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7章
天と魔と…
しおりを挟む目が覚めベッドから起き上がると先に起きていたヴィーリオが隣の部屋を荒らしている音がしたがすぐに戻ってきた…。
「逃げやがった…。」
角を隠しきれないほどの怒り具合でそのまま外に出ようとするヴィーリオを何とか落ち着け完全に人間の姿になってもらい下の酒場に降りると店主から伝言を受けた、
町を出て世界の中心に、と言われたがよくわからない…、
それを察してかヴィーリオが地図の中心にある島を指差す。
「恐らくここだ、
暗礁地帯だから普通の方法では行けん。」
「どうやって行く?」
「船よりも速い物がある。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町を出るとヴィーリオが呼び出したドラゴンに乗り大空へ、
ドラゴンに乗るのは土の塔以来だがとても速くもう聖都が小さく見える。
「しかし…、
本当に彼が元魔王なのか?」
「あの女が嘘をつくようには見えん、
それにやつが元魔王なら納得できる事がある。」
近くなる島を睨み付けドラゴンの速度を上げる。
「あの島は何なんだ?」
「世界の中心、
石碑の先には全ての種族の交わる地があるらしく魔族も天空族も人間もそこで誕生したと聞かされている。」
「【誕生説】か…?」
魔界にも天空国にも伝えられている、
全ての種族は同じ場所で生を受けたという話。
「そうだ、
だが入ったことがあるのは歴代の魔王達だけだ。」
「ん?
天空王も王位継承の時に入るとか聞いているが…?」
「前魔王と天空王が知り合いだったのはブッキングが原因か…。」
どうやら王位継承の時期が被ってしまっていたらしい。
「ヴィーリオあれは…?」
ライルが指をさしたのは小さな島にある石碑、あれが入り口だろうか?
「降りるぞ。」
「ああわかった。」
返事をするとヴィーリオがドラゴンから飛び降りる。
「へ!?
飛び降りるのか!?」
「当たり前ださっさと降りてこい。」
「い、いや…だが…。」
ライルが下を見る、
結構高くて飛び降りるのは戸惑う…。
「…手を伸ばせ。」
ヴィーリオが羽を広げてライルの前に飛んで来ると手を伸ばす。
「…ヴィーリオどうしたんだ?」
いつになく優しい、
普段の事を考えてもドラゴンに振り落とさせると思っていたのに…。
「お望み通り振り落とさせるか?」
「やめてくれ…。」
素直に手を伸ばし抱き抱える状態で地面に降り立つとライルをおろすと石碑に近づき触れると二人の姿が消えた…。
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