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4章
ほの暗い病棟
しおりを挟む山を登りきった三人の目の前に木造の建物が不気味にそびえ立ち中は真っ暗でなにも見えず中に入り廊下を照らすが先が真っ暗だ…。
「いかにも何か出そうだな…。」
「そうだな、
それより袖を握るな伸びるだろう。」
ヴィーリオがライルを睨むが本人はものすごく真剣な面持ちで必死に袖を握っている…、これはまさか。
「勇者ともあろうものがまさか幽霊が怖いなどと言うまいな…?」
「そ、そんなこと無いぞ!?
確かに見えているのに触れないものは怖いが!!
お、おばけが怖いなんてことは…!!」
ボ ー ン ボ ー ン …
突然鳴り出した音にライルが真っ青になって剣を構える。
「置時計が鳴っただけだろう。」
「そ、そうかそれは「誰もいないはずなのに動くものなのか?」
虚が呟くとそれから数秒間三人が固まる…。
「ううううヴィーリオ!?」
「叫ぶなやかましい!!」
半泣きのライルがしがみつきヴィーリオがもがくがなかなかおさまらず、
それからやっと落ち着いたライルを引っ張り部屋をまわると二階の奥に置時計があり虚が調べるとボタンを見つけ押してみると下の階で何かが動く音がして戻ってみると降りてきた階段の隣に下に降りる階段が現れていた…。
階段を降りて暫く歩くと明るい空間に出る、
引き出しのようなものがたくさんありライルが開けようと手を伸ばすと虚がその手首をつかんだ。
「ここは病院だ、
もしかしたらここは死体置き場かもしれないぞ…?」
ライルが伸ばしていた手を下ろしヴィーリオの所に行くと床を見て考え込んでいた…、
その足元には魔方陣が描かれていて回りにはカイト達が着ていたのと同じ上着と鞄とその中身が散らばっていた。
「どうやら原因はこれのようだな。」
「この魔方陣が?」
「【現世】と【元の世界】との間には虚無が広がっていて魔界でバカをやらかしたやつらはそこに落とされるが魔界に返り咲くために人間との契約を悪用するやつもいた、
契約が終われば魔界に戻れるからな。」
説明からするとどうやら悪魔を呼び出すための魔方陣だったらしい、
この状況からして成功したのだろう。
「契約者はどうやって探すんだ?」
「消去法でここに忍び込んだことがあるやつらだかを人を噛んだやつは除外だな、
あとは学校とやらに来ていなかった一人とダイチとかいうやつか…?」
だが恐らくダイチはもう近くには居ない、
残る一人も顔がわからないからどうしようもない…。
「おい…、これは。」
虚が険しい顔で手帳を二人の前で広げた…。
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