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8章
それぞれのセカイで
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〔 かつて【虚】と呼ばれた男 〕
月光が差し込む丘の桜の下、そこでかつて【虚】と呼ばれた男が朽ちた鳥居を見ていた…。
「どうした柘榴?」
男の隣に立った女性が鳥居を見て納得する。
「相当向こうは楽しかったようだ、
戻りたいのか?」
「要らねぇよ、
戻ったら復興の手伝いさせられる。」
それに…と女性のお腹を撫でる。
「置いていくわけにもいかねぇしな…。」
暫く自分が帰ってきた鳥居を見ていたが丘のしたにある自身が治める里に松明の光が一つ、また一つと増えていく。
「気づかれたぞ…?」
「急いで帰ろうとどのみち騒がれるだろ。」
女性に自分が羽織っていた上掛けを掛けゆっくりと歩いて里に帰る…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔 魔王の手下だった男と氷王 〕
ザズィールは魔界の復興が終わり治める貴族が居なくなった土地を治めていた…、
彼自身の手腕もあり治めている土地は暴動も起こらず平穏に時がすぎて「ちょっと魚類!!」いない。
ドアが吹き飛ぶのはメノスの来訪の合図、
彼女が毎回訪ねてくる度にドアは無惨な姿になり取り替えるのだが…。
「ドアを壊すなと毎回言っているだろう!!
だいたい開ければ済むもののなぜ壊す!?」
「開けんのめんどいから。」
ソファーに沈みこみ当たり前のように言う彼女にとうとうなにかが切れた…。
「貴様あぁぁぁぁぁあ!!」
彼の治める土地には今日も領主と彼の数少ない訪問者の怒鳴り合う声が響く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔 かつて魔導師だった女 〕
平穏になった戦国、
火の塔の最上でアヴィヨンは人々を眺めていた…。
「羨ましい…。」
平穏な人々を見て一人呟くがふと気配がして塔の下を見ると大人が辺りを気にしながら布で包まれた何かを引き入り口に置いていったのだ…。
「いつの時代もこういうのってあるのね…。」
大人がどこかに行くとアヴィヨンは塔から飛び降り布を少し捲るとやはり赤ん坊、
その赤ん坊はアヴィヨンを見て驚くでもなくむしろ笑いながら手を伸ばしてきた…。
「あら珍しいわね、
普通なら泣き叫ぶのよ?」
赤ん坊の頬を指先でつつくとくすぐったそうに身をよじるが泣く気配はなく少し考えたが大人が戻ってくる様子は無い。
「ちょうど一人には飽きてきたところよ、
短い間だけど面倒見てあげる。」
布に包まれた赤ん坊を抱き上げ塔の中に入る間腕の中の赤ん坊は楽しそうに笑っていた。
月光が差し込む丘の桜の下、そこでかつて【虚】と呼ばれた男が朽ちた鳥居を見ていた…。
「どうした柘榴?」
男の隣に立った女性が鳥居を見て納得する。
「相当向こうは楽しかったようだ、
戻りたいのか?」
「要らねぇよ、
戻ったら復興の手伝いさせられる。」
それに…と女性のお腹を撫でる。
「置いていくわけにもいかねぇしな…。」
暫く自分が帰ってきた鳥居を見ていたが丘のしたにある自身が治める里に松明の光が一つ、また一つと増えていく。
「気づかれたぞ…?」
「急いで帰ろうとどのみち騒がれるだろ。」
女性に自分が羽織っていた上掛けを掛けゆっくりと歩いて里に帰る…。
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〔 魔王の手下だった男と氷王 〕
ザズィールは魔界の復興が終わり治める貴族が居なくなった土地を治めていた…、
彼自身の手腕もあり治めている土地は暴動も起こらず平穏に時がすぎて「ちょっと魚類!!」いない。
ドアが吹き飛ぶのはメノスの来訪の合図、
彼女が毎回訪ねてくる度にドアは無惨な姿になり取り替えるのだが…。
「ドアを壊すなと毎回言っているだろう!!
だいたい開ければ済むもののなぜ壊す!?」
「開けんのめんどいから。」
ソファーに沈みこみ当たり前のように言う彼女にとうとうなにかが切れた…。
「貴様あぁぁぁぁぁあ!!」
彼の治める土地には今日も領主と彼の数少ない訪問者の怒鳴り合う声が響く。
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「羨ましい…。」
平穏な人々を見て一人呟くがふと気配がして塔の下を見ると大人が辺りを気にしながら布で包まれた何かを引き入り口に置いていったのだ…。
「いつの時代もこういうのってあるのね…。」
大人がどこかに行くとアヴィヨンは塔から飛び降り布を少し捲るとやはり赤ん坊、
その赤ん坊はアヴィヨンを見て驚くでもなくむしろ笑いながら手を伸ばしてきた…。
「あら珍しいわね、
普通なら泣き叫ぶのよ?」
赤ん坊の頬を指先でつつくとくすぐったそうに身をよじるが泣く気配はなく少し考えたが大人が戻ってくる様子は無い。
「ちょうど一人には飽きてきたところよ、
短い間だけど面倒見てあげる。」
布に包まれた赤ん坊を抱き上げ塔の中に入る間腕の中の赤ん坊は楽しそうに笑っていた。
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