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海斗とだったら…②
しおりを挟むいよいよバイトの同窓会。
言い出しっぺの私と友達は早く来て他愛もない話をしていた。そこに、記憶に薄いバイト仲間が二人きて、そのあと10分くらいたったとき、海斗ともう一人のバイト仲間が到着した。
また海斗と目があったとき二人の世界に入り込んだ。
なにも変わってない。
声も、顔も、笑顔も。
胸が苦しくなった。
“ああ、こんなにも私は彼に会いたかったのだ”
そうおもった。
私は自然と笑顔になった。
やっぱりタイプ。
みんなで乾杯して、昔話に花を咲かせた。
楽しかった。
私は海斗と集中的に話した。
今のこと、私が去った後のバイトの様子など話した。
今のこと。そう、彼氏にプロポーズされたこと。
話せなかった。
私は今フリーだと海斗に言ってしまった。
海斗は笑みを浮かべた。
私はそれが嬉しくもあり、同時に圭に申し訳ない気持ちもあふれた。
お開きになり、私は海斗と一緒に帰った。帰る方向が一緒だったから。
外灯がぽつんぽつんとあるだけの薄暗い道、
私の肩と彼の二の腕の当たりがぶつかる距離で歩く。
自然と、彼の手が私の手にふれ、手を繋いだ。
いつの間にか無口になった彼はこっちを見ないでまっすぐ前を向いていた。
私は沈黙が気まずくて、彼女はできてないのか聞いた。
「ずっといないですよ。あのあと2年片思いの子のことも覚めちゃって。てか、彼氏できたみたいで。俺、好きになる人みんな彼氏いるんですよね。いっつもタイミング悪い。恋自体もういいっておもってたんで、ずっといないです。」
その時、私は我にかえった。仮に、友達が言っていた私のことが好きだったという説が本当だったら、彼を傷つけてしまっていたということになると思った。そして今も彼を騙している。
でも、私はなぜか海斗を抱き締めたくなった。
そして、私は足をとめた。
彼が振り向く。
私は彼の胸にゆっくり近づいていた。
私は、彼の腰に腕をまわした。
彼も私を抱き締め返した。
彼の鼓動を感じ、私の鼓動も高鳴る。
彼は、ゆっくりと私を体から引き離した。
目があった。彼のうっすらグリーンの瞳をうっとりと私は見つめた。
そして、彼の顔が近づく…。
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