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第四章:曖昧になる境界線
①
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あの後、オレは空っぽになるまで白亜さんに搾精された。三回目までは遠慮がちだった白亜さんも、それ以降は何かが吹っ切れたように積極的になり、オレが空っぽになるまで騎乗位で跨り、腰を振り続けた。
「回復は、してんのか?」
疲れ切って、布団に寝転がったまま聞いてみた。
「それなりに、だ」
搾精を終えて、白亜さんは省エネモードの稚児姿でオレの隣に寝転がっている。手持ち無沙汰だった腕で、抱き枕感覚で白亜さんの身体を抱きしめた。
「それなり……って事は」
「出来たらで構わぬ……また、頼みたい。我の不甲斐無さ故、たぶん荘の事については……期限通りに決めて貰う代わりに、もう一つの選択肢を与えよう」
与えられた三つ目の選択肢は、白亜さんの家の間借りをするというものだった。条件として挙げられたものは、次の通り。
・たぶん荘から退居する事
・定期的に搾精をさせる事
・今まで通り、配信アシスタントをする事
この三つが、退居後に家賃を無料にして、間借りをする為の条件だと言う。
「これだけでは、金は稼げぬがな」
稼げない事は、困る。白亜さんと一つ屋根の下での生活になると、以前のように女を引っかけてきてセックスして、金を貢がせる事は出来ないだろう。
「女連れ込んでもいーってなら、少額のアテはあんだけどよー……」
もぞ、と腕の中の稚児姿の白亜さんが身じろぎ、赤い目でオレを睨みつけてきた。
「致し方ない……和也が仕事を見つけるまで、家政夫でもさせよう。何、家賃を取らぬ分、安くはなるが、家賃がかからぬ分には何とかなる程度には給与を出そう」
一度たぶん荘を退居し、白亜さんの家で下半身の世話もする。住み込み家政夫になれ。という提案。家賃もかからず、ショボそうではあるが金は入る。らしい。が……
「白亜さん、明日まで考えさせてくれ」
流石に毎日空っぽになるまで搾精と言われたら身が持たない。考えをまとめたとしても、近いとは言え荷物を運ぶ引越しの日に一日はかかるだろう。
「分かった。和也、明日必ず返答をしに来るように」
アパートの更新、又は退居まであと一日。
西村和也は、朝の早い時間から何度も出入りしている古民家の、見慣れた客間で茶を飲んでいた。ここの家主・白亜さんから出される茶は、いつも常温のペットボトルの茶。今更気にするとすれば、茶よりも白亜さんの食生活だろう。白亜さんはあれば他にも食べるものの、放っておくと基本カップ麺とゼリー飲料しか口にしない。
ちんちくりんな、稚児姿の白亜さんが書類らしきファイルを抱えて座卓を挟んだ、オレの向かい側に膝立ちになった。
「たぶん荘の件だが、和也。返答を聞かせよ」
「……退居後に、白亜さんの家を間借り。住み込み家政夫をする。更新の金も、行くアテもねぇんだ。消去法でそれっきゃねーだろ」
ぱらり。紙の捲れる音。座卓に身を乗り出して、白亜さんは書類とボールペンを差し出してきた。
「あー……まあいい。住む場所と光熱費差し引いてなら、仕方ねぇな」
受け取った書類、というかコピー用紙に手書きで書かれていたものに目を通す。住み込み家政夫に関して、給与やら何やらに関する事が書かれていた。
「仕方が無いと思うならば、働いておけば良かったであろう?」
少し、拗ねたんだろうか?膝立ちから姿勢を変え、座布団の上に正座をし、装束の膝の辺りをきゅっと握り締めて、白亜さんはそっぽ向く。
「いやいや、アテもねぇっつってんだろ。白亜さん、この家に引っ越すとして、いつ荷物を運べばいいんだ?」
「……今からだ。明日の夕方には終わるように。大変ならば、蔵の中にリヤカーがある。それを使え」
こうしてオレは、徒歩で一分以内の超短距離の引越しを、何とか一日半で終わらせた。内容はともあれ、更新または退居の二択でイラついたり悩んだりする必要も、無くなった。
「回復は、してんのか?」
疲れ切って、布団に寝転がったまま聞いてみた。
「それなりに、だ」
搾精を終えて、白亜さんは省エネモードの稚児姿でオレの隣に寝転がっている。手持ち無沙汰だった腕で、抱き枕感覚で白亜さんの身体を抱きしめた。
「それなり……って事は」
「出来たらで構わぬ……また、頼みたい。我の不甲斐無さ故、たぶん荘の事については……期限通りに決めて貰う代わりに、もう一つの選択肢を与えよう」
与えられた三つ目の選択肢は、白亜さんの家の間借りをするというものだった。条件として挙げられたものは、次の通り。
・たぶん荘から退居する事
・定期的に搾精をさせる事
・今まで通り、配信アシスタントをする事
この三つが、退居後に家賃を無料にして、間借りをする為の条件だと言う。
「これだけでは、金は稼げぬがな」
稼げない事は、困る。白亜さんと一つ屋根の下での生活になると、以前のように女を引っかけてきてセックスして、金を貢がせる事は出来ないだろう。
「女連れ込んでもいーってなら、少額のアテはあんだけどよー……」
もぞ、と腕の中の稚児姿の白亜さんが身じろぎ、赤い目でオレを睨みつけてきた。
「致し方ない……和也が仕事を見つけるまで、家政夫でもさせよう。何、家賃を取らぬ分、安くはなるが、家賃がかからぬ分には何とかなる程度には給与を出そう」
一度たぶん荘を退居し、白亜さんの家で下半身の世話もする。住み込み家政夫になれ。という提案。家賃もかからず、ショボそうではあるが金は入る。らしい。が……
「白亜さん、明日まで考えさせてくれ」
流石に毎日空っぽになるまで搾精と言われたら身が持たない。考えをまとめたとしても、近いとは言え荷物を運ぶ引越しの日に一日はかかるだろう。
「分かった。和也、明日必ず返答をしに来るように」
アパートの更新、又は退居まであと一日。
西村和也は、朝の早い時間から何度も出入りしている古民家の、見慣れた客間で茶を飲んでいた。ここの家主・白亜さんから出される茶は、いつも常温のペットボトルの茶。今更気にするとすれば、茶よりも白亜さんの食生活だろう。白亜さんはあれば他にも食べるものの、放っておくと基本カップ麺とゼリー飲料しか口にしない。
ちんちくりんな、稚児姿の白亜さんが書類らしきファイルを抱えて座卓を挟んだ、オレの向かい側に膝立ちになった。
「たぶん荘の件だが、和也。返答を聞かせよ」
「……退居後に、白亜さんの家を間借り。住み込み家政夫をする。更新の金も、行くアテもねぇんだ。消去法でそれっきゃねーだろ」
ぱらり。紙の捲れる音。座卓に身を乗り出して、白亜さんは書類とボールペンを差し出してきた。
「あー……まあいい。住む場所と光熱費差し引いてなら、仕方ねぇな」
受け取った書類、というかコピー用紙に手書きで書かれていたものに目を通す。住み込み家政夫に関して、給与やら何やらに関する事が書かれていた。
「仕方が無いと思うならば、働いておけば良かったであろう?」
少し、拗ねたんだろうか?膝立ちから姿勢を変え、座布団の上に正座をし、装束の膝の辺りをきゅっと握り締めて、白亜さんはそっぽ向く。
「いやいや、アテもねぇっつってんだろ。白亜さん、この家に引っ越すとして、いつ荷物を運べばいいんだ?」
「……今からだ。明日の夕方には終わるように。大変ならば、蔵の中にリヤカーがある。それを使え」
こうしてオレは、徒歩で一分以内の超短距離の引越しを、何とか一日半で終わらせた。内容はともあれ、更新または退居の二択でイラついたり悩んだりする必要も、無くなった。
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