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エピローグ:神様に誓う日
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うっとりと蕩けた目で、白亜はクロアの仮面を被り、カメラを見つめて荒い呼吸を繰り返していた。今、身につけているものは、羽織っているだけの状態の長襦袢と、足袋。「白亜」と「クロア」の境界線は曖昧になり、呼称の違い程度になって久しい今日この頃。
配信のコメントには「固さが抜けて親しみやすくなった」「最近更に可愛くなってない?」等も寄せられていた。
「きょ……♡今日も、クロアの恥ずかしいメスイキ遊び♡見て下さって、ありがとうございましたぁ♡次回は、ぬしさまに来て頂きまして、罰ゲーム付きローションガーゼ耐久をぉ♡配信致します……クロア、耐えきれるのか少し不安ですが……頑張りますっ」
古民家の、二階の和室の入り口から、バイトから帰ってきた和也がそっと覗き込み、配信のシメを見守っていた。チラリと合った視線に、クロアの身体は再び疼き始める。
「ぁ……ふっ♡それでは、本日のアラミタマのクロアさんセルフ開発メスイキ配信、終了致します♡チャンネル登録、質問、リクエスト等も嬉しいです♡それでは次回もよろしくね」
手を振り、クロアはカメラに向かって無邪気な笑顔を見せていた。モニターの中は、ポップなフリー素材音楽が流れてフェードアウトしていった。今日も無事、配信が終わる。
「おつかれさん」
片付けをほぼ終えた辺りで、和也が部屋に入ってきた。片手で頭をワシャリと掴まれ、白亜はぎゅっと目を閉じた。
ワシャシャシャシャッ!
和也の手が、白亜の頭を撫でくり回す。
「ぬしさまぁ……頭ぐちゃぐちゃになってしまう……のでぇ」
「いやー、ローションガーゼ耐久って何?えげつなくて酷い罰ゲーム直行じゃね?」
「罰ゲームもぉっ、嫌いじゃない、ですし……っ、ぬしさまにえげつなくて酷い事たくさんされて……っ、蹂躙されたい……あうぅっ」
白の絹糸のような髪を、白亜の頭がガクガク揺れてぐちゃぐちゃになる程撫でくり回していた手の動きが、止まった。
首筋にするりと和也の指先が這う。身体が反応してしまわないよう、白亜はグッと堪えていた。
どうしよう。少し触れられただけなのに、下腹がキュンと疼くのが……強くなってしまう……配信を終えたばかりだからかも、知れない。
「この前、オレがここに付けたキスマーク、消えたな」
「?」
「消えたらって、前に言ってたヤツだ。それと……聞いて欲しい話もある」
部屋の隅に重ねてあった座布団を、和也は畳の上に二枚並べて敷いて、座った。隣の空いている座布団の上を、ぽんぽんと叩く。
白亜は不思議そうにしながら、襦袢を羽織ったままの状態で促されるまま、和也の隣に座り、和也の言葉を待った。
「千年も生きてきた白亜さんからしてみりゃ、カップ麺待つ程度の時間だろうけどよ……オレが死ぬまで、白亜さんの傍に居させて欲しい……」
配信のコメントには「固さが抜けて親しみやすくなった」「最近更に可愛くなってない?」等も寄せられていた。
「きょ……♡今日も、クロアの恥ずかしいメスイキ遊び♡見て下さって、ありがとうございましたぁ♡次回は、ぬしさまに来て頂きまして、罰ゲーム付きローションガーゼ耐久をぉ♡配信致します……クロア、耐えきれるのか少し不安ですが……頑張りますっ」
古民家の、二階の和室の入り口から、バイトから帰ってきた和也がそっと覗き込み、配信のシメを見守っていた。チラリと合った視線に、クロアの身体は再び疼き始める。
「ぁ……ふっ♡それでは、本日のアラミタマのクロアさんセルフ開発メスイキ配信、終了致します♡チャンネル登録、質問、リクエスト等も嬉しいです♡それでは次回もよろしくね」
手を振り、クロアはカメラに向かって無邪気な笑顔を見せていた。モニターの中は、ポップなフリー素材音楽が流れてフェードアウトしていった。今日も無事、配信が終わる。
「おつかれさん」
片付けをほぼ終えた辺りで、和也が部屋に入ってきた。片手で頭をワシャリと掴まれ、白亜はぎゅっと目を閉じた。
ワシャシャシャシャッ!
和也の手が、白亜の頭を撫でくり回す。
「ぬしさまぁ……頭ぐちゃぐちゃになってしまう……のでぇ」
「いやー、ローションガーゼ耐久って何?えげつなくて酷い罰ゲーム直行じゃね?」
「罰ゲームもぉっ、嫌いじゃない、ですし……っ、ぬしさまにえげつなくて酷い事たくさんされて……っ、蹂躙されたい……あうぅっ」
白の絹糸のような髪を、白亜の頭がガクガク揺れてぐちゃぐちゃになる程撫でくり回していた手の動きが、止まった。
首筋にするりと和也の指先が這う。身体が反応してしまわないよう、白亜はグッと堪えていた。
どうしよう。少し触れられただけなのに、下腹がキュンと疼くのが……強くなってしまう……配信を終えたばかりだからかも、知れない。
「この前、オレがここに付けたキスマーク、消えたな」
「?」
「消えたらって、前に言ってたヤツだ。それと……聞いて欲しい話もある」
部屋の隅に重ねてあった座布団を、和也は畳の上に二枚並べて敷いて、座った。隣の空いている座布団の上を、ぽんぽんと叩く。
白亜は不思議そうにしながら、襦袢を羽織ったままの状態で促されるまま、和也の隣に座り、和也の言葉を待った。
「千年も生きてきた白亜さんからしてみりゃ、カップ麺待つ程度の時間だろうけどよ……オレが死ぬまで、白亜さんの傍に居させて欲しい……」
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