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41 下半身王子様!?
しおりを挟むゲームでは、ヒロインにまんまと攻略されて王子妃に彼女をする為にリアーヌを断罪するのがまずルートA
ヒロインに踏み台にされて他の攻略対象に彼女が去って行くと、仕方なくリアーヌと婚姻を選ぶのがルートB
王子のゲーム上の行動はこの2つのルートしか存在しておらず、どちらもリアーヌに対しての好感度はかなり低いままで結末を迎える。
リアーヌ本人にしてみれば
『ふっざけるなぁああああ!!』
的な扱いではあるが、ゲーム上の彼女は恋のスパイス役である悪役令嬢なのでその辺りは仕方が無い。
そしてハロルド王子はA、Bルート共にヒロインであるフロイラインによって、♬大人の階段登るぅ~♬『チョロヒーロー』な立ち位置の男子であり、リアーヌが宣った『下半身王子』という呼称は実際にネット民の間で流布されていた呼び名である。
しかし・・・
「俺の下半身にお前の股間を押し付けるなッッ!!」
「殿下が私にくっついて来てるんでしょうッ! お願いですから離して下さいッ! 特に腰ッ!!」
まさか狭い馬車の中でハロルド王子(♂)と側近候補(♂)が下半身を擦り付け合う仲になるとはゲーム制作者も原作者も多分予想だにしなかっただろう。
あくまでも恋愛モノであってBL恋愛モノでは無かったからである・・・ 当たり前か。ただの事故である。
×××
「あー、なんか魔力っていうか多分ですけど呪が働いてますね」
それまで2人のすったもんだを冷静に観察していた魔法に詳しいという側近候補の令息が、
「失礼」
と言ってドアから出ていくと、御者に指示を出しはじめた。
暫くすると御者台に誰かが座ったようで、馬車が動き出したのだが公爵邸の方に向い直線的進むのではなく、勢いよく180度グルンとキャビン全体が回転した。
中に乗っていた3人は重力+自分の体重に抗えずに一斉に横倒れ。
「「ぎゃあ~~~~!!」」
『ブチュウウウ~~~~!』
「ッ!」
思わず窓に手を掛け倒れるのを防いだフロイラインは良かったが、ハロルド王子と王子と合体中(?)の子息はそのまま席に転がりながら悲鳴を上げた・・・
擬音は察して頂きたい。
×××
王子が使う2人用馬車はキャビンも小型で車輪が2つの洒落たモノでハンサムキャブに近い形をしている。
コレは機動性が高く小回りが効くため王都のように道が入り組んでいて舗装されている場所では重宝するが、お値段が少々高くて積載量が小さいのが難点。
一方この世界の貴族が乗る馬車の中で1番人気は箱馬車で、人数も4人以上乗れて安定した走りが保証されるが車輪が4つある為小回りが利かないのが難点だったが、最新式は車軸に工夫がされていて御者席のレバーでキャビンを360度回転させるための固定軸を下ろすことができるように工夫されている。
行き止まり等で退路を確保する為の技術である。
従来の馬車より随分と重いため引く為の馬が普通の輓馬ではなく魔馬(魔物と馬のハイブリッドで見た目は馬)若しくは輓馬でもより優れた体躯に厳しい調教をされた大型馬になるのだが、彼らは脚が非常に強く御者の指示に従いレッグイールディングと呼ばれる斜め横に足を動かす動きを軽々と熟す能力がある―― つまり一切止まることなく一気にキャビンを回転させる力がある訳で・・・
伯爵家の馬車は最新式。
そしてどうやら魔法が何らかの形で干渉していると考えた伯爵子息は結界のようなモノの働きでこんな状態になるのなら、この場から離れるのが最良と考えた。
彼が急いで馬車をUターンさせることを選んだが故にここが見せ場とばかり張り切った(?)馬達は嬉々として働き、高速でキャビンを180度回転させる結果となった。
実に素晴らしい動きであった・・・
但しその際に王子と子息がさらに密着する可能性やらフロイラインが吹き飛ばされそうになる様な事態になるとは全く考えていなかっただけであって、子息も御者も馬達も何ら悪意は無かった。
まぁ、当事者以外が全員外にいたら馬車の中の状態など見えないので仕方が無いだろう・・・
南無阿弥陀仏。
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