たぶん荘、きっと荘〜道祖神大家とイチャラブなんてあり得ない!?〜

振悶亭めこ

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第四章:曖昧になる境界線

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 西村和也が白亜の家で、住み込み家政夫を始めて季節が移ろった頃。むせ返るような眩しい夏が過ぎ、木々は赤や黄色に色付き始めた頃だった。
 白亜さんの裏アカ、アラミタマのクロアさんのアカウントや動画も続いていた。メスお兄さんを目指す所か、最近ではドMお兄さんキャラが定着しているような気がするが……本人がそれを楽しんでいるようだし、余計なツッコミを入れて水を差すような事はしないでおこう。それにしてもクロアのアカウントはよく伸びたものだと思う。
 今夜は動画チャンネル登録者数4545人突破記念配信をすると、白亜さんは少し前から鼻息を荒くして言っていた。
 オレは掃除を終わらせて、飯を炊く合間に配信で使っている二階の和室に、今夜使う道具を一式、用意した。
 その間、白亜さんは何食わぬ顔をして、家賃を支払いに来たジジババと、客間で談笑していた。数時間後にはメス顔晒してイき散らかす白亜さんの顔を、直接見るのはオレだけだと思うと、不思議と気分が高揚してくる。
 
 炊けた飯に梅干しや昆布の佃煮を入れて、小さめのおにぎりを作り、皿に乗せていく。
「米の炊いた匂い……握り飯か」
 客間に来ていたジジババが帰ったのだろう。いつの間にかオレの背中にピトッとくっ付いてきた白亜さんが、おにぎりの皿を覗き込んできた。
「右が梅干し、左が昆布だ。腹減った時にテキトーに食え」
「それでは一つ、頂こう。我は今、和也が握っているものが良い。食わせてくれ」
 あーん、と雛鳥みてえに口を開けて待ってやがる。白亜さんは最近、やたらと距離感が近い。よく甘えてくるようにもなった。心臓に悪い半面、オレは嬉しくもあった。
「ほらよっ」
 白亜さんの口の中に、おにぎりを押し込む。幸せそうにおにぎりを頬張る姿に、自然と気持ちが和んでいく。
「白亜さん、腹が満たされたら今夜の配信用リクエストまとめといてくれ。その後は、いつでも始められるよーにしてあっから」
「ふむ。了解した」

 古民家の、二階に灯るあかり。清掃されてはいるものの、漆喰の壁や古めかしい柱、カメラに収まる場所に置かれた文机が、独特の淫靡さを醸し出していた。
 カメラの中心に写るように、座布団の上で白亜が正座をしている。さらりとした着流し姿だ。
「白亜さん、カメラ回すよー。3、2、1!」
 カメラが回り始めた。白亜はクロアと名乗り、お決まりの挨拶をした。
「今夜はチャンネル登録者数4545人突破記念配信となる。皆のもの、感謝する」
 カメラに映らない位置にセットしてある、配信用のモニターに、テロップが表示された。本日のメインプレイだ。
『4545人突破記念♡クロアの身体に卑猥な落書きして欲しい』
「書いて貰う内容は、募集したものだ。重複するものは合わせて一つとして扱う」
 軽い説明の後、黒い作務衣と天狗面を身に付けた和也が画面の中に入り、片手にペンを、もう片方の手にはメモを持って、画面の端に映るようにして立ち止まる。
「クロア……まずは脱いでみろ」
「はい、ぬしさま。どうかクロアのストリップをご覧下さい」
 どこか嬉しそうな口調で返事をするクロア。立ち上がり、畳の上でシュルリ、シュルリと衣擦れの音が静かな和室に響く。
 クロアはゆっくりと帯を解き、腰紐を解いた。はらり、と帯や腰紐が畳の上に落ちる。白く、しなやかな手で摘まれた着流しの、合わせがゆっくりと開かれた時、クロアはカメラに背を向けた。
 羽織っているだけの状態の着流しを、ゆっくりと下にずらしていく。白い肩や、肩甲骨が露わになり、下着を付けていない柔らかそうな尻たぶが露わになる。スローモーションのように、クロアの纏っていた着流しが、畳の上に落ちた。
 足袋だけを身につけた、白くきめ細かな肢体を、クロアはカメラの前に晒した。

「んじゃ、落書き始めるぞ。まずは上位二つと、場所指定アリのモンから」
 きゅぽん、ペンの蓋がいい音を立てて開く。和也は白亜の顔と身体をカメラの方を見るように向かせ、頬に軽く手を添えて、キュッキュと音を立てて文字を書き始めた。
「ドM、淫乱、が圧倒的上位でしたー!顔はあんま多く書けねーから、他はこれを」
 口許へ矢印を書き「口ま×こ」の文字を書く。クロアの整った顔に卑猥な落書きをする。背徳感に、和也は確かな興奮を覚えていった。
「んん……っ、ぬしさまぁ……」
 ペンの音の合間に、時々クロアのくすぐったそうな声が混じっていた。
「じゃんじゃん先進めっからな!クソ雑魚乳首、噛んで下さい、役立たずクリペ×ス、パイパン、お賽銭はザー×ン支払いのみ!……みんな容赦ねぇなオイ」
 身体に書き込まれていく落書きの内容を、和也の口から告げられる。クロアも興奮しているのだろう。身を震わせ、息遣いが荒くなってきている。頬は色付き始め、形の良い男性器は甘く上を向きかけていた。
「次は場所指定無しのヤツ。変態、メスイキ大好き♡、公衆便所、万年発情期、おち×ぽケース、中出しお願いします、底辺性奴隷……えげつねー!お、メスお兄さんってのもあるぞ、良かったなクロア」
「はぁ……んっ♡あぁっ♡はい、クロアは嬉しいですぅ♡」
 卑猥な落書きに、クロアの白い肌が汚されていく。その様を、カメラはしっかり映し出し、顔も名前も知らぬ人々に届けていく。
「残りは……背中側がいいだろな。クロア、髪の毛かき上げて、カメラに背中向けろ」
「はい……ぬしさまぁ♡」
 まだ落書きの少ないクロアの背面に、和也はペンを走らせた。
「みんなのズリネタ、トイレはキレイに使いましょう、クソビッチ、こうもんであそんではいけません、オナニー狂、たくさんぶっかけて♡……あははっ、これはオレも落書きしてるだけで興奮する。みんな、ありがとなっ!」
「はぅ……っ、ああぁ♡ひどいっ、酷い事たくさん書かれて……あんっ♡クロアも……気持ちよくなってきて……っあああぁ♡」
 自然と腰が揺れ動いていたクロアの尻たぶを、ピシャリと和也の平手が打った。
「あひいいいいいっ♡♡♡」
 はらり、と和也の手にしていたメモが、画面の外の畳の上に落ちた。
「クロア、あと少しだ。みっともなく腰ヘコヘコさせてねぇで、真っ直ぐ立ってろ」
 和也は再び、クロアの身体の向きを変え、髪をかき上げ頭の後ろで手を組んだままの、クロアの二の腕に手を添えた。
 真っ白な二の腕には、「祝!4545人突破!」「アラミタマのクロアさんのチャンネル登録よろしく♡」の文字が書かれた。
「落書きは以上。最後の祝辞や宣伝メッセージを落書き案に送ってくれた人もありがとう。全体的に、割と酷くて良いじゃん、クロアも役立たずのモン勃てて悦んでやがるし」
「はーっ♡はあぁっ♡役立たずで……っ♡ごめんなさい」
 役立たずと落書きされ、揶揄されたクロアの中心にそそり立つ男性は、上を向いて透明な粘液をダラダラと垂れ流していた。
 クロアのこういう所だ。もっと酷く虐めてみたくなる。嗜虐心を煽られ、離れがたくなってしまうのは。
「身体にエロい落書きされただけで、ダラダラ汁流す役立たずのクロアに、必要なモンあんだろ?言ってみろ」
「……はい、ぬしさま……♡クロアには……お仕置きが、必要です♡」
 恍惚の表情を浮かべるクロア。酷い落書きまみれになったクロアの肢体を、和也はなめした麻縄できつく戒めていった。
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