19 / 35
転生脇役ヒロインはオジサンS級冒険者を絶対諦めない!〜リーナ編〜
19 転生悪役令嬢(本ヒロイン)考える
しおりを挟む本来洞窟には色々な種類がある。
大まかには洞窟を形成する岩石などによる分類のものと洞窟のでき方による分類で名前が変わるのだ。
石の組成がそもそも違う異世界なので前世の知識では当てはまらないかもしれないが、洞窟のでき方に関してはほぼ同じである。
「この洞窟には日光が少しだけ入ってきてるから村の中に草も生えてるのね」
遥か上、洞窟の天井部分を念入りに見回すソフィア。
「ふうん。
明るい所を嫌うゴブリンも、生きていくのには水が必要だものね」
村の中心付近に溝を掘り、溜め池を作っている映像を見ながら呟く。
「この洞窟の奥はどうやら1枚岩が褶曲してできた『割れ目洞』だけど、岩盤が硬すぎて曲がりきれずに割れちゃって天井に隙間ができてるんだわ。
そこから雨水が流れ込んできてるのを貯めてあるからこの村のゴブリンは川や湖に近付く必要が無いのね」
「成る程、周辺で動物を狩るだけで食料に困らないから中々見つからなかったんですなぁ」
ソフィアの説明を聞いて、団長が眉を顰める。
「度々ゴブリンは北の森でのみ発見されてその都度駆除しておりましたが、こんな場所に巣があったんでは見つからん訳です。
しかも魔術で見つからないようにジャミングまでされている」
小隊長や騎士達も苦々しい顔になった。
「恐らくだけど、天井の隙間がこの場所の弱点になるんじゃないかしら?」
「長年の地殻変動で出来た洞窟がそう簡単に崩れるか?
しかもゴブリンメイジ共が魔術で補強していそうだが・・・」
「あ。
そうだ里奈のロックフォールならイケるかも」
ソフィアの言葉にその場の全員の視線が彼女に注がれる。
「え? 私の?」
急に注目されて慌てるリナである。
×××
「お、騎士団長!
久しぶり」
「おお、アジェス殿。
此度は急でしたな」
騎士隊服に胸当てだけをつけた王宮騎士隊の団長が小隊長達の報告を受けている所にやって来たアジェス。
「王宮から来るの早くねーか?
辺境伯兵団もまだ全員は集まってないぞ?」
「あ~、緊急事態だったので転移門じゃなくて、殿下方お二人の転移魔法でここまで一斉に来たんですよ」
トホホという感じで眉が下がる団長。
「近衛隊と城内外の守備隊、街の警邏の3番隊以外はほぼ全員来ちゃってます」
「・・・多すぎないか?」
「いや、どうなんですかねかなりの数って聞いたんですけど其後の連絡が・・・あ」
空高くから飛んでくる魔鳥――軍の連絡用で魔術師の魔法で作り出された鷹である。
『ゴブリンの推定数1000以上。
ゴブリンメイジ6体確認。
内1体は処理。
メイジキング1体確認。
ナイト、ウォーリア未確認。
調査隊40名の撤退は現場を見失う恐れがあるため断念し、洞窟の天井部分の崩落を試見る予定。
現在作戦行動中。
決行時刻イチサンマルマル時。
場所はE-8R-12地点』
それを告げると魔鳥は消えてしまう、口述を記録していた書記官二名がメモを団長に渡す。
「地図上で場所の確認を」
団長が両方のメモを見比べ並んだ文字に齟齬がないかを確認した後でメモの片方をアジェスに渡した。
「辺境伯兵団長にお願いします」
「ああ。分かった。
で、ソフィア達は?」
「現場にいます・・・」
「あ。
アイツら抜けがけ」
チッと舌打ちをする色黒の美丈夫を呆れた目で見る隊長は悪くない。
――と思う・・・
16
あなたにおすすめの小説
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる