で押し潰し扱いていく。
「ああぁ……っ!は……っ、あああっ」
 何だ……!?我の中に……何故このような声が出るのだ?白亜の精神と肉体は相反し、少しずつ声色は湿り気を帯び、艶のあるものへ変わっていく。
 パンっ!パンっ!パンっ!パンっ!
「わかってきたか?腰が揺れてきてるぞ。とっとと屈しろこの変態野朗!」
「んあぁっ!は……っ、人間ごとき、のっ……ああぁっ、魔羅でぇ……あああんっ!屈するもの……かぁっ!」
 奥まで強く突き上げられる感覚に、白亜の腰は自然と揺れ始めていた。『ケガレ』に呑み込まれてしまう……という意識と同時に、苦痛の中から何かが生まれてくるような、不思議な心地良さも感じ始めていた。
「中に出すぞオラッ!」
 ドドドドドっ!ドクドクドクッ!
 和也の白濁した、大量の『ケガレ』が勢いよく白亜の中に注ぎ込まれる。
「そのような……っ、ものでぇ……あああぁっ♡我がぁ……んふぅっ♡神がああぁっ、ああああぁっ♡♡♡」
 ドピュッ!ドピュピュッ!
 注ぎ込まれた熱に、『ケガレ』に呑み込まれる。白亜は身体を大きく仰け反らせ、ビクビクと全身を震わせながら白濁を放った。

 ふわふわする。気持ちいい……『ケガレ』に呑み込まれるとは、このような事だったのか。
 荒い呼吸の中、白亜は自身の中に新しい何かが生じたことを悟った。
「今のはしっかり動画撮ったからな。ネットでバラ撒かれたくなけりゃ、大人しくオレの言う通りにしろ」
 和也は下卑た笑いを浮かべる。先程の行為を動画に映したスマートフォンの画面を、白亜に見せつけて。白亜はふぅ、と、小さくため息をついた。
「バラ撒いても構わぬ。が、貴様の個人情報のテロップをしっかり付けておくぞ」
「は?元の動画はオレが持ってんだけど」
「神通力で付ければ問題無い。貴様が社会的に死亡するだけだ」
 ゆっくりと身体を起こし、手首を戒めていた紐を口で解いて、白亜は妖しく艶めかしい笑みを浮かべた。
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