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5章
聖王
しおりを挟む「これで全部か…、
王様っぽいの居ねぇな。」
街にいる動物全部を人に戻したがそれらしき人物は居らずヴィーリオの所に戻ると二人とも険しい顔をしていた。
「どうかしたのか?」
「何も、
それより見つかったの?」
「いや、それっぽいのは居ねぇな。」
ふと、ライルが城で見かけたある生き物のことを思い出した…。
「そういえば…。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玉座の間に戻ると虚が天井、もとい天井に居るクモを見ていた。
「何してんだお前?」
「いや、
あのクモがどうも人間臭くてな…。」
さっきから降りようと前足を伸ばしては引っ込めている姿はかなりクモらしくない。
「おろしてやれよ、ほら。」
デインがクモを床におろすとヴィーリオが鏡を向ける…。
光を放ち現れたのは一人の少年。
「やっと元に戻れました…。」
「随分と間抜けな姿になっていたな。」
「すみません、注意はしていましたが魔物以外が入り込んでくるとは予知しきれませんでしたから…。」
少年が鏡を受け取り玉座に乗せる。
「【天空族】か…?」
少年が沈黙する…、
それが答えなのだろう。
「おい天空族ってこっちの事には一切入ってこねぇんだろ?
何でそんな事すんだ?」
「自分こそが主義の種族で魔界も人界も嫌ってるのよ、
全部消し去って自分達の領土にって考えたんじゃないの?」
メグが魔方陣を展開する。
「王様も見つかったことだしあたしは帰るわ、向こうも結構まずい状況なのよ。」
メグの姿が消え王子が兵士を呼びライル達は宿に移された。
「これからどうすんだ?」
「一度魔界に戻る、
どうやら奴等の活動拠点が俺の城らしいからな…。」
今思えば立て続けに強襲してきた勇者達も天空族の差し金で城の防備が手薄になった所を見計らってこの騒動…、
城の破損具合からメノスやザズィールが行ったとしても数で押されてはひとたまりもない。
不意にヴィーリオの頭にその後の処理や被害状況の確認の書類等が浮かび「かくなる上は城ごと潰すか。」と思考の全てを放棄した一言が口から飛び出した…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
街が静まり返る夜一人外に出る、
見上げた空は雲一つ無く煌々とした満月のせいで星は見えない。
「お母様は何をお考えなのですか…?」
俯き一人呟くと何かが羽ばたく音がした、鳥ではなくもっと大きなもの、
それが何か、いや誰かライルが一番よく知っている…。
「それは貴女がよくわかっているはずでは?」
月を背にする同胞をライルは睨み付ける。
「やっと見つけましたよ、
さぁ戻りましょう王女」
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