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第1章
57 今更なこと
しおりを挟むあれから2ヶ月が経った。
他国からの要請でその国の言語でテキストを作り、講義が始まった。
技術的なところはこんな短時間では教えきれないので、講義を希望した国には共通語だけでなくジャックロードの国の母国語も学習してもらってる。
まあ、これからジャックロードの国が医療先進国となるんだからな。
そう言えば…………
「……今更なんだが……この国って何てなだ?」
「……………………」
アルフィーノは目を見開きこれでもかってくらいに驚いている。
まあ、そりゃそうだよな。
今更だよな~
「え?今?それ聞きます?」
アルフィーノが呆れ返ったという表情で俺を見る。
アルフィーノが言うには、ちゃんと俺に教えたとの事。召喚されてすぐ、王城へ向かう馬車の中で……との事。
ああ。俺違うこと考えてたかも。
考え事してて聴き逃してた?
「……考え事してて聴き逃してた……かも?」
女神がやるようにテヘっと笑ってみる。
アルフィーノは大きく溜息を付くと口を開いた。
「我が国の名はオスクリティアと言います」
そう言えば国の成り立ちとかの話はしたことがなかったですね。と苦笑い。
まあ、確かにずっと分娩出産ばっかりだったな。後、魔法?
魔法って使ってみたいだろ?
ちょっと夢中になりすぎてたか?
最近落ち着いてきたから他のことが気になった?
…………違うな。
アルフィーノのこともっと知りたいんだ。どんな些細なことでも……
「その様子だと、俺の実家のこととかも覚えてませんね?」
溜息混じりなアルフィーノの声に顔を上げる。アルフィーノと目が合い恥ずかしくなり視線を逸らす。
「……聞いたっけ?」
覚えがない。
でも、アルフィーノの表情からきっと話してくれたんだろうな。
俺、考え事始め集中すると周囲の音聞こえてないことあるからなぁ……
それで適当に対応しちゃってたりするんだよな……
殆どの場合後からトラブルになる。
陸斗や一郎はその辺分かってて、俺が生返事だって真剣に取り合わないんだよ。
あ~。アルフィーノには言っておくか?
「アルフィーノ……その……」
「セイゴが考え事してる時は顔見てれば分かるから。そういう時、俺は話しかけないようにしてる」
えっ?分かる?
そう言えば早い段階で考え事始めると静かだったような?
チラリとアルフィーノを見れば苦笑している。
あれ?そんなに分かりやすかったか?
何時も分かりにくいって言われるんだけど?
「……好きな人見てたら分かるだろ……」
耳元で囁かれ慌てて耳を隠す。
あれ?さっき距離取ったよな?
「油断しすぎ。嬉しいからいいけど」
アルフィーノはニコニコと俺を抱き寄せる。
「……誰もいないしいいよな?」
吐息と共に耳に流し込まれる甘い言葉に背筋がゾクゾクする。
ちょっと待て。それヤバい。
アルフィーノを睨むがなんのその。
俺が上を向いたのをいいことに顔中にキスされる。
「ちょ……誰か帰ってきたら……」
焦る俺を宥めながらキスを続ける。
「大丈夫。皆にはセイゴが考え事をしてるから休憩長めにって伝えてあるから」
ナント!!
俺が考え事してる間にそんなことまで手配するのか!
「って、お前がイチャイチャしたいだけだろう?!」
「そうだが?何か?」
「ギャー!開き直った!!」
アルフィーノは俺を抱きしめあっちこっちにキスをしながら器用に答える。
いや、ホントに止めてくれ……
もうそろそろ足に力入らなくなってくるから……
「セイゴ。好きだよ」
そう言うと文句を言いかけた俺の口を塞ぎ舌を滑り込ませてくる。
口内を刺激され僅かに踏ん張っていた足の力が抜ける。
「……もう……やだ……」
最近こんなのばっかり。
「可愛いな」
アルフィーノがギラギラした目で見てくる。
ヤバい。
アルフィーノの何かのスイッチ押しちゃった?
あわあわする力の入らない俺をギュッと抱きしめ、アルフィーノが満足するまで貪り続けられた。
ハグとキスまでって言ったけど……
何か思ってたのと違う。
あれ?
これって俺が悪いのか?
考え込んで周りが見えなくなるの……そこが原因?
************
お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
誠吾さん。今更なこと聞くから墓穴ほってますよ~
いや、今更国名出してないやって気づいただけなんですけどね(¯꒳¯٥)
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