37 / 58
6章
天を統べる者
しおりを挟むジズも同行して四人は玉座の間に向かう、
道中反対派の魔族や天空族が立ち塞がったがザズィールとメノスが(メノスはほぼ半殺しに近いが状態で)追い払い玉座の間の扉を開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玉座の間に一人の女が立っていてその足元には二人の天空族が血を流して倒れている…。
「やっぱり出来損ないは出来損ないね、
魔族を庇って死ぬなんてバカな子だわ。」
「やつは死んでない、
天空族のくせにそんな事も見えないのか?
いや見えるわけが無いか、
貴様はただの【人間】だからな。」
女の足元で倒れている天空族が驚きの顔をあげ後ろにいるメノスとザズィールも驚いている、
だが驚くでもなく一人目を閉じているジズは知っていたのだろう。
「そうよ私は人間、
人間だから魔界も天空国でも影響を受けない…、
だからこれを触っても何の影響も無いのよ!」
女が掲げたのは一振りの剣、
あれが【魔神の剣】だろう、強力な魔力が流れている…。
「メノス、ザズィール、
あれを壊すぞ。」
「わかりました。」
「あたしは剣の前にあのムカつく女殴る…。」
メノスが女めがけて飛びかかり隙を突いてザズィールが追撃する、
日は短かったにせよ良い連携だ。
「お前は足元に転がっているやつらを拾ってどこかに行け、居ても邪魔だ。」
「わかったよ…。」
二人の天空族は驚愕の表情を見せたがジズが何かを話すと頷き三人の姿が消えそれからすぐに城から天空族の気配が全て消えた。
「随分気が利く…、
これで助けは来ないぞ。」
「そんなもの最初から期待していないわ、
むしろ好都合…。」
女が剣を掲げると剣から膨大な魔力が迸る…、
「魔界もろとも吹き飛ばす気か…!」
「ちょっと何とかしなさいよ魚類!!」
「無茶を言うな!」
二人とも吹き飛ばされないように立っている、それだけで精一杯だ。
「下等な魔族など滅びてしまえ!!」
女が更に魔力を放出すると壁や床に亀裂が入りあちこちが崩れ始めいよいよ終わりを悟るとライルの声が聞こえた。
『ヴィーリオ…。』
居るはずの無い声が聞こえ自重気味に笑うと手に何かが触れる、
それは光を放ち溢れ出る魔力を全て吸い込むみ手の中に戻ったのはライルとヴィーリオの旅の始まりの魔石、
全ての魔力を吸収し魔石は完全に力を取り戻し魔神の剣はただの剣になった…。
「残念だったな、
運は魔族を見放さなかったようだ。」
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる