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4章
異変の原因
しおりを挟む「カナメ先生!」
「無事だったかマイ、
ところでこれどうなってんだ?」
「は!?
カナメ先生何があったか知らねぇのか!?」
「昼寝してたらいきなり悲鳴聞こえてきてそれから籠城してたんだ、
知る分けねぇだろ。」
かなりすさまじい開き直りだ…。
「いや、
神埼が来ていきなり先生に噛みついてそこから広がってきたんだよ、
俺らはすぐ校舎出て部室に逃げたから無事だったんだ。」
「神埼ぃ~?
あいつ不法侵入で休学くらってたはずだぞ?」
「不法侵入?」
「ここから上にある廃病院で肝試して忍び込んで警備に見つかったんです。」
マイが山の上を指すとうっすらと木造の屋根が見えた…。
「あそこで何かあったか?
例えばおかしな声がするだとかおかしなものが出るだとか…。」
「ありますよ?」
ヴィーリオが舌打ちをして虚とライルを呼ぶ。
「今回の発端は間違いなくあそこだ、
魔力が流れているから防がねば厄介なものを呼び寄せる。」
「彼らは?」
「あの乗り物ではどのみち全員は乗れん、
思ったほど遠くない距離だからやつらにはここを離れさせる。」
ヴィーリオの提案に虚が頷き学生三人に説明しに行った。
「悪いが俺らはあそこにいってくる。」
「俺ら行ったことあるけど何もなかったぞ?」
マイが肘でダイチの脇腹を小突くとダイチが慌てて口を閉じた。
「俺らが探してる原因があそこにある、
危険だからお前達はここから離れろ。」
「…わかった、気を付けてな。」
懐中電灯を虚に渡してカナメが待つ車に戻るとすぐに発車した。
「さて、
ほとんど山道になるし道中やつらが追いかけてくるかもしれんぞ?」
「その点は安心しろ、
軽く脅してあるから出てこない。」
確かに店での一件以来不気味な呻き声すら聞かなくなったのはあの脅しが効いたからだろう、
首をかしげるライルと頭の中で疑問符を浮かべる虚を引き連れて山道に入る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山道は鳥の鳴き声も聞こえず進むにつれて淀んだ空気が流れてくるのは目的地が近い証拠だろう…。
「何があった?」
「いきなり何だ?」
「ライルの様子がおかしい、
何かあったんじゃないのか?」
ヴィーリオが後ろに目をやると何かを考えるような面持ちのライルが無言でついてきている…。
「町を歩いているときに小娘からされた質問だろう、【旅が終わればどうするのか?】など既に決まっている。
俺は【魔王】に戻りやつは【勇者】に戻る、ただそれだけだ。」
言い聞かせるようにそう言うとヴィーリオが視線を前に戻した。
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