極上の蜜~みかどの寵蜜~

奇埼伊利

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極上の蜜~執事アンディの執着~

第44章:汚れている身体(1)

【第45章:汚れている身体(1)】

「やっぱり…しないとダメですよね…」
緊張で声が上ずって途切れる。

僕は昨日からずっと不安で仕方なかった。
自分の身体が壊れてるみたいで『……淫らで……汚い……』そう言われているように感じていた。
僕が僕自身の身体と向き合う恐怖もあった。でも、それよりも自分の本性が露呈されて、真実としてみかど様に伝わるのが怖かった。

逃げたい気持ちを抑えようと震える指先がシーツを掴んでいた。

僕を見下ろしているアンディの顔を見上げる。
アンディの灰青の瞳と視線が絡み合った。
一瞬、鼻で小さく笑われたような気がして胸がぎゅっと掴まれた気がした。
アンディは何も変わらずにいつもの穏やかな表情だった。

別室に案内された。
長い廊下を渡りその部屋へ通された。
独特の空気が重く淀み、遠くで空調の低い唸りが響く。

ーーーまるで、病室。

その雰囲気がさらに僕の身体を委縮させていった。

「蜜様はとても特殊なお身体である事をご存知ですか?」

「それは……アナルの……ことですか?」

『たぶん……以前、みかど様が僕の中を見た時に驚いてたことだよね。
前立腺の異常肥大とか肉襞の突出……そんな話をしてた気がするけど。
あれかな。僕の体…普通みたい…』

「そうですね。みかど様は格別、蜜様の特性を愛していらっしゃいます。
もしかしたら、さらなる特性が……」

アンディの細く長い指先がわずかに震えている。

『アンディさん…震えてる…?』

「もしかしたら……って、どういう事ですか?教えてください」

自分の身体の異変をアンディが知ってる気がして、胸がざわつく。
まぶたがぴくぴくと震え、膝が内股気味に寄り添って力が入らなかった。

『…これ以上の特性って…もう、耐えられないかも…』

僕は僕自身の身体が嫌になっていた。
それらが、自分の意志とは関係なく蠢くことが苦痛だった。

「ですが……こればかりは確認してみない事にはお答えが出来ません。
蜜様が拒否されるのならばこの検査はいたしません。
私は蜜様の意思を尊重いたしますので」

ぐっと胸が締め付けられる。

『アンディさんは僕の気持ちを尊重してくれる。
でも……このまま毎日の身体チェックで淫らな姿を晒し続けるなんて耐えられない。
みかど様に『汚い』って思われたら…考えたくもない…』

僕はどうしようもない気持ちを抱くように自分の身体を抱きしめていた。

『どうしよう……本当は拒みたい……でも……』

少しの沈黙が流れた。
額にじわりと汗が浮かび、心臓の音が耳元でどくどくと鳴り響く。

「迷われるお気持ち、よく理解できます。正常な判断です。
ですが…みかど様のお気持ちを考えると…
どういたしますか?」

アンディの目線が壁の赤い点滅カメラへ向けられた。

『ーーーいい子で待っていなさい。可愛い蜜ーーー』みかどの声が頭の中に響く。

「もし……また、僕の身体に特性が見つかったら、どうなるんですか?」

『僕はただ、みかど様に……愛されたいのに……』

「私がお伝えするのは心苦しく思いますが、みかど様は今以上に蜜様を大切に大切にされると思います」

大きく目を見開く。涙腺が緩み、視界が滲む。

『…今以上に…なら、みかど様は…僕を置いていかない…』

アンディさんの腕を両手でぎゅっと握りしめていた。

「本当ですか!本当に大丈夫なんですよね!」

僕の不安を和らげるように、低い優しい声で「そのように……お約束いたします」と答えながら僕の身体にそっと触れた。

***

「では…私にお任せください」

アンディは穏やかに微笑み、とても丁寧に頭を下げた。
それが、僕の意志を尊重してくれている証拠みたいに思えた。

「では…蜜様、先日はペニスの異常を確認しました。今より確認をさせて頂きます。」


『異常……やっぱり僕の体が悪いだけだ……アンディさんは…こんな僕のために……』

胃がキリキリと痛みながら縮こまり、震えがとまることはなかった。

アンディが用意したカート上段に尿道ブジー各種が整然と並んでいる。
――細管から、ぞっとするような異形なものまで、金属が朝の光を鈍く反射していた。

『なに…これを使うの…』

下段には膀胱洗浄液ボトルと拡張バルーンが固定され、タブレット内視鏡のシステムが冷たく赤く点滅していた。

胸の底まで大きく息をのんだ。
背筋に冷たいものが走り、膝がガクガク震える。

『怖い…どうしよう…もう、逃げたい。でも、これ以上駄々を捏ねてはダメだよね……』

そんな僕の怖気づいた姿を見て、
アンディは腰にそっと手を回して優しく誘導してくれる。
温かい手の感触に少しだけ安心する。

カートの向こう側に、三面鏡の前に設置された特殊合金製の椅子が姿を現した。
背もたれ可倒式で、両側に手首用溝、足首用太溝が無機質に掘られた拘束具。
中央にはM字開脚サポートが備わっていた。
すでに三面鏡にその冷たいシルエットが映り込んでいた。

前に進むたび、身体が自然と委縮していく。
膝から力が抜けて、足音さえおぼつかない。

『…今から、あの椅子に座るんだよね…』

***

椅子の傍まで来ると、アンディがゆっくり僕の身体を持ち上げた。

革張りの冷たい感触が尻に伝わり、。
全身がビクッと硬直する。「ひぃっ……」小さく声が漏れた。

アンディは手慣れた様子で僕の四肢を拘束し始める。
手首を溝に合わせ、足首を太い溝に固定。
ガチャン!と金属同士がぶつかる音が病室に響き渡る。

「あぁ……ここにまた座ることになるなんて……」

手すりをぎゅっと握りしめ、指の関節が白くなる。
始めて座った時の恐怖が脳裏に浮かんだ。

『…怖くて…痛くて…この椅子が本当に…怖い…』

大きな革製ベルトが腹部に巻き付いてくる。
数個のフックがカチカチと順に閉じられていく。
身体の自由が完全に奪われ、椅子に張り付くように固定された。

「もう……逃げられないってことですよね……」

唾をゴクリと飲み込み、喉が鳴る。
自分でも顔が引きつっているのを感じた。

「蜜様、怖がらなくても大丈夫です。
これは転落して怪我を防止するためのものですので、ご安心を」

「そ、そうですよね…もし僕が無理って言えば、
いつでも外してもらえるんですよね……?」

「もちろんでございます。これは蜜様が望んで行われていることですので、
いつでも中止をお申し付けください」

その言葉に、胸の奥が少しだけ緩む。

『良かった……僕が決めたことだし、アンディさんはいつでも外してくれるって…
なら…大丈夫かも…』

「では始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「は、はい……よろしくお願いします」

バチン!と部屋の照明が一斉に落ちる。
椅子上にスポット照明が白く当たって、
三面鏡に僕の影が巨大に映る。

「ま、眩しいっ!」

「大丈夫です。ゆっくり目が慣れてきますので。
繊細な作業ですので集中するため照明を落としました」

ゆっくり頷く。視界が白から徐々に輪郭を帯びてくる。

「では、失礼します」

アンディがネグリジェをたくし上げていく。
露わになった下着がスポット光に晒される。

アンディがカートへ向かい、手袋を装着する。
パチンとラテックスが指に張り付く音が響いた。

『僕って……やっぱり汚いんだ……素手なんて嫌だよね...』
『...アンディさんは僕に素手で触れたこと…あったかな…』

その動作だけで胸が締め付けられた。

「始めさせていただきます」

アンディの手には大きなハサミが握られていた。

「えっ!?待って、まさかおちんちんを切るんですか!!」

「…いいえ、そんなことはしません。下着の両端を切るだけです」

「は、はは……そうだよね。すみません……」

冷たい刃先が皮膚に触れる。
ジョキン、ジョキン!と両側の紐が無情に切断される。
はらりと下着がはだけ、陰茎があらわになった。
緊張と恐怖で縮こまり、寒気で震えている。

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