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第六章:繋がりゆく、想いの道
⑥
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「…………あの……ぬしさま?」
「もう少しだけだ。あと5分以内に、風呂に行くから」
外には明るい月が昇っていた。少しだけ寒く感じる空気が、火照った後の身体に心地よさを与えていた。
縁側で和也は白亜を抱きしめ、羽根のような耳をこしょこしょと弄り続けていた。
「は……っ、ふぅ♡そこ、弄られるとぉ……ムズムズ、と言うかゾワゾワ……んぅ♡してしまいます……んんっ」
耳だけを弄られ、くすぐったそうに腕の中で身を捩る白亜の反応を、和也はいやらしい目つきで眺め、楽しんでいた。
「耳、弄り続けてたら白亜さん、耳だけでイけるよーになるんじゃね?」
「んううぅ……っ♡」
「そろそろ風呂、入ろうぜ」
片付けは後でやるとして。柱から外した鎖の端を和也は握りしめ、白亜と共に風呂場へと向かった。
和也には、ささやかだが白亜に聞いておきたい事があった。
湯気の立ちこめる、清潔な風呂場。ゆったりした湯船にはられた湯からは、柚子の香りがほんのりと漂っていた。
「ぬしさま……その位で良いのでは?」
オレは縄の痕の残る白亜さんの手首を、念入りにマッサージしていた。今日はニーソックスのお陰か、脚には痕が残っていない。
「次、反対側。縄の痕が残ったらマッサージしとくと少しはマシ……だったか?そんなんをネットで見たし、一応な」
白亜さんのもう片方の手首を、マッサージしていく。
「……我は、ぬしさまに痕を付けられるのも、好きだ……」
ぼそりと白亜さんの口から出た言葉は、浴室内に響いた。
「痕なら消えても、いくらでも付けてやる。その為に、古いモン消えてた方が良い。綺麗になった所にまた付けて、いつも何かしらオレが残した痕が付いてんの」
縄の痕の残る白亜の手首をマッサージしながら、和也はタイミングを見計らっていた。
「ならば、消えぬように……淫紋か何かも、刻んで欲しい」
湯船の中で、オレの脚の間に背を向けさせて座らせた白亜さんが、目を輝かせてオレの方を振り向いた。
「いや。人間じゃ他人に淫紋刻めねーよ」
「そうなのか……仕方ない」
変な所でシュンとするなっつーの。ファンタジー色強めのエロ小説に出てくるモンは、流石に無理だ。
「代わりに、だ。オレ、白亜さんに婚約指輪……渡してえとは考えてる。どんなもんが好みか、教えて欲しい」
柄でも無い考えだって、オレ自身分かっちゃいる。伝えたくて、バイトを決めた時からずっとタイミングを見計らっていた。きちんと働こうと思えた理由の1つも、密かにそれだった。
「婚約……?」
白亜さんは、オレの方を向いたまま、ポカンと口を開いて間抜け面を晒して、固まった。
きっと、何か勘違いをしているか、全く分かっていないかの、どちらかだろう。
「痕みてぇに残しては消え、残しては消えってならねー、証みてーなモンだ」
「ふむ……我は婚約指輪よりも毎日搾精の方が嬉しいぞ」
あああ……そう来たか。好きな四字熟語感覚かっ!流石に毎日は、あんま出なくなるだろうな。
「搾精はさせてやる。ただし白亜さんはオレがバイト行ってる間、週3回はエロ配信続ける事。搾精は、プレイのご褒美としてさせてやる。他は俺の気分次第だ」
搾精って白亜さんが言ってるヤツ。要は生中出しなんだが、白亜さんの人外体質で中出ししたモンを腸内で吸収して、神的なエネルギーに変換して蓄えるっつーモンだ。特殊体質で、身体が欲しがる栄養素をねだっている。だいたいそんなモンだ。
「で……では……なかなか搾精させて貰えぬ時は、どうすれば……」
「プレイの時に、無様にねだってみせろ」
「酷いです……♡」
今、話してもどうにもなんねえなコレは。とりあえず白亜さんを黙らせようと、俺は両手を白亜さんの腹の辺りで組み、身体を密着させて、白い首筋にチュウッと吸い付く。赤い花びらのような痕を1つ、残す。
「はぅ……♡あんっ♡」
「とりあえず、だ。今残したキスマークが消える前に、白亜さんに似合いそーなモンをオレが勝手に探してくっから。買ってきたら、ソイツを付けてやる」
「ありがとう……ございます?ぬしさまが付けてくれるもの、我はどんなものでも……嬉しい」
くるりと湯の中で動いた白亜さんは、オレを正面から見て嬉しそうに首の後ろに腕を回して抱きついてきた。白亜さんの胸元が、ピトっとオレの胸元に張り付く。自然と擦り付けられる白亜さんのぷっくりいやらしい乳首の感触……このままじゃ危ねーな。のぼせっから。
「そろそろ上がるぞ。メシは……簡単に作れるモン作って待ってっからな。白亜さんは風呂出たら、髪の毛きちんと拭いて梳かしておけ」
「分かりました、ぬしさま」
貪欲で淫らでありながら、純真無垢な側面を持ち合わせている、綺麗で可愛く無防備なカミサマと歩むだろう、これからの道。
未来はきっと、オレにもある。やさぐれて、ゴミクズ野朗と呼ばれていた頃では信じられなかった事も、信じさせてくれた。共に歩みたい、そう思えたカミサマとの未来ならば、オレは胸を張って行ける。そんな自信が生まれていた。
ありふれた、幸せな、日常が回り始めた。
「もう少しだけだ。あと5分以内に、風呂に行くから」
外には明るい月が昇っていた。少しだけ寒く感じる空気が、火照った後の身体に心地よさを与えていた。
縁側で和也は白亜を抱きしめ、羽根のような耳をこしょこしょと弄り続けていた。
「は……っ、ふぅ♡そこ、弄られるとぉ……ムズムズ、と言うかゾワゾワ……んぅ♡してしまいます……んんっ」
耳だけを弄られ、くすぐったそうに腕の中で身を捩る白亜の反応を、和也はいやらしい目つきで眺め、楽しんでいた。
「耳、弄り続けてたら白亜さん、耳だけでイけるよーになるんじゃね?」
「んううぅ……っ♡」
「そろそろ風呂、入ろうぜ」
片付けは後でやるとして。柱から外した鎖の端を和也は握りしめ、白亜と共に風呂場へと向かった。
和也には、ささやかだが白亜に聞いておきたい事があった。
湯気の立ちこめる、清潔な風呂場。ゆったりした湯船にはられた湯からは、柚子の香りがほんのりと漂っていた。
「ぬしさま……その位で良いのでは?」
オレは縄の痕の残る白亜さんの手首を、念入りにマッサージしていた。今日はニーソックスのお陰か、脚には痕が残っていない。
「次、反対側。縄の痕が残ったらマッサージしとくと少しはマシ……だったか?そんなんをネットで見たし、一応な」
白亜さんのもう片方の手首を、マッサージしていく。
「……我は、ぬしさまに痕を付けられるのも、好きだ……」
ぼそりと白亜さんの口から出た言葉は、浴室内に響いた。
「痕なら消えても、いくらでも付けてやる。その為に、古いモン消えてた方が良い。綺麗になった所にまた付けて、いつも何かしらオレが残した痕が付いてんの」
縄の痕の残る白亜の手首をマッサージしながら、和也はタイミングを見計らっていた。
「ならば、消えぬように……淫紋か何かも、刻んで欲しい」
湯船の中で、オレの脚の間に背を向けさせて座らせた白亜さんが、目を輝かせてオレの方を振り向いた。
「いや。人間じゃ他人に淫紋刻めねーよ」
「そうなのか……仕方ない」
変な所でシュンとするなっつーの。ファンタジー色強めのエロ小説に出てくるモンは、流石に無理だ。
「代わりに、だ。オレ、白亜さんに婚約指輪……渡してえとは考えてる。どんなもんが好みか、教えて欲しい」
柄でも無い考えだって、オレ自身分かっちゃいる。伝えたくて、バイトを決めた時からずっとタイミングを見計らっていた。きちんと働こうと思えた理由の1つも、密かにそれだった。
「婚約……?」
白亜さんは、オレの方を向いたまま、ポカンと口を開いて間抜け面を晒して、固まった。
きっと、何か勘違いをしているか、全く分かっていないかの、どちらかだろう。
「痕みてぇに残しては消え、残しては消えってならねー、証みてーなモンだ」
「ふむ……我は婚約指輪よりも毎日搾精の方が嬉しいぞ」
あああ……そう来たか。好きな四字熟語感覚かっ!流石に毎日は、あんま出なくなるだろうな。
「搾精はさせてやる。ただし白亜さんはオレがバイト行ってる間、週3回はエロ配信続ける事。搾精は、プレイのご褒美としてさせてやる。他は俺の気分次第だ」
搾精って白亜さんが言ってるヤツ。要は生中出しなんだが、白亜さんの人外体質で中出ししたモンを腸内で吸収して、神的なエネルギーに変換して蓄えるっつーモンだ。特殊体質で、身体が欲しがる栄養素をねだっている。だいたいそんなモンだ。
「で……では……なかなか搾精させて貰えぬ時は、どうすれば……」
「プレイの時に、無様にねだってみせろ」
「酷いです……♡」
今、話してもどうにもなんねえなコレは。とりあえず白亜さんを黙らせようと、俺は両手を白亜さんの腹の辺りで組み、身体を密着させて、白い首筋にチュウッと吸い付く。赤い花びらのような痕を1つ、残す。
「はぅ……♡あんっ♡」
「とりあえず、だ。今残したキスマークが消える前に、白亜さんに似合いそーなモンをオレが勝手に探してくっから。買ってきたら、ソイツを付けてやる」
「ありがとう……ございます?ぬしさまが付けてくれるもの、我はどんなものでも……嬉しい」
くるりと湯の中で動いた白亜さんは、オレを正面から見て嬉しそうに首の後ろに腕を回して抱きついてきた。白亜さんの胸元が、ピトっとオレの胸元に張り付く。自然と擦り付けられる白亜さんのぷっくりいやらしい乳首の感触……このままじゃ危ねーな。のぼせっから。
「そろそろ上がるぞ。メシは……簡単に作れるモン作って待ってっからな。白亜さんは風呂出たら、髪の毛きちんと拭いて梳かしておけ」
「分かりました、ぬしさま」
貪欲で淫らでありながら、純真無垢な側面を持ち合わせている、綺麗で可愛く無防備なカミサマと歩むだろう、これからの道。
未来はきっと、オレにもある。やさぐれて、ゴミクズ野朗と呼ばれていた頃では信じられなかった事も、信じさせてくれた。共に歩みたい、そう思えたカミサマとの未来ならば、オレは胸を張って行ける。そんな自信が生まれていた。
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